【もしこど】は童話や歴史的場面で、もしも子供や赤ちゃんがいたらどうなっていたのかを考えるシリーズです。
今回は桃太郎編。
もしも桃太郎に赤ちゃんがいたら、きっと物語はこうなっていた。
桃太郎は赤ちゃんを抱っこしつつ、犬、猿、キジの家来と共に鬼ヶ島へ鬼退治に向かっていたのだった。
「あのさ、鬼ヶ島ってさ、オムツ交換台とかあんのかな?」
「いきなり何馬鹿な事言っているんですか桃太郎さん。百パーないですよ」
「いや、今時オムツ交換台が無いってのは施設として終わってると思うよ」
「鬼ヶ島を施設って言うな」
「だまれ猿」
「まぁ百歩譲ってあったとしても、女子トイレだけに設置されてるパターンっしょ」
「いやいや、どーすんだよこの子。既にオムツ結構タプタプよ?」
「大体鬼退治するってのに赤ちゃん連れてくる桃太郎さんがおかしいんですよ」
「そりゃ出来ればどっかに預けたかったけどさ、保育園とか今ほんと入れないからね。鬼退治程度じゃ選考に漏れるっての」
「お爺さんとお婆さんに見て貰えば良かったじゃん」
「はぁ?愚かな猿かよ。俺が赤ちゃんだった頃で既に老人だったんだぜ?流石にもう無理だろ。怖くて置いてけねーよ。この間はまだ熱々状態でミルクあげようとしてたからね。もうだいぶキテる」
「所で桃太郎さん、両手塞がってるけど鬼なんか退治出来るの?」
「いやいや、俺はどー見ても無理っしょ。だから君らを家来にしたんじゃん」
「え?嘘でしょ?」
「大丈夫大丈夫。少しの間だけ抱っこしてくれる親切な鬼を探すよ。その後加勢するさ」
「鬼ヶ島ってそういう観光バスの車内みたいな場所じゃないから」
「おぎゃーおぎゃー」
「やっべ、お腹空いたっぽい」
「え?どうするんです?ミルクは?」
「粉ミルクあるけどお湯がない。魔法瓶に入れてたけどもう冷めちゃったんだよ。鬼ヶ島へ急ぐぞ!お湯くらいあんだろ!」
「敵地のインフラに頼り過ぎてない?」
ぷりぷりぷり♪
「あー今うんちした音がしたー!」
「ええー!?」
「やべーなー。おしっこでタプタプのオムツにうんちが融合するとさ、漏れやすくなるんだよ。漏れやすさの極みなんだよ」
「漏れやすさの極みはまずいですね。でも赤ちゃん寝かせてオムツ交換出来る所なんてこの辺にはないですよ」
「俺が抱っこして支えておくからさ、空中で交換するっきゃないっしょ。任せとけ!」
「うるせぇ愚かな猿!それだとお尻の隙間が開けないから綺麗に拭けないんだよ!猿の極みかよ!お前が寝そべってその背中で交換させろ!」
「さっきから猿にだけ当たりがキツイな」
「おぎゃーおぎゃー」
こうなる。