私は英語が話せなかった頃、英語の現在完了形を全く理解していなかたので、[なんで、そんなのあるの?] って思ってました。自分で英語の勉強を始めて現在完了形を理解すると、意外なほどの単純さと使い勝手の良さに驚き今に至ります。
今回はそんな現在完了形について解説していきます。(そこから英会話上達へのヒントを探ります)
英語の現在完了形とは、どういったものなのか?
現在完了形は『 ある過去から現在まで続いていること 』を表現する時に利用するものです。
形は、[主語 have/has 動詞の過去分詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
例 I have worked in Shibuya . (私は 働いている 渋谷で)
現在完了形は、ある過去から今現在まで連続している/継続している行為を表現しているので、この文の正確な日本語は [私は(ある時期から今に至るまで)働いている 渋谷で] ということです。現在完了形を使うことで、相手は [ある時期から今も続けているのね] ということを判断できます。
現在完了形を英語の基本文で考えると、動詞が拡張した文で、動詞の部分が [have/has + 動詞の過去分詞] となります。(この例文の [in] は、接着剤の [in] ではなく、動詞 [work] に付属しているものと考えてください)
基本文とは、
基本文:[主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
([主語 動詞 動詞に関連] までが、基本文の核)
英文は、[主語] [動詞] [動詞に関連] [接着剤 説明] という四つの枠組みで構成され、それら四つの枠組みは、状況に応じて個々に拡張したり、複数が拡張したりします。
[主語] ,,,, I/You/He/She/We/They/It/名詞
[動詞] ,,,, [~する] という意味を表すもの
[動詞に関連] ,,,, 基本、名詞/形容詞/me/you/him/her/us/them/it(正確には、動詞に関連するもの)
[接着剤 説明] ,,,, 前置詞/不定詞/動名詞/接続詞/関係代名詞/関係副詞 etc (正確には、接着剤効果のあるもの)
拡張とは、それが単独ではなく何かと一緒に利用されることで、[表現できる幅を広げていく] ことを意味しています。
基本文について詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。
英語を話すために、英語の基本文という軸を持つ。 - 英語を話すコツを考える
そもそも、なぜ現在完了形をわかりにくいと感じるのか?
なぜ現在完了形がわかりにくいと感じるのかを理解するには、なぜそれが英語において必要なのかを理解する必要があります。
まず過去形との違いを見てください。
=>I worked in Shibuya .(私は 働いていた/働いた 渋谷で)
この英文が表しているのは [私は、以前渋谷で働いていた(が今は働いていない)] ということです。なので図で表すと以下のようになります。
過去 現在 未来
_____________}______________>
=>
過去形は、過去の出来事についてスポットを当てるだけなので、そこから現在との関わりを推測することはできません。
続いて現在形です。
=>I work in Shibuya . (私は 働いている 渋谷で)
過去 現在 未来
_____________}_______________>
=>
現在形では、今現在、日常的に行っていることを表現します。
それに対して現在完了形は、
=> I have worked in Shibuya . [私は(ある時から渋谷で働き始めて今も)渋谷で働いている]
過去 現在 未来
_____________}_______________>
=======>
このように現在完了形は、過去形と現在形では表せない過去から現在までの連続性/継続性を表します。
現在完了形を使うことで、[(ある過去から)~を続けている/~は続いている] という現在までのつながりを一つの英文で表現可能な便利なものなのです。イメージとして [過去形・現在形は点で、完了形は線] と頭にいれておくと理解しやすくなります。
それでは、どういった場面で現在完了形が有効なのか?
現在完了形の良さは過去との連続性にあるということをふまえて、それが必要となる場面を身近な事柄から考えてみましょう。
例えば、[誰かがある場所に行って、今もここにいない]
=> Bob has gone to Canada .(ボブは 行っている/行ってしまった カナダに)
[ある時から、ある人に会っていない]
=> I haven't seen Bob .(私は 会ってない ボブと)
これは、ある時点から今までの一定の期間、彼に会っていないという意味です。
このように例文を眺めて見えてくるのが、この現在完了形は、相手にあることを尋ねられた時により効果を発揮するという点です。それはつまり、この文が会話の一番最初に出てくることはあまりなく、通常、何らかの疑問文の後に出てくるということです。
実際の会話の流れでは、以下のように使われます。
=>あなたは 何を根拠に、あの辺は危なくないって思ってんだい?
=>今まで、旅でつちかってきた勘かな~。
=> Why do you think that area is not dangerous? (Why do you think + 基本文の核?)
=> I trust my senses (that) I've developed so far . (基本文の核 + (that) 主語 have 動詞の過去分詞 ~)
この英文は以下のように分解すると理解しやすいと思います。
=> I trust my senses (私は 感覚を信頼している)
=> +(that) I've developed so far . (自分が発展させてきたものを 今までに)
ここで注目するのは現在完了形を使っている [that] 以下の部分です。
=> I trust my senses (私は 感覚を信頼している/) + [(that) 主語 have 動詞の過去分詞 ~]
最初の部分で [基本文の核] を形成し、接着剤の関係代名詞 [that] を使って足りない説明を付け足しています。その [that] 以下の付け足す説明の部分に現在完了形を使って [旅を始めた時から、その時点まで] ということを表現しています。こういう会話の中である程度の継続して行っている行為を表現する時に非常に効果を発揮します。
私がこの英文を作成する細かい過程、英語のネイティブ・スピーカーならどういった英文にするのか等を知りたい方は、こちらを読んでください。
現在完了形の期間はどうやって表現するのか?
現在完了形の疑問文は2つあります。
1, Have 主語 過去分詞 ~ ? (誰々は (一定の期間)~してるの?)
2, How long have 主語 過去分詞 ~ ? (どのくらいの期間~しているの)
最初の文は現在完了形を用いた疑問文で、[have] を一番前にもってくるだけです。
=>1, Have you worked in Shibuya ? (あなたは (ある程度の期間)働いているの? 渋谷で)
現在完了形の疑問文でたずねられた時は、期間を表現しなくても問題ありません。ここで主眼が置かれているのは [ある一定の期間~している] のかどうかだからです。
=> Yes, I've worked in Shibuya . (ええ、渋谷で(ある程度の期間) 働いてるよ)
この表現が好まれる場面は、誰々がある一定の期間~しているのを知らない場面と言えます。もちろん、ついでに [いつから/どのくらいの間] なのかを付け足して問題ありません。この現在完了形の疑問文は、[ある一定の期間~しているの?] という問いだけでなく、[いつから ~しているのか] と期間についても、間接的にたずねられる便利な疑問文と言えます。
二つ目の文は [How long + 現在完了の疑問文?] なので、[How long + 1] ということです。
=> How long have you worked in Shibuya ? (どのくらい 働いているの 渋谷で)
この場合は、以下のように [現在完了形 + 期間] で返答します。
=>I have worked in Shibuya + since 2005 .(私は 働いている 渋谷で 2005年から)
=>I have worked in Shibuya + for 2 years .(私は 働いている 渋谷で 二年間)
[いついつから] ~しているのかを表現したい時は、
=>> since + それを始めた時(yesterday/last month/etc)
[どのくらいの間] ~しているのかを表現したい時は、
=>> for + 始めた時から今までのトータルの期間(a month/2 weeks/ 3 days/etc)
この質問は [期間にスポットをあてている] ので期間を省かずに返答しましょう。
ここでの注意点は、期間の部分に単独で過去の時点を使わないということです。現在完了形は、過去から現在までの連続性を表すものなのに、単独で過去を表すものを使っていますと、その英文に整合性を見いだせなくなってしまいます。
=> x,,,, I have worked in Shibuya last week .
現在完了形で特定の期間を表現する場合は [since/for] を活用しましょう。
=> o,,,, I have worked in Shibuya since last week .
もし過去の時点を単独で使う時は、文を過去形にして使えば問題ありません。
=> I worked in Shibuya last year .(私は 働いた カナダで 去年)
現在を含む単語となら、それが単独でも、一緒に使えます。
=> I haven't seen her this week(/this morning/today/etc) .
ただ、それには条件があって [その期間が終わってない状況である] ことが条件です。[this week] を使うなら、まだ今週中でなければならないということです。現在完了形の期間を表すには [since/for] を上手く活用してください。
なぜ、現在完了形を使えるようにならないのか?
一つ目の理由は、上で述べたように [使う場面とメリットを想定できていないから] だと言えます。現在完了形を使うのは、連続している/継続している行為を表現したい時でした。その時に現在完了形を使う事は、英文を一つで表現できるメリット [それを使えば楽だから] という点にあります。
そのメリットを中々実感できないのは、英語では [現在形、現在進行形、現在完了形] は全て違う形で表現しますが、日本語では基本、その全てが [~している] で表現可能だからだと思います。
=> I go to school . (学校に通っている-日常的に)
=> I'm reading this book . (本を読んでいる-今この時)
=> I've study Engsish . (英語を勉強している-ある時期から今まで)
日本語で考えると現在完了形が便利なものという事をあまりイメージできませんが、日本語と英語の違いを認識し、現在完了形は英文作成時において十分なメリットを要するものと考えましょう。
二つ目の理由は、学校の英語の授業で教わる現在完了形の用法にあると考えています。学校で現在完了形を習うと、現在完了形には、完了、結果、経験、継続という用法があると説明を受けます。
1, I have just finished this task . ([完了]=>ちょうど~した)
2, The bus has arrived here . ([結果]=>~した(結果...))
3, I have been to Nagoya . ([経験]=>~したことがある)
4, I have lived in Tokyo since 2010 . ([継続]=>~している)
この説明を見て、今の私が感じるのは、[これは、何なんですかね?] というものです。
私は、完了、結果、経験、継続という日本語の解釈をどうするのかというと、そういったものは利用しません。そんな分類わけをしておいても、英語を話すためには役に立たないと考えているからです。私も分類わけが好きなので、自分なりの分類わけをよくしますが、それはあくまで英語を話す/英語を使うということを前提とした分類わけです。
英語を話すときに、これは現在完了形の完了だから、継続だから、経験だから、結果だからと考えて現在完了形を使っている人はいないはずです。
私は、そういう発想で、現在完了形を使ったことは今まで一度もありません。
利用するのは、あくまで、ある過去から今現在まで連続/継続している行為について表現したい/しようと思った時です。
4つの用法もそこに集約可能です。
- 1, (ある時期から行っていた)この仕事をちょうど終えた
- 2, そのバスはここに到着した(そして今ここに停まっている)
- 3, 名古屋に行ったことがある(そして今はここにいる/経験がいきている)
- 4, 2010年から(今でも)東京に住んでいる
このように4つの用法は全て、ある過去から今現在まで連続/継続している行為に集約してしまいましょう。(3 がわかりにくかったら、過去の出来事が今現在に影響を与えていると考えてください)
分類わけは英語を話すために行うべきだと思います。分類わけをしたことで、それが英語を使うことの弊害になるようでは本末転倒でしょう。
ちなみに、これは、英語の5文型にも同じことが言えると考えています。
気になる方は、こちらを読んでください。
英語を話すのために、最初に必要となる技術は動詞を決定することです。現在完了形は動詞を拡張させるものなので、動詞を決定するのと同時に現在完了形にするかどうかを決めます。これは動詞を拡張させるものが左側に拡張するので、後から付け足すことが不可能だからです。
動詞の拡張については、こちらを参考にしてください。
英語の動詞は、拡張することで表現の幅を拡げていく点を解説します - 英語を話すコツを考える
最初に動詞を決めることのの重要性については、こちらをどうぞ。
英語を話すために最初に覚えるのは、絶対に動詞という点を解説します。 - 英語を話すコツを考える
現在完了形の完了、継続、経験、結果という日本語の解釈は、英語を話すためには必要ないので排除しておきましょう。英語を話すための設定を簡素化できればできるだけ記憶を引き出しやすくできます。英語の単語、表現、文法等、覚えるものは、なるべくアウトプットしやすいように自分なりに簡素化して頭に入れましょう。そういった発想で英語を勉強していくことがあなたの英会話を上達させていきます。(現在完了形については、後一回、どこかで説明予定です)