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2017年02月20日 08時17分 UPDATE

「ひきこもり」の声、当事者が伝える「ひきこもり新聞」 創刊のきっかけは「あの報道」 (1/4)

「ひきこもり新聞」という新聞がある。引きこもりの人向けの情報を、実際の当事者や引きこもり経験者が自ら発信している。

[産経新聞]
産経新聞

 「ひきこもり新聞」という新聞がある。引きこもりの人向けの情報を、実際の当事者や引きこもり経験者が自ら発信している。ウェブに加え、新聞という紙媒体でも伝えているのが特徴。なぜ、ひきこもり新聞というメディアを始めたのか。「もともとは自分も引きこもりだった」と語る木村ナオヒロ編集長(32)に、狙いを尋ねた。(聞き手 文化部 本間英士)

画像 インタビューにこたえる「ひきこもり新聞」の木村ナオヒロ編集長(本間英士撮影)

経験談からクスっとする記事まで

 〈「ひきこもり新聞」は昨年10月にウェブ版がスタート。翌11月には紙媒体も創刊された。2カ月に1回の発行ペースで、価格設定はウェブ版が1部100円(PDF)。タブロイド判計8ページの紙版は、当事者は1部100円。それ以外の人は500円、応援価格として2000円を設定している〉

――そもそも、どういう経緯で発刊することに

 「昨年3月に、引きこもりの当事者を強引に外に連れ出す団体の活動がテレビで放送されたんです。引きこもりが抱える問題は、他の人が強制的に解決するのではなく、本人の生き方や気持ちに寄り添い、解決していくべき問題です。これを見て、当事者自身が抗議すべきだと判断しました」

 「横柄な言い方かもしれませんが、引きこもりの実像について、世間もマスコミもよく知らないのだと思います。引きこもりへの理解を広げるために、まずは当事者からの情報発信をしていこうと考え、昨年の夏から呼びかけを始めました」

 〈内閣府は昨年9月、15〜39歳の引きこもりの人が全国で約54万人に上るとする推計結果を公表。この対象には40歳以上が含まれておらず、実数について「100万人以上」とみる人もいる。本人や家族らで作る全国団体「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」(東京都)は今年度、初となる実態調査を行い、3月には結果を公表する〉

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