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原爆体験談のweb漫画 英語版へ

2013.08.13 TUE

噂のネット事件簿


主人公が原爆投下後の路面電車の復興に尽力する様子も描かれている。広島といえば路面電車が有名だが、戦時中も戦後も、さまざまな想いを乗せていたことがわかる ※この画像はサイトのスクリーンショットです
8月15日、68回目の「終戦の日」を前に、ネット上では、祖母から聞いた話をもとに漫画化したWeb漫画『原爆に遭った少女の話』がじわじわと広まっている。

TwitterID「さすらいのカナブン(@sasurai_K1)」さんが、同漫画を最初に公開したのは昨年6月。今年は最終章を追加し、全78ページが完成した。

昭和18年4月、廣島電鉄で運転手になるため、廣島電鉄家政女学校に入学した少女。寮に入り、国のために頑張って働くなかで、日に日に激化する戦争――。そして原爆投下直後の凄絶な様子や終戦直後の混乱などを、感情的になり過ぎず、シンプルなタッチで描いている。

漫画化のきっかけは、それまで、そのつらい体験を母にさえ話すことはなかった祖母に「お前絵がうまいんじゃけ、ワシが御幸橋の上で見た被爆者の姿を描いてくれ」と頼まれたことだという。

作者は「実際に原爆を体験したわけでもなく、戦争を知っている訳ではないので
何を描いても嘘になってしまう…と、人物に感情を乗せることが出来ませんでした」
というが、Twitter上では、

「素晴らしい漫画です。辛さ悲惨さだけじゃない。生きる事。出来ることをする事。
希望と、願いを、未来へ」
「アッサリとしたまとめ方であっても、等身大の感覚を感じられて興味深かった」
「線路の修復の話や、電車が走るのを待っていた人々の話とか、当時色々あったんだなと。泣けてきた」

と多数ツイートされている。

作者は、「被爆者も80歳、90歳と高齢となり、子や孫の世代がどうやってその体験や教訓を伝えて行くかが、今後の課題だと思います」とコメント。現在Kindleで電子書籍になっているほか、英語化の動きもあるとのことで、Kindleでの売り上げを翻訳費用に当てるとのことだ。

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