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 福島県飯舘村で、原発事故に伴う避難指示の解除を受け、老舗のうどん店が6年ぶりに営業を再開した。村内で再開する飲食店第1号で、初日の23日は早速、多くの客が訪れ、変わらぬ味を懐かしがっていた。

 再出発したのは創業60年以上の「ゑびす庵」。高橋義治さん(70)とちよ子さん(68)夫妻、次男の均さん(43)が切り盛りしている。原発事故で全村避難となったあとも、避難先の福島市で営業を続けてきたが、「生まれ故郷に戻りたい」という義治さんの思いは強く、3月31日の避難指示解除に合わせて戻ってきた。「まだ帰ってくる村民は少ないが、よりどころになれば」と義治さん。

 店を訪れた同村の佐藤一子さん(85)は「(原発事故)前と同じ味だけど、うれしい分さらにおいしく感じる」と話していた。(福留庸友)