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「生活に最低限の所得給付を」 京都でスイスの活動家らシンポ

スイスで実施されたベーシック・インカム導入可否を問う国民投票の意義について報告するエノ・シュミットさん(京都市上京区・同志社大今出川キャンパス)
スイスで実施されたベーシック・インカム導入可否を問う国民投票の意義について報告するエノ・シュミットさん(京都市上京区・同志社大今出川キャンパス)

 暮らしに必要な所得を全員一律に支給する「ベーシックインカム(BI)」について、スイスで国民投票を実現させたエノ・シュミットさんを招いたシンポジウムが23日、京都市上京区の同志社大で開かれた。

 生活保護や年金、失業手当などの対案として世界各地で議論されるBIだが、シュミットさんは「給付が年齢や正しさや宗教などを問わず、無条件であることが重要。民主主義と同じく、市民への信頼に基づく。人権と、人の存在を肯定するところから始まる」と意義を述べた。

 昨年6月実施されたスイスのBI国民投票に呼びかけた運動で、シュミットさんたちは▽右派や左派といったどんな主義に反するものではない▽汗水流して働くことも、今の社会を批判するものでもない―と強調したと説明。国民投票は賛成23%で成立しなかったものの、新しい発想を国民に広げるきっかけになったと振り返った。

 また、シュミットさんは「日本で、無条件で誰にでも月20万円が支給されれば、あなたは何をしますか?」と呼びかけ、海外の調査では9割の人が仕事を続けると回答したことを紹介。財政論や他の人が働かなくなるといった議論より、自らを考えることで収入や仕事のとらえ方が変わると訴えた。約70人が参加した会場では、台湾のBI活動に取り組むピアニストや東山区の「本町エスコーラ」でアトリエや住居をシェアする佐々木暁生さん、山口純さん、同志社大の山森亮教授らが討議した。

【 2017年04月23日 22時00分 】

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