2017-04-22
マクロモデルは(少なくとも)5種類必要である件
経済 |
3回目のエントリでモデルに関する話は打ち止めにしたい、と書いていたオリビエ・ブランシャールが、表題の4回目のエントリを書いている(原題は「On the Need for (At Least) Five Classes of Macro Models」)。その言い訳としてブランシャールは、そもそもモデルについて書き始めたのはデビッド・バインズ(David Vines)のDSGEに関するプロジェクトがきっかけだったが、彼が開いた1日コンファレンスでさらなる刺激を受けたため、と述べている。
以下は彼が最低限必要だと考える5種類のモデル。
- 基礎的モデル(Foundational models)
- DSGEモデル(DSGE models)
- 政策モデル
- サイモン・レンールイスは構造計量経済モデルと呼ぶことを好んでいる*3。
- これらのモデルの目的は、政策設計の手助けをし、特定のショックの動学的効果を研究し、政策の別の選択肢を追究できるようにすることにある。
- これらのモデルにとって、データへの適合と現実の動学の捕捉は極めて重要。同時に、ショックや政策の影響を追跡するためには、理論的構造も十分に備えていなくてはならない。ただし、2つの目的のために、理論的構造は必然的にDSGEより緩くなる。
- 集計と不均一性により、理論的に厳密なモデルが捉えられると期待し得るものよりも複雑な集計的動学が生じる。
- 以前の政策モデルは、理論を出発点としつつ、方程式ごとにデータをして語らしめた。最近のモデルはDSGEを出発点として、より複雑な動学をデータに決定させる。
- いずれにせよ、これらのモデルでは、DSGEとはゲームの規則が違う。例えば…
- VARによって特徴付けられた動学と整合的という意味でモデルは上手く適合しているか? 過去の政策効果を上手く捉えているか? 別の政策を考えることができるか?
- VARによって特徴付けられた動学と整合的という意味でモデルは上手く適合しているか? 過去の政策効果を上手く捉えているか? 別の政策を考えることができるか?
- トイモデル(Toy models)
- IS-LMモデルやマンデル=フレミングモデルやRBCモデルやニューケインジアンモデルの様々なバリエーション。
- 理論の基礎付けが緩いものも、理論に明確に基づいているものもあるが、いずれのモデルも目的は同じ。それは、質問に対し取りあえずの回答を提示すること、ならびに、より複雑なモデルないしモデル群からの回答のエッセンスを提示すること。研究者は、より精緻なモデルを構築する前に作成する、もしくは、精緻なモデルを構築した後にその内容を精査するために作成する。
- 正式の理論にどこまで近いかはここでは問題とはならない。ロバート・マンデルやルディ・ドーンブッシュのような優れた職人の手にかかれば、素晴らしいものが出来上がる。それが彼らのモデルが学部のマクロ経済の教科書を支配している理由。それは科学であると同時にアートであり、すべての経済学者にアートの才があるわけではない。だがアートには大いなる価値がある*4。
- 予測モデル(Forecasting models)
最後にブランシャールは以下の点を指摘している。
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って思ったの私だけかな。
マクロだから目的は主体の行動方程式ではなく、何らかの集計顕示される値かなんでしょうが。
目的毎にモデル上の主体や客体の種類の限定や。行動の制限、能力的可能性か制度法律的行動可能性か、それらを加味したインセンティブか又は加味し無いものか等を分類して蓄積していけないんでしょうかね。マクロ経済学…。
ミクロ主体の行動研究蓄積とそれによる収斂ではなく誤差の範囲限定の蓄積が必要かと思いますが。
それにしても収束条件や横断性条件を使いたいために安易に長期の均衡を仮定したり。現実や会計学accountingでは貨幣の内生性が基本なのに、生産調整寄りも利子率調整や価格調整を全主体に適用したいためやそれ似合わせた自分たちの資金循環理論のために外生性という非現在的仮定を安易に仮定したりするのはよくないかと思いますけどね。
個人的には生物学並みに全体と個別の止揚をお願いしたい野よ、accountingともっとmountingシヨウよ♪
本を捨てないで外に出ようよ♪
失礼しました、、