台北市郊外の観光地・陽明山の公園で22日朝、台湾の初代総統の蔣介石(1887~1975)の銅像の頭部が切り取られているのが見つかった。今月中旬に日本統治期の土木技師・八田与一の像が壊された件を含めて、現地では同様の「銅像事件」が続いている。
蔣介石の像は高さ約1・5メートルの座像。地元報道によると、首から上が切り取られて赤い塗料がかけられ、台座には「228元凶」などと書かれていた。蔣介石が率いた国民党による台湾の民衆弾圧事件「二・二八事件」(1947年)を指すとみられる。警察が調べているが、誰が行ったのかは分かっていない。
蔣介石像の破壊は2、3月にも起きていた。今月16日には、台南市の烏山頭(うさんとう)ダムに置かれた日本人土木技師・八田与一の銅像が壊されているのが発覚。日本統治期を象徴する八田像の破壊は、戦後の国民党統治を象徴する蔣介石像の破壊への報復とみる見方が地元にはある。今回も過激な政治的主張の表現が刺激し合っている可能性がある。(台北=西本秀)
トップニュース
新着ニュース
あわせて読みたい
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞国際報道部