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【読書感想】幻の未発売ゲームを追え! ~今明かされる発売中止の謎~

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幻の未発売ゲームを追え!  : ~今明かされる発売中止の謎~

幻の未発売ゲームを追え! : ~今明かされる発売中止の謎~

内容紹介
発売中止ゲームの謎を追え!

本書はゲーム開発関係者への取材や当時の報道からゲーム業界の語られざる歴史「未発売ゲーム」を探る調査報告書である。華々しく見えるゲーム業界だがその陰には数えきれないほどの発売中止となったゲームがあったのだ。

かつて、ゲーム専門誌「ユーゲー」「ゲームサイド」に連載されて話題を呼んだ連載『幻のゲームを追え! 』を大幅加筆の上、新規取材も収録し、待望の単行本化が実現。

ファミコン用ソフト『オフザーケン』ほか、さまざまな未発売ゲームの開発関係者が登場。

あの頃、発売を心待ちにするも遊ぶことができなかった発売中止ゲームたち。その夢の片鱗を我々は目撃する──!


 僕にとっての、「二大未発売ゲーム」は、名作国産RPG『ブラックオニキス』の第3弾、これまでのダンジョン探索からフィールドに出られる(はずだった)『ザ・ムーンストーン』と、堀井雄二さんの『オホーツクに消ゆ』の次回作としてアナウンスされつづけていた『白夜に消えた目撃者』なのです。

 『ザ・ムーンストーン』は、画面写真もけっこう出ていて、定期的に、マイコン雑誌に「開発の状況」がアナウンスされていたんですよね。結局、出ることはなかったのですが。そもそも「国産」RPGなんて言われても、現在の日本のゲーマー的には「わざわざ『国産』とか言う必要ある?」って感じでしょうけど、当時はみんな『ウィザードリィ』や『ウルティマ』に憧れていて、「日本のRPG」というのは地位が低かったのです。

 『白夜に消えた目撃者』については、2016年に読んだ矢野徹さんの『ウィザードリィ日記』で、こんな話を読みました。

 宮野さんの話。ドラゴンクエストの作者とハバロフスク経由モスクワへ、ゲームの筋作りに行った。ただし、作れそうになかったという。そのときに話し合ったことというほうが面白かった。「いまの作家が小説にかける時間よりも、ファミコンやコンピュータ・ゲームを作る人のほうが、物語の筋を考える時間がはるかに長い」というのだ。編集部の人だから、実態をよく知っているのだろう。

 そもそも、シナリオハンティングの時点で、「作れそうにない」という感触だったんですね。それならそうと……まあ、早く言えない事情、みたいなのもあるんでしょうけど。

fujipon.hatenablog.com

 残念ながら、これら2作については、この本のなかでは採りあげられていないのですが、「発売が告知されながらも、実際には出なかったゲーム」について関係者に取材するのは、予想以上に大変だったみたいです。NDA(秘密保持契約)とかもあるみたいですし。

「あとがき」には、こうあります。

 言い訳になるが、これらの取材は難航した。取材を申し込んで快く応じてくださった方もいる半面、全く無視して返事もくれない方もいる。表にできない話がいくらでもある。
 そして本書をお読みいただいた方ならば当然「あれが無い」「これが抜けている」とお思いになられたであろう、ビッグタイトル。それはごもっともと頷きつつも、それらが何故紹介できないかは、『諸般の事情』としか書けない面が大きい。

 『ファイナルファンタジー』シリーズとかも、たくさんありすぎて「あれって、結局どうなったんだっけ? 結局、タイトルが変更されて一作にまとめられたのかな……」なんていうのが少なからずありますし、最近では「オンラインRPG」なんて、「あの○○の世界が、ネットワーク上に蘇る!」なんて告知されつつ、いつのまにか立ち消え、なんていうのばかりですよね。

 いま、新しくオンラインRPGを立ち上げるのは難しいのだろうな、というのもわかるのですけど。
 一昔前は、みんなオンラインに行ってしまうのかと想像していたけれど、実際は、時間がかかりすぎたり、「オンラインゲームの世界のルール」みたいなものがけっこう煩わしくて、万人向けというよりは、「好きな人は好き」という範囲にとどまっていますし。

 僕はけっこう昔からゲーム業界をファンとして眺めてきたと自負していたので、紹介されているゲームもほとんど知っているのでは、と予想していましたが、読んでみると、知っているのは3分の1くらいでした。
 ちなみに、30作の取材結果が収録されているのですが、すべてのゲームに同じだけのページが割かれているわけではなくて、けっこう濃淡があります。

 未発表ゲームのシナリオの一部や設定資料集などまで掲載されていて、「好きな人には『お宝』なんだろうな……」と思うものもあれば、『リアルサウンド2』のように、これだけの情報しかないのか……と、少しがっかりしてしまうものもあります。
 同じ発売中止でも「ほとんど企画レベル」「なんとか1種類の敵との戦闘シーンがプレイできるくらい」のものから、「あまりにもスケールが大きくなりすぎて、開発不能となってしまった」「ほぼ完成していたのだけれど、売上げが見込めない、などの問題で、世に出なかった」ものもあるのです。

 この本を読んでいて思うのは「発売されなかったゲームというのは、なんでこんなにみんな面白そうな気がするのだろう?」ということでした。
 テレビゲームの発売前に広告をみたり、レビューを読んだりするのが、学生時代の僕にとっては至福の時間だったなあ。

 ああ、『クロス探偵物語』、『1』が面白かったので、『2』を楽しみにしていたんだけど……
 プレイステーション2の『電線』とか、発売されていたら、「伝説」になっていたかもしれないのに。  

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