米空母と護衛艦が合流 共同訓練始まる 東シナ海北上へ

米空母と護衛艦が合流 共同訓練始まる 東シナ海北上へ
北朝鮮の軍の創設記念日を25日に控える中、朝鮮半島周辺に向け航行しているアメリカの空母と、海上自衛隊の護衛艦2隻がフィリピン沖の太平洋で合流し、23日から共同訓練を始めました。防衛省関係者によりますと、訓練は数日間の予定で、今後、東シナ海に入り、北上する方向で調整しているということです。
日米の共同訓練に参加するのは、海上自衛隊の護衛艦「あしがら」と「さみだれ」の2隻で、アメリカの空母カール・ビンソンを中心とする艦隊が朝鮮半島の周辺海域に向けて航行しているのにあわせて、21日に長崎県の基地を出港していました。

防衛省によりますと、アメリカ側と調整した結果、空母と海上自衛隊の護衛艦はフィリピン沖の太平洋で合流し、23日午後から共同訓練を始めたということです。

アメリカ側から参加するのは空母のほか、駆逐艦など合わせて3隻で、日米の艦艇が一緒に北上しながら、さまざまな状況を想定した互いの艦艇の動きや艦艇どうしの情報共有を確認する予定だということです。

防衛省関係者によりますと、訓練は数日間行われる予定で、今後、東シナ海に入り、北上する方向で調整しているということです。

25日は北朝鮮の朝鮮人民軍の創設記念日になっていて、今回の共同訓練には日米の連携態勢を見せることで、北朝鮮が挑発的な行動をとらないよう抑止する狙いがあると見られます。

訓練参加の護衛艦は艦隊の中核

今回の日米共同訓練に参加する「あしがら」と「さみだれ」の2隻は、海上自衛隊の護衛艦隊で中核を担っている艦艇です。

このうち「あしがら」は、海上自衛隊のイージス艦の中で最も新しい艦艇で、弾道ミサイルを迎撃する能力は今後整備されますが、艦橋にある高性能レーダーで周辺の複数の軍用機を同時に探知するなど、防空能力が高いのが特徴です。

また、「さみだれ」は潜水艦を探知して追尾できるヘリコプターを搭載するなど、水中の動きに対する監視能力にもすぐれています。

この2隻を含め海上自衛隊の艦艇は、南西諸島周辺の東シナ海や太平洋でアメリカ海軍と日常的に共同訓練を行い、作戦を有利に進めるための警戒監視の能力を高めています。

今回の共同訓練でも周辺に不審な艦艇や軍用機がいないかなど警戒監視の訓練を行って、日米の情報共有の態勢などを確認すると見られます。

海上自衛隊の幹部は「北朝鮮の軍の創設記念日を前にしたタイミングだが、どのような情勢であっても、これまで重ねてきた共同訓練をいつものように行い、それによって日米の緊密な連携を示すことが重要だと考えている」と話しています。