フリマアプリ「メルカリ」で、現金4万円が4万7300円など額面よりも高額で出品されており、いわゆる“クレジットカード現金化”なのではないかと、ネット上で話題になっていました。
メルカリでは「当初想定していなかった、現金を額面以上で販売するという出品が行われ始めた」ため、4月22日に現行紙幣の出品を禁止。「利用規約で禁止しているマネーロンダリングにつながる可能性がある」として出品を見つけ次第、順次削除しているそうです(関連記事)。
“クレジットカード現金化”とは、クレジットカードのショッピング枠で現金を入手することです。メルカリでは「クレジットカード」が支払いに利用できるため、それを利用すると(1)買い手が申し込む(2)売り手から現金が送られてくる(3)1〜2カ月後にクレジットカード会社から請求される、ということになり、2カ月程度前倒しで現金を入手することができます。
今回のメルカリでの現金取引について、クレジットカード規約上の問題はないのか、日本クレジット協会に問い合わせをしました。カードの利用規約はカード会社によってそれぞれですが、一般的には「換金目的での使用は禁止」とされています。カードの契約違反となれば、退会手続きをとることを求められる可能性もあり、その場合は一括での返金を求められます。
以前、問題となったクレジットカード現金化は「クレジットカード現金化業者」が消費者に換金性の高い商品を購入させ、購入金額より安値で買い取るなどの手法でした。国民生活センターによれば、生活資金や借金の返済のための融資を得たいという目的で利用した人が多かったとのこと。その場合一時的に現金を手に入れられても、その金額より高額なクレジットカードの支払いに追われることになります。絶対にクレジットカードの現金化は行わないように注意を呼びかけています。
一方で、メルカリでの現金出品については、「クレジットカード現金化よりも“ポイント換金”のためにあるのではないか」という意見もネット上に見られました。事実、商品説明欄に「ポイント消化」「ポイント消費」などと書いてある出品も複数ありました。
メルカリでは、友人を招待した際やキャンペーンなどでポイントがもらえます。このポイントはメルカリ内でのみ利用可能。例えば新規登録時に招待コードを入力すると300ポイントが招待された人と招待した人に与えられます。ネット上には「招待コード掲示板」のようなものもあり、知らない人同士でも招待コードを交換しあっている実体が伺えます。ポイントには有効期限があるため、メルカリ内で買いたい物がない場合、現金を買って換金するという需要があるのではという意見もありました。
(高橋ホイコ)
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