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平成28年2月1日

スギ雄花に含まれる放射性セシウム濃度の調査結果について

林野庁は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、平成23年度からスギ雄花に含まれる放射性セシウム濃度の調査を実施しています。この度、平成27年度の調査結果を取りまとめました。

その結果、今年度調査した各地点の値を同一地点の平成23年度の値と全体的に比較すると、平成27年度は平成23年度の5%程度に濃度が低下していました。

1.調査の経緯

林野庁では、森林に降下した放射性物質が、スギ花粉の飛散により再拡散し、人がそれを吸収することによる影響を把握するため、平成23年度からスギ雄花に含まれる放射性セシウム濃度の調査を継続して実施しています。

平成27年度においても、国立研究開発法人 森林総合研究所(以下「森林総研」という。)と連携し、今季のスギ花粉の放射性セシウム濃度をスギ雄花から推定する調査を実施しました。

2.調査の内容

(1)調査箇所

福島県内で、平成26年度に調査した24地点のうち、入林の困難な1地点を除く23地点について調査しました。さらにそのうち1地点では雄花の着生が全く見られなかったため、雄花については22地点での分析を行いました。調査箇所は空間線量率の高い地点から低い地点まで均等に分布するように選定しています。

(2)調査期間

スギ雄花の採取は平成27年11月に行いました。

(3)調査方法

スギ雄花の採取地の空間線量を測定するとともに、採取した雄花について、ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー法(注)で放射性セシウム134及び放射性セシウム137の濃度を測定しました。

(注)放射性核種からのガンマ線は、それぞれ固有のエネルギーを持っています。「ガンマ線スペクトロメトリー」とは、ガンマ線のエネルギー分布を測定することにより、放射性核種の種類と放射能を同定する方法です。

 <添付資料>(添付ファイルは別ウィンドウで開きます。)

  (別添)平成27年度スギ雄花に含まれる放射性セシウム濃度の調査結果について(PDF:689KB)

3.調査結果及び考察

今回の調査結果でも、これまでの調査結果と同様に、空間線量率が高い地点では、雄花中の放射性セシウム濃度も高い傾向が見られました。

今年度調査した各地点の値を同一地点の平成23年度の値と全体的に比較すると、平成24年度は平成23年度の半分程度、平成25年度は2割程度、平成26年度は1割程度、さらに平成27年度は5%程度に濃度が低下していました。

また、スギ雄花に含まれる放射性セシウム濃度の今回の調査の最高値は1キログラムあたり約8,800ベクレルであり、平成23年度から平成25年度まで最高値を記録した場所と同一の地点でした。平成23年度の最高値と以後各年の最高値を比較すると、平成24年度は3分の1程度、平成25年度は4分の1程度、平成26年度は10分の1程度、平成27年度は30分の1程度に濃度が低下していました。

今回の調査の最高値の濃度の放射性セシウムが、スギ花粉に含まれ大気中に飛散し、これを人が吸入した場合に受ける放射線量を、これまでと同じ前提条件で試算したところ(別添参考2参照)、1時間あたり最大0.0000077マイクロシーベルトとなり、平成23年度の試算値の4%程度となりました。

4.今後の予定

 林野庁では、森林総研をはじめとして他の機関とも連携しながら、調査を継続して実施していく予定です。

5.参考


お問い合わせ先

森林整備部研究指導課
担当者:上野、吉松、松本
代表:03-3502-8111(内線6224)
ダイヤルイン:03-6744-9530
FAX:03-3502-2104

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