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辺境×日記

ごく個人的に思う事を書く

「ゲイ」 vs. 「ムスリム」の排斥合戦は両者共倒れ

この記事は、「ゲイの5人に1人が極右政党を支持」という調査結果をもとに、非常に扇動的なタイトルをこしらえている。

www.bbc.com

僕はこの記事中に現れる「ゲイカップル」に心から反対する。

ムスリムを排除するパワーを持った政権が、我々同性愛者を排除するなど本当にたやすいことだからだ。

 

彼らの選ぶ道は後退である。

例えばキリスト教の聖書には同性愛を非難する文言がたしかにある。(パウロによるローマ人への手紙)

しかし、キリスト教世界はこの数十年でその呪縛を乗り越えつつある。

同性婚については「乗り越える」どころではない、「先陣を切る」勢いである。

ムスリムに同じ事ができないはずはない。もちろん時間はかかるだろうが。

 

僕はLanguage Exchange系のアプリでいろんな人と話をするが、そこであるパキスタン人ムスリム男性と知り合ったことがある。

彼はもちろん同性愛者ではないが、彼と最初に話した時に

「僕はあなたの宗教では禁じられている同性愛者だが、あなたと話をしてもいいのか?」

と聞いた事がある。

 

彼は即答して

「性的な話をしない限りは大丈夫ですよ」

それ以来、彼とは仲良く様々な情報交換をしている。

彼とはFacebookでもつながり、彼の結婚時にはおめでとうの言葉をかけたり、彼が他の日本人と話をして困ったことの相談に乗ったりなど、そこそこ親密に話をしている。

 

ムスリムの排除を認めることは、我々同性愛者の排除を認めることに簡単に転化する。

ムスリムの多くは未だに同性愛者を認めないだろう。

しかし、それはムスリムコミュニティからの要請なのか、それともその本人の感覚なのかを注意深く見極める必要がある。

そして、我々同性愛者の側からは、少なくとも融和の態度を示し続ける必要がある。我々には「神の与えた聖典」などないのだから。

 

これだけ世界中がつながり、これだけ情報があふれれば、宗教もこれからの100年でまた大きく変容するだろう。

そのような状況に、マイノリティ同士がいがみ合う歴史を追加することほど愚かなことはない。