偽ニュース発信? 「スウェーデンでテロ」
【ワシントン三木幸治】トランプ米大統領が18日、フロリダ州で演説し、スウェーデンで17日夜にテロが起こったかのように話し、テロの恐怖を訴えた。しかし、実際にはテロは起きておらず、スウェーデン外務省がホワイトハウスに説明を求める事態に発展した。メディアが「フェイク(偽)ニュース」を流していると批判するトランプ氏だが、低迷する支持率を回復するため、自ら「フェイクニュース」を発信した可能性がある。
フロリダで演説 釈明ツイート
トランプ氏は18日の演説で、連邦地裁に即時停止を命じられた中東・アフリカ7カ国からの入国を一時禁止する大統領令に言及。裁判所を批判した後、安全保障政策の必要性に触れ、「あなたはドイツで(テロが)起こっていることを見ている。スウェーデンで昨晩、起こっていることを見ている。誰がこのことを信じられるだろう?」と発言した。
ドイツに関しては、難民申請を却下されたチュニジア出身の男が昨年12月にトラックでクリスマス市に突っ込んだテロを指したとみられる。しかし、スウェーデンは多数の難民を受け入れているものの、ここ数年テロは起きていない。
トランプ氏の演説後、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で発言の真偽が話題となった。スウェーデンメディアは17日に悪天候で道路が封鎖されたことなどを列挙し、「これが昨晩起きたことです」と説明する記事を掲載した。
トランプ氏は19日夕、「(17日夜に)米FOXニュースでスウェーデンの移民(問題)を懸念する番組を放映したことに関連している」とツイート。ホワイトハウスは19日、トランプ氏が特定の事案ではなく、一般的に犯罪が増えていることを述べたと釈明した。