「本書「あの会社はこうして潰れた」の特徴・概要」
本書は、タイトルどおり「会社の倒産・破たん」の内側・事情等を、著者(帝国データバンクの調査員)が日本経済新聞でコラムでつづり、それを書籍にしたものです。
200ページ超の新書に50社ほどの破たん事例が書かれています。
その大半が、あまり有名ではない会社か規模が、それほど大きくはない会社です。
東芝のようなビッグネームはあまりないかも・・・
また、1社の倒産・破たん劇を掘り下げて書かれている書籍ではありません。
倒産・破たんまでの経緯・概要を、著者の分析を交えて、ざっくりと書かれている感じです。
「失敗から学ぶことの重要性」
実は、個人的に、このような「倒産本」が大好きで、過去、かなり読みこんでおります。
成功例・成り上がり本もいいですが、失敗談も、タメになりますよ。
元楽天ゴールデンイーグルスの野村克也監督も、こんなことをよく、おっしゃっていましたね。
「勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし。」
負けるには、負けるだけの理由がある!
負けた・失敗した例こそ、学ぶ教材になりますね。
「いくじり先生」
世間でも、「しくじり先生」というテレビ番組が人気ですね。
もちろん、たんに、他人の「いくじり」「失敗」をおもしろ・おかしく笑うのがメインで、「学ぼう!」と見ている方は少ないでしょうが・・・
もちろん、ぼくも、1度成功した会社が潰れていくさまを見ながら、
「おもしろ・おかしく」楽しんでいる部分がないわけではありませんが・・
「明日は我が身? 誰もが未来の「しくじり先生」になりうる?!」
あらためて、本書「あの会社はこうして潰れた」を読むと、成功から破たんという流れは、特別なケースではなく、どの会社にも起こりうる!と再認識する部分もありました。
倒産(危機)は、東芝・シャープから名もなき中小零細企業まで。。。
破たんさせたすべての経営者が、大王製紙のバカ社長(息子)のような特殊なケースではないのです。
※この方は東大卒なので頭は良いと思いますが・・
・成功体験にしがみつく
・事業の拡大・多角化のし過ぎ
・過度の設備投資
・経理・財務を部下に任せきり
・失敗の隠蔽
事業が成功するはずだ!という判断・見通しの「しくじり」まで、ありがちなケースがほとんどのようです。
後講釈ならば簡単ですが、その場で、正しい判断を下すことが、いかに困難なことか・・・
「まとめ」
こんな方におすすめです。
・たまには、しくじりから学びたい!
・今、成功の絶頂にいる方
・他人の不幸・判断ミスが何よりもお好きな方
満足度:☆☆☆☆
おすすめ度:☆☆☆