メモリー内蔵積層型CMOSのローリングシャッターの話 [┣ デジタル一眼“α”]
プロ向けのデジタル一眼カメラ"α9"に搭載されたメモリー内蔵積層型CMOSセンサーですが、そういえば一足先にサイバーショット「DSC-RX100M5」にも搭載されていました。こちらもシャッター速度1/32000秒で連写にいたっては秒24コマを実現しています。
こちらのモデルでもローリングシャッターが気にならないレベルまでスピードが上がっているものと思われますが、実際にまだ試したことがありませんでした。非常に厳しい条件になりますが電車に乗ってすれ違いの電車の窓の撮影を試してみました。
こんにちは、店員佐藤です。
ローリングシャッターのテストで真っ先に思いついたのが電車のすれ違いでした。デジカメを使って電車から車窓を撮影していて気になった方って多いと思うんですよ。
ま、どんなことが起こるかというと。。。
こんなことが起こります。これはデジタル一眼カメラ"α6500"を「サイレントシャッター」にして撮影したところです。"α6500"は秒12コマの高速連写ができますが、そちらはメカシャッターを使ったときの連写です。メカシャッターを使わずに電子シャッターのみで撮影すると秒5コマまで連写速度が落ちるのと、こうした「ローリングシャッター歪み」というものが高速で移動しているモノを撮影すると出ます。
これはセンサーの上から下までをライン上にセンサーが読み出しをしている原理から起こるモノで、この場合は高速に左方向に移動をしている(急行列車に乗っていて、ここは通過駅です)のですが、そうするとセンサーが読み出しを始めたところから読み出しを追えるまでのほんのわずかなタイムラグが起こるおかげで上記の様な歪みが出てしまいます。
メカニカルシャッター(フォーカルプレーン方式)を使った場合はセンサーの読み出し速度よりも早くシャッター膜を使ってセンサーにあたる光を遮るため、これが起こりにくくなるのですがフォーカルプレーンシャッターも厳密には上から下へ幕をひいているので時間差が起こります。
以前、"α7"シリーズのシャッター幕をハイフレームレート機能を使って超スローモーション撮影したことがあるのですが、こちらをご覧いただくとその仕組みがわかると思います。
シャッター幕は下から上へと移動していますがレンズを通った光は上下左右が反転された状態で届くので、これで画像的には上から下へ幕をひいている形になるわけです。
ちなみに条件的に厳しいのは窓と窓の間隔しかなく目の前を超高速で移動する車窓同士というのが非常に厳しく、やや離れた列車ではローリングシャッター歪みはほとんど気にならなくなります。
そんなわけで複線区間で列車のすれ違いの時に連写を使って"α6500"とサイバーショット「DSC-RX100M5」の撮影をしたものがこちらです。
"α6500" メカシャッター 1/4000秒
今回試してみて、私もはじめてわかったのですがメカシャッターでもこれだけの歪みはやはり出るんですね。向こうの窓と手前の窓で形がこれだけ変わります。
すれ違う列車のスピードは、列車ごとに違っていると思いますので、同時に"α6500"と一緒にサイバーショット「DSC-RX100M5」もシャッターを切っています。右手で"α6500"、左手でRX100M5を持っていて、同時に片手でシャッターを切っているモノでちょっと画角が揃っていないのはご容赦ください。
思いつきでやっているもので、今回は特別な道具をなにも用意できなかったんです。
DSC-RX100M5 電子シャッター 1/32000秒
なんだ、メモリー内蔵積層型CMOSセンサーでも歪みは出てるんじゃん、というところですが、従来のものとは比較にならないほど歪みは少なくなっています。
なんせメカシャッターでもこうして歪みが出ているくらいの条件なんです。
"α6500" メカシャッター 1/4000秒
歪みの量を数値化できないのですが、どうでしょうか? これで歪み量は倍くらいの違いって感じでしょうか?
DSC-RX100M5 電子シャッター 1/32000秒
さほど気にならないレベルと私は思います。
なんせ、今までの電子シャッターというと、こういうレベルのものではないですから。
上記2点の比較は駅と駅間で割とスピードが出ている列車同士のすれ違いでした。次の比較は駅構内に止まっている列車とのすれ違いです。スピードは半分以下になると思います。その状況での比較がこちらです。
DSC-RX100M5 電子シャッター 1/32000秒
このレベルになるとメモリー内蔵積層型CMOSセンサーのローリングシャッター歪みは気にならないレベルになります。
続いては"α6500"をサイレントシャッターにして撮影しています。シャッタースピードは最高速の1/4000秒に設定しています。
"α6500" 電子シャッター 1/4000秒
これくらいの歪みが出るのが従来のローリングシャッター歪みでした。"α9"ではセンサーの読み出し速度が20倍に高速化されたという話ですが、これくらいの差は出るんでしょうね。
DSC-RX100M5 電子シャッター 1/32000秒
こちらはまた別の車両で撮影したところです。このときの方がスピードが出ているみたいですね。
"α6500" 電子シャッター 1/4000秒
スピードが上がるとローリングシャッター歪みは大きくなります。
DSC-RX100M5 電子シャッター 1/32000秒
距離が離れた被写体だとあまり目立たなくなります。駅の通過シーンですがサイバーショットの電子シャッターでは歪みはまったく気になりません。
"α6500" 電子シャッター 1/4000秒
これが"α6500"の電子シャッターではこれだけの歪みが出ます。
サイレントシャッターは音を出すのがまずいときに使う機能、として私も捉えていて、プレゼンの時に試したことがあったんですが、そうするとプロジェクターの映像が縞模様になってしまい、どうやらフリッカーを拾ってしまうほどの読み出し速度の遅さになっているようで、以来、プロジェクターの資料を撮影するときはメカシャッターを使う様にしたりしています。
条件を気にして使わなくてはいけなかったんですが、"α9"では、逆に電子シャッターをメインで使って、フラッシュを使う時にメカシャッターを使う、とかいう使い方になるんですかね? サイバーショットはレンズシャッターを採用しているため、もともと音は小さくシャッターショックもなかったので気にしていなかったのですが、"α9"ではこれが相当な威力を発揮することになりそうです。
なお、プレスリリースを見るとサイバーショットRX100M5は「メモリー一体型」で"α9"は「メモリー内蔵」という表記になっています。なにやら違いがあるようですが、今のところ当店でも調査中です。
デジタル一眼カメラ"α9"は4月27日木曜日の10時からソニーストアにて予約販売を開始します。当店も木曜日は朝9時半から臨時営業をいたします。
当店店頭からお買い上げいただいたお客様には後日、予備バッテリーを1本プレゼントさせていただく予定です。"α9"のご購入も是非、当店をご利用ください。
デジタル一眼カメラ 『α9』ボディ ILCE-9 |
ソニーストア価格: 500,000円前後 |
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4月27日(木)10時より予約販売開始 | ||||
発売日 | 2017年5月26日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:未定 3年ワイド/5年ベーシック:未定 3年ベーシック:無償 |
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残価設定 クレジット |
月々価格未定(2~24回目) | |||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 送料無料 24回分割払手数料0%キャンペーン実施中(~5/31) 残価設定クレジット 分割払手数料0%キャンペーン(~5/31) |
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当店店頭 購入特典 |
予備バッテリー『NP-FZ100』プレゼント(発売後になります) 開店3周年記念品プレゼント |
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