2ちゃんねるの誹謗中傷に関するトラブルは今に始まったことではありませんが2017年に入ってもその相談は止まりません。
2ちゃんねるに個人情報や誹謗中傷を書き込まれたら、誰もがまずは自力でスレッドやレスの削除を試みようと考えると思います。
そして次は長い長い削除ガイドラインと格闘することになるわけですが、ここに書かれている2ちゃんねるの削除依頼のルールはネット事情や法律に詳しくなければ理解するのは簡単ではありません。
そのため、大半の人が削除ガイドラインをよく理解しないまま不適切な方法で削除依頼を出してしまいます。その結果、削除人に無視されたり、あるいは罵詈雑言を浴びるなど散々な目にあい、泣く泣く専門家に相談するというパターンが見られます。
2ちゃんねるは削除してくれない掲示板として有名ですが、そもそも「依頼の仕方」に問題があったり、「権利侵害」を説明せずに依頼してしまうことで却下されるケースが多いのです。個人でも適切な方法で依頼をおこなえば削除することは可能です。
個人が2ちゃんねるの削除依頼で失敗しないための7つのポイントについて解説します。2ちゃんねるに誹謗中傷を書き込まれてお悩みの方は参考にしてください。
2ちゃんねるを取り巻く2017年の現在
本題に入る前に2ちゃんねるを取り巻く現在の状況について簡単に解説します。
現在の2ちゃんねる(本家)はあの有名な管理人「ひろゆき氏」の元から離れ、かつての技術責任者であったジム・ワトキンス氏(米国人)が管理人を務めています。(運営会社はフィリピンにあるRacequeen,Inc)2014年にいわゆるお家騒動が起きたことにより分裂しました。(ひろゆき氏はジム氏が2ちゃんねるを乗取ったと主張…)
その後、ひろゆき氏は「2ch.sc」という同じような2ch型の掲示板を開設しました。2ch.scは書き込まれた記事の転用が可能で(本家の2ch.netは転用不可)、そのため本家からユーザーが流れて今では掲示板サイトとしてはPV数が国内4位になるまで成長しました。
現在、2ちゃんねるを名乗るサイトは「2ch.net」、「2ch.sc」、「おーぷん2ちゃんねる」と3つありややこしい状況になっています。その他に「2ちゃんねるまとめサイト」もあります。
2ちゃんねる本家は、ユーザーが分散したことにより全盛時に比べてアクセス数は減っていますが、それでも国内ではダントツNo.1の掲示板サイトです。
*この記事では2ちゃんねる本家(2ch.net)の削除について解説します。
2ちゃんねるの削除の基本姿勢
2ちゃんねるに書き込まれる投稿数は2017年の今も毎日約250万ほどもあります。その中には、個人、会社、団体への誹謗中傷の書き込みも多く毎日相当数の削除依頼を受けています。
現在の2ちゃんねるはひろゆき氏が管理人のときよりも削除対応はかなり柔軟になりました。それでも、削除依頼数が多いため細かく対応できないということもあり「ガイドラインをしっかり読んでから不備がないように削除依頼して下さい」というのが2ちゃんねるの基本的な削除スタンスです。
削除に関してはガイドラインに詳しく説明されています。そこには2ちゃんねる独自の削除に関するルールが長々と書かれており、ネットの誹謗中傷削除に慣れてない人からは「難しい」、「面倒だ」などの声が聞かれます。
【参考】:2ちゃんねる削除ガイドライン
しかし、2ちゃんねるが定めたルールに沿って依頼しないと削除対応はしてもらえません。
2ちゃんねるの削除対象
2ちゃんねるの削除対象には、以下のような項目があります。
また、2ちゃんねるの削除依頼は「通常削除対象(削除整理板)「重要削除対象(削除要請板)」とに分けられます。重要削除対象は削除の優先度が高いもので以下のような書き込みが対象になり、それ以外は通常削除対象になります。
- 個人名・住所・所属
- 電話番号
- 誹謗中傷
- メールアドレス
- 私生活情報
- 差別・蔑視
- 荒らし依頼
- 判決・仮処分など
それぞれ専用の板にある削除依頼フォームから依頼をおこないます。依頼人の分類は「法人・団体」、「個人・一群」、「個人・二類」とに分けられますのがどれに該当するかをチェックしましょう。
削除人というボランティアの存在
2ちゃんねるには削除依頼の数が多いため管理人一人では対応できません。そのため「削除人」というボランティアを募ってその人たちに削除対応を任せています。判断が難しい削除要請や訴訟・事件性がある内容などを除き基本的にはこの削除人が対応します。
この削除人の判断基準は明快です。まずは2ちゃんねるの「削除ルール(ガイドライン)に則って要請しているか」、「依頼内容に不備がないか」、「権利侵害が明らかであるか」の3点をもとに削除するしないを判断します。
ですので、この3つに不備があれば削除人から「ガイドラインを3万回読め!」、「出直してこい!」などの罵詈雑言を浴びることがあります。
削除依頼した内容は下記のスレッド一覧で公開されますので削除方法は慎重に検討しましょう。
【参考】:削除要請@2ch掲示板@スレッド一覧
2ちゃんねるに誹謗中傷を書き込まれて、おまけに削除人からもバカにされて2重の被害を受けることになりますので、削除依頼は慎重におこなう必要があります。
2ちゃんねるの削除依頼で失敗するケース
2ちゃんねる削除はこのように「ガイドラインを理解する」、「削除依頼に不備がないようにする」、「権利侵害を明らかにする」という2ちゃんねるのルールに則って削除依頼をする必要があります。そうしないと「表現の自由」を掲げる2ちゃんねるは削除対応してくれません。
しかし、誹謗中傷の書き込み被害を受けた人は自分は被害者なんだから「速やかに削除しろ!」、「迷惑しているからすぐに対応しろ!」など、上から目線で「依頼内容に不備が多いまま削除要請をしてしまうケースが見られます。
そうなると前述のように削除人から依頼の不備を指摘されて、尚且つ「削除ガイドラインをよく読め」、「低能」、「バカ」、「却下」などと嘲笑われる結果になります。
このような2ちゃんねるの削除依頼で失敗するケースは以下の様なものがあります。
1.態度が悪い、言葉遣いが悪い
削除依頼する人の多くが「こんな書き込みを放置するな」、「管理人はすぐに削除しろ」など横柄な言葉遣いで依頼してしまいます。
ガイドラインにも“言葉遣いが悪いと削除の判断がおこなわれないことがある”と書いてあります。
依頼人の「言葉遣いが悪い」、「マナーが悪い」という場合には削除人は容赦しません。削除しないだけでなく罵詈雑言の倍返しを受けることになります。削除人は2ちゃんねるの住民だということを忘れてはいけません。
また、削除依頼のやり取りは2ちゃんねるで公開されますので、削除人との無用なトラブルは避けるべきです。へりくだる必要もありませんが、依頼に不備がないように丁寧かつ適切に権利侵害を伝えることが重要です。
2.名前を名乗らない
2ちゃんねるに削除依頼を出す際に「実名を書いて依頼するのが心配」、「本名なんか名乗れるか」とばかりに適当なハンドルネームで依頼する人がいます。削除依頼するなら名前を名乗るのは当然だと削除人から罵られることになります。
特に法人の場合、部署名、役職、フルネームを書かないと相手にされません。
また、名前を騙ろうとすると削除人からすかさず「IPアドレスが見えている」、「プロバイダに紹介すれば身元分かるぞ」と厳しい指摘を受けることになります。
3.削除依頼に不備がないようにする
書き込まれたレスに権利侵害に該当する記述があっても、依頼内容に不備があれば削除人は対応してくれません。特に多い不備が以下のようなものです。
- 法人、個人の区分がない
- レス番指定がない
- スレッドごとの削除要請をしている
- URLが誤っている
- URLがスマホ版になっている(PC版でおこなうこと)
- どの部分が権利侵害されているかの説明不足
削除するためには手抜きせずに丁寧かつ的確な依頼をしないと、例のごとく削除人から罵られることになります。
4.警察、裁判をちらつかせない
削除人に対して少し脅せば削除するだろうと「警察へ報告済みだ」、「裁判を検討する」、「弁護士に相談済みだ」などと威圧的な内容をチラつかせる人がいます。しかしこれは逆効果です。削除人は一定の法的知識を持ち合わせており対応マニュアル的なものもあります。
「警察に行った後にその報告含めた削除依頼をしろ」、「どこの弁護士が言ってるのか」など中途半端な脅しには屈しません。2ちゃんねるはたくさんの訴訟案件を抱えているため裁判には慣れていますし、警察対応も同様です。
5.騙り、なりすまして削除依頼しない
2ちゃんねるは誹謗中傷を書き込まれた本人や関係者以外からの削除要請には基本的に応じません。(代理人からの依頼は別です)
そのため、「依頼者と削除したいレスの関係性が一致しない場合」には却下されます。また、騙り、なりすましによる削除依頼と思われるものは相手にされません。
以降は正しい方法で削除依頼を出しても対応してもらえなくなる可能性がありますので、間違っても第三者を装っての削除依頼は止めることです。
6.法人の削除ガイドラインを守らない
法人の削除依頼の失敗で多いのが以下のようなケースです。
- 会社名を書かない
- 担当者名、役職名を書かない
- フリーメールアドレスを使用する(会社のアドレスが必須)
- 削除理由が曖昧
- 自己都合ばかりで権利侵害が不明
法人の場合、社員が社命のために強引な削除依頼をしたり、会社の代表取締役が出てきて居丈高な依頼をして削除人を怒らせることが多くあります。本来なら権利侵害に該当し削除できる可能性があるものも依頼方法のミスで削除できないことがあります。
法人の削除依頼は、社名、実名、部署名の記入が必須です。削除人とのやり取りが社員や関係者に見られる可能性があるので、丁寧かつ正確な削除依頼をしなくてはなりません。
7.権利侵害を理解していない
削除人が「依頼の不備」や「言葉遣い・マナー」の次に厳しくチェックするポイントが「権利侵害」の有無です。
個人、法人が“明らかな権利侵害”を受けているならばサイト運営者には削除義務というものが生じます。その場合、法的な観点から「削除する、しない」を判断しますので、どの部分が権利侵害にあたるかを依頼する側も理解する必要があります。
そして、権利侵害を明らかにした削除依頼のメール文面にしないと対応してもらえません。
【権利侵害がないため削除人が却下するよくあるケース】
- 会社名を晒されたので削除したい→ 法人なので会社名、代表者名が出ても権利侵害にならない
- 個人名が晒された→ 予備知識のない第三者からの個人特定は不可能だから権利侵害にならない
- 名誉毀損された→ 悪口程度では権利侵害にならない
- デマの誹謗中傷された → デマの根拠が不明瞭。権利侵害にならない
2ちゃんねる削除は権利侵害を認めてもらうことが重要
2ちゃんねる削除は最終的には権利侵害が争点になります。削除人に対してこの部分が「権利侵害」にあたるということを明確に伝えることが必要です。
そのため権利侵害というものを理解した上で削除依頼することが大切です。
2ちゃんねるのような掲示板サイトの誹謗中傷の権利侵害は大きく3つありますのでそれぞれ解説します。
名誉権の侵害
名誉権とは、名誉毀損、信用毀損のことです。つまり誹謗中傷を書き込まれたことで個人や会社の名誉や信用が損なわれる権利侵害です。
書き込まれた内容に「名前」が書かれていて“その人”であるかを特定できるかが重要なポイントであり、社会的評価がどれぐらい低下したのかが問われます。単に“悪口を書かれて信用をなくした”という程度では侵害とは言えません。
「違法行為がある」、「社会的信用を失墜する」などの書き込みが名誉権の侵害に該当します。
【名誉権侵害の例】
- 薬物を使用している
- 脱税している
- 詐欺をはたらいている
- セクハラしている
- 浮気・不倫している
- 飲食店で料理に残り物を使いまわしている
- 上司が社員に暴力をはたらいている
プライバシー権の侵害
プライバシー侵害は、個人の私生活の情報を書き込まれて権利を侵害されることです。ここでも個人が特定されるかが重要なポイントです。
そして、書き込まれた内容が「あたかも事実のように受け取られる内容」、「一般人の感受性に照らして公開されると困る内容」、「他人がまだ知らない内容」
の3要件が認められるかが重要になります。
【プライバシー権侵害の例】
- 個人の氏名、住所、電話番号、写真
- 職業、会社名、給料、年収
- 交際相手、浮気、不貞行為の有無
- 性的嗜好
- 病歴
- 風俗店勤務歴、店舗名、源氏名
名誉感情の侵害(侮辱)
人を誹謗中傷する際によく使われる言葉に「バカ」、「アホ」、「ブス」、「クズ」、「キチガイ」などがありますが、書き込みにこれらが1つ、2つ程度なら単なる悪口として扱われるケースが多いです。
しかし、このような侮辱や下品な言葉が「何度も繰り返される」、「個人が特定されている」なら“社会通念上の限度を超える”という扱いになり名誉感情の侵害になりえます。
削除依頼の記載例
2ちゃんねるの削除依頼は条件に該当すればメールでも可能ですが、ほとんどの場合が削除依頼の入力フォームからおこないます。
そのフォームに削除理由を記述しますが、そこには依頼人が「どこの誰」で「権利侵害」となっているポイントを具体的に書きます。
法人の場合にはくれぐれもフリーメールアドレスからは送信しないようにしましょう。以下、例文のサンプルです。
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2ちゃんねる削除ご担当者様
お世話になります。
私は○○株式会社の営業部の○○と申します。
この度は2ちゃんねる内に私の名前が書き込まれたレスの削除依頼をさせていただきます。
お手数をおかけしますがご対応のほど何卒よろしくお願いします。
【削除依頼理由】
上記URLのスレッドには当社名が記載されていますが、その中のレス番号○○に私と同僚の女性社員との間に不貞行為があったような書き込みがされています。そこには私と同僚女性の部署名・フルネームが書かれています。全くの事実無根の書き込みですので、お手数をおかけしますが削除をお願いいたします。
*もし必要でしたら私の身分証明書、社員証などのコピーもお送りします。
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2ちゃんねる削除は専門家へ相談する
このように2ちゃんねる削除してもらうのは一筋縄ではいきません。
書き込みを削除するためには、まずは2ちゃんねるの削除ルールを理解することから始まり権利侵害に関する法的知識も学ばなくてはなりません。思いのほか面倒な手続きが多いためネットの誹謗中傷対策に詳しくない人にとっては簡単ではありません。
もし「削除依頼したけど対応してもらえない」、「初めて削除依頼するけど失敗したくない」ということであれば、2ちゃんねる削除対策の専門家に相談するのも一つの方法です。