河村氏、大差で4選 天守閣木造、加速
任期満了に伴う名古屋市長選は23日投開票され、現職の河村たかし氏(68)=地域政党「減税日本」推薦=が、前副市長で弁護士の岩城正光氏(62)ら2新人を大差で退け、4選を果たした。河村氏は「選挙で民意を得た」として、市議会から批判が強い市民税5%減税を継続し、名古屋城天守閣の木造復元に早期着手する方針だ。ただ、有権者の関心は低く、投票率は36.90%で、2013年の前回選を2.45ポイント下回った。
任期途中の辞職・出直し市長選(11年)を含めて4回目の当選で、3期目の市政を担うことになる。
河村氏は23日夜、「世界4大都市といえばロンドン、パリ、ニューヨーク、名古屋と呼ばれるようにしたい。天守閣の木造化をきっかけに名古屋全体の街づくりが始まる」と強調した。
市長選は、減税の継続や天守閣木造化など、河村市政への評価が最大の争点となった。2期8年の実績と市政継続を訴えた河村氏に対し、河村氏が民間登用し後に解任した「元部下」の岩城氏が現市政の運営手法を「独断的」と批判、事実上の一騎打ちとなった。岩城氏には河村氏と対立する市議会の自民、民進、共産の各市議団や公明の一部市議、市議のいない社民愛知県連も支援に加わった。
河村氏は選挙戦で「庶民の税金を一円でも安くする」として減税の経済効果を主張し、天守閣木造化では22年12月完成を目指して「世界から観光客を呼び込む」と訴えた。
一方、岩城氏は「一律減税は金持ち優遇になる」とし、廃止して増収分を市民サービスに充てるほか、天守閣木造化は「事業者の再公募を含めて見直す」などと訴えたが、河村市政への批判票を取り込めず、支持が広がらなかった。
河村氏の今回の得票率は67.84%。09年の初当選以降、過去3回の市長選と比べて今回は2番目に高く、前回選から5.64ポイント増となった。【三上剛輝】
名古屋市長選確定得票数
当454,837河村たかし<4>無現
195,563岩城 正光 無新
20,099太田 敏光 無新
【略歴】
河村(かわむら)たかし68無 現<4>
減税日本代表[歴]衆院議員▽衆院法務委筆頭理事▽民主党副幹事長▽一橋大