春野ユリ - ニュース・コラム,社会 12:00 PM
子犬は赤ちゃん言葉で話しかけられるのが好き
初めて出会った犬には、人間の赤ちゃんに話しかけるときのように、甲高い赤ちゃん言葉で話しかけてしまいがちです。最近の研究によれば、子犬はそういう声で話しかけられるのが大好きですが、成犬にはやっても無駄なようです。
『Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences』に発表された研究は、人間の成人のさまざまな声色を録音して犬に聞かせると、犬の行動にどのような影響を与えるかに着目しています。普通より優しく高い音程で、ゆっくりと話す「ペット向けの話し方」は、子犬には多大な影響を与えました。子犬はそういう声を聞くととても反応して行動が変化しました。これは、赤ちゃん言葉は幼犬には機能値があることを示しています。生まれたばかりの子犬をトレーニングするときは、人間の赤ちゃんに対するのと同じように話しかけると効果があるようです。
一方、成犬はそういう声に対しても普通の声に対するのと全く同じように反応しました。どうやら、人間と同じで、犬も赤ちゃん言葉を卒業するようです。だったら、成犬にまで赤ちゃん言葉で話しかけてしまうのはなぜでしょうか。それは人間の先天的な脳の回路と関係しているのではないかと専門家は考えています。私たちは言葉がわからない相手と円滑にやり取りをするには、ゆっくりした赤ちゃん言葉を使う傾向があります。「年少者」とコミュニケーションを取ろうとすると、本能的にそういうやり方になるのかもしれず、その流れで犬に対してもそんなふうに話してしまうのかもしれません。それに、犬はめちゃくちゃ可愛いので、思わずそうなってしまいますよね。
Patrick Allan(原文/訳:春野ユリ)
Photo by Jonathan Kriz.