北朝鮮の大学、拘束された米国人の名前公表

平壌科学技術大学(PUST)のホームページ Image copyright PUST
Image caption 平壌科学技術大学(PUST)のホームページ

韓国系米国人の大学教授が北朝鮮で拘束されたことについて、平壌科学技術大学(PUST)は24日、男性の名前は「キム・サンドゥク」だとBBCの取材に対して明らかにした。

平壌科学技術大学によると、キム氏は拘束される数週間前から同大学で講師として教えていたという。キム氏の容疑は大学とは「何の関連もない」内容だとPUSTはBBCに説明した。

キム氏は平壌を出発しようとするところを拘束されたと言われているが、北朝鮮当局は拘束した理由を公表していない。

韓国の聯合通信によると、50代後半のキム氏は通称「トニー・キム」。外国援助プログラムに関わり、北朝鮮にも人道援助活動のために訪れていたという。

ロイター通信は、PUSTのパク・チャンモ学長の話として、キム氏が「PUSTの学外で、孤児院の支援活動に関わっていた」と伝えている。

キム氏は、PUSTと提携関係にある中国吉林省の延辺大学科学技術学院でも教えていたと伝えられている。BBCは延辺大学にも取材を試みたが、回答を得られていない。

米メディアによると、米国務省は拘束の事実は認識しているが「プライバシーへの配慮」のためこれ以上のコメントは控えると述べている。

キム氏は、PUSTと提携関係にある中国吉林省の延辺大学科学技術学院でも教えていたと伝えられている。BBCは延辺大学にも取材を試みたが、回答を得られていない。

米中首脳が再び電話会談か

米軍の空母打撃群が朝鮮半島に向かい、北朝鮮労働党の機関紙が「強力な先制攻撃」でせん滅すると論説で掲げるなど、米朝関係は緊迫を続けている。

このなかで中国国営メディアは、習近平国家主席とドナルド・トランプ米大統領が24日にあらためて電話会談したと伝えた。

報道によると、習主席はトランプ氏に再度、冷静な対応を呼びかけ、「全当事者が抑制的な行動をとり、緊張を悪化させる行動を控えるよう」伝えた。両首脳は朝鮮半島について連絡を取り続けると約束し合ったという。

米国側は両首脳の電話会談の事実を発表していない。

Image copyright Reuters
Image caption 昨年1月には米バージニア大の学生オットー・ワームビア氏が北朝鮮で逮捕された

北朝鮮が拘束の米国人は3人

米国はこれまで、北朝鮮が駆け引きの道具とするために米国人を拘束していると非難してきた。拘束が事実ならば、北朝鮮に捉えられた米国人はこれで3人目となる。

昨年4月には、韓国生まれで米国に帰化した62歳のキム・ドンチュル氏がスパイ罪で有罪となり、懲役10年の刑を言い渡されている。キム氏は2015年10月に逮捕された。

昨年1月には、バージニア大の学生オットー・ワームビア氏が北朝鮮を訪問中にホテルの政治宣伝ポスターを盗もうとした疑いで逮捕された。同年3月に国家転覆罪で有罪となり、懲役15年を言い渡された。

(英語記事 North Korean university names detained US citizen

この話題についてさらに読む