きっかけは、コンビニで手にした「公募ガイド」の特集だった。
リニューアル新装刊号!の特集は「ツイートする短歌」。ページをめくるとこんなことが書いてあった。
つぶやくように詠おう ツイートする短歌
SNSを中心に、若いひとたちの間で短歌がブームです。
なぜって、最近の短歌は面白いから。
古めかしさなど欠片もない"新しい短歌"。その魅力に迫ります。
ささやかな日常をツイートするように、気軽に短歌を詠いましょう。
以前から興味はあったものの、難しい印象があり始められなかった短歌。しかし、ささやかな日常を気軽に詠えばいいとのこと。軽い気持ちではじめてみた。
五七五七七で何を詠えばいいというのか
五七五七七の型にはめて、おもしろいことを詠えばいいようだ。俳句のように季語もいらない。何がよい歌で、何がよくない歌なのかは、まったくわからない。まぁやっていくうちにわかるだろう。
「公募ガイド」の特集では、数多の短歌が紹介されている。その中から、個人的におもしろいと思った三首を紹介する。
恋人を鮫に食われた斎藤が破産するまでフカヒレを食う
木下龍也氏の歌。
クラウドファンディングで紹介されていれば、思わず寄付してしまおうかというような悲劇。悲劇の度合いがファンタジーレベルまで達していて、強く心が動かされた。短歌の懐の深さに感服した。
おまえらはさっかーしてろわたくしはさっきひろった虫をきたえる
望月裕二郎氏の歌。
みんなが楽しそうに遊んでいるのを横目に、ひとり虫に向き合っているコミュ障な様子が素敵。周囲に惑わされず、自分の価値観を持ち、我が道をゆく、という強い信念も感じられ深く共感してしまった。
「お客さん」「いえ、渡辺です」「渡辺さん、お箸とスプーンおつけしますか」
斉藤斎藤氏の歌。
これも短歌だという。レジでのシュールなやりとりを五七五七七で表現。ひとつ言えるのは、渡辺さんはかなり面倒くさい人だということ。そして、マニュアル化された社会を辛辣に批判している、のかもしれない。
日曜朝6時のEテレで「短歌」を学ぶ
今朝、Eテレの短歌番組「短歌de胸キュン」をはじめて視た。番組の視聴者層は小学生のようだが自分にはぴったりだった。
6人の生徒役、星野真里、小沢一敬、井戸田潤、小島よしお、村上健志、カン・ハンナに毎回歌を詠ませ、いい出来の歌を詠った4名のみ出演できるというしくみ。出演者のスケジュールはどうなっているのかと不安になるルールだった。
「公募ガイド」の特集でも紹介されていたカン・ハンナさん。しかし彼女の歌は、今回上位4つに選ばれず、すごく悲しそうなのが印象的だった。
佐伯裕子先生のダメ出しを聞いて勉強しようと思う。
「ホビヲノク」で五十首ほど詠ってみて気づいたこと
というわけで、「ホビヲノク」という短歌ブログをはじめた。
思ったことを、五七五七七の三十一音にまとめ、画像をくっつけてアップしている。自信作を三首ほど紹介する。
トイレにて腹痛になり想う人 クイズ番組出てた漫画家
ボウイさんちょっとボウイ歌ってよ そっちじゃないよデヴィッドの方
地下鉄で異臭騒ぎが今起きた 誰のしわざかぼくだけが知る
ぼくの歌には、伸び代しかないようだ。
そして、五十首ほど詠ってから致命的なミスに気づいてしまった。
短歌は、句ではなく首で数える。歌と呼ぶ。「ホビヲノク」としたが、それでは俳句ブログになってしまうとのこと。本来であれば、「ホビヲノシュ」か「ホビヲノウタ」とすべきところだった。
まぁ、いいや。というわけで、最後に一首。