元投資銀行家、「略奪婚」の過去…仏大統領候補マクロン氏の横顔
2017年04月24日 10:45 発信地:パリ/フランス
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【4月24日 AFP】異色の政治キャリアに型破りの結婚、フランスを現代化させるという公約──。フランス大統領選では、そんな背景を持つ中道系独立候補のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相(39)が決選投票への進出を確実にした。
元銀行家のマクロン氏が公職選に出馬したのは今回が初めて。決選投票で勝利すればフランスで現代史上最年少の大統領が誕生し、強大な権限を持つ大統領の選出で経験が重んじられてきた伝統が覆される形となる。
アウトサイダーに位置づけられるマクロン氏だが、リーダーを多数輩出しているフランス国立行政学院(ENA)をはじめ複数の高等教育機関で秀才として学び、同国でお決まりのエリートコースを歩んだ経歴も持つ。
マクロン氏は投資銀行の世界に入り、ロスチャイルド(Rothschild)系の銀行で数百万ユーロを稼いだ。その後、2012年にフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領の経済顧問に就任し、その2年後には経済相に起用された。
政治と同様に私生活でもマクロン氏は伝統を破っている。中流家庭出身の演劇愛好家のマクロン氏が、リセ(高校)時代に演劇教員のブリジット・トロニュー(Brigitte Trogneux)さんとの恋に落ちた物語は、仏メディアをとりこにした。
トロニューさんはマクロン氏より25歳年上で、当時すでに3人の子どもを持つ既婚者だった。しかし、その後夫と離婚して2007年にマクロン氏と再婚している。
親欧州連合(EU)を掲げるマクロン氏は23日の第1回投票で約24%の票を獲得。極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首(48)とともに5月7日の決選投票に臨む見通しとなった。
23日に発表された最新の世論調査では、仮に同日に決選投票が行われていればマクロン氏が約3分の2を得票して勝利したとの結果も出ている。
パリ(Paris)のシンクタンク、政治革新財団(Foundation for Political Innovation)のドミニク・レイニエ(Dominique Reynie)氏はマクロン氏について、ライバルの試みにもかかわらず「政府寄りとみられるのを免れたようだ」と指摘している。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT