ハコスカ、ケンメリ、GT-Rで時代をけん引
僕たち1970年代生まれの団塊ジュニア世代にとってはスポーツカーの最高峰としてまず思い浮かぶのは日産スカイライン「R32型GT-R」(通称GT-Rですね)なわけですが、遡れば「ハコスカ」や「ケンメリ」と呼ばれたモデルもあり、時代をとおして若者や車好きの人たちに親しまれてきた人気の自動車です。
この日産自動車のスカイラインですが1957年に最初のモデルが発売(富士精密工業:のちのプリンス自動車で日産と合併)されてから今年でちょうど60年ということで、4月20日から24日まで六本木ヒルズでイベントならびに記念展示が行われているということで、実は元々車好きの僕としては渡りに船ということで、取り上げてみることにしました。(画像引用:AUTO SPORTS web「ニッサン・スカイラインが誕生60周年迎える。4月24日まで六本木で特別イベントも」より)
自動車界のまさしく王様でありライオン
調べてみるとスカイラインは現在のモデル(V37型)で13代目ということなのですが、僕が高校を卒業した1990年代初頭というのはちょうど8代目にあたるR32型(1989年登場)が発売されたばかりで、各自動車会社からたくさんのスポーツカーが登場したスポーツカー全盛期の時代でした。(スーパーカーブームはもうちょっと前です)
若い方のために説明しますと、この頃は日産自動車だけでもスカイラインやシルビアや180sx、フェアレディZがあり、自動車界のガリバーであるトヨタ自動車もスープラ、ソアラ、MR2、セリカ、トレノやレビンのラインナップがあり他の自動車会社にもシビックやインテグラ、プレリュード、NSX(ホンダ)、RX-7やロードスター(マツダ)、GTO、FTO、ランエボ(三菱)、インプレッサ(スバル)やその他の一般車種にも当然のごとくスポーツモデルが用意されていました。
当時免許を取ったばかりの僕もMR2(SW20)に始まり、シルビア(PS13)や奥さんとのからみでセリカや二代目ロードスター、インテグラタイプR(DC2)などほぼスポーツタイプの車を乗り継いできましたね。
正直なところ車は何でもいい派ではあったんですが、消去法で必然的にスポーツタイプにいつも落ち着きました(笑)。それぐらいこの当時の車は魅力的な車が多かったと思います。
そしてそのスポーツカーピラミッドの中でも最上位にあり頂点に君臨していたのがスカイラインGT-Rでしたが、その眷属?であるスカイラインも当然トップグレードの位置づけでしたね。
この頃のスカイラインにはスポーツモデルである2500CCの他ノンターボのモデルや2000CCのモデルもあったのですが、その絶妙なラインナップと秀逸なフォルムから、今とは違い若者からおばちゃんまで比較的どんな層にも受け入れられていたモデルだったような気がします。この頃の日産にはスカイラインの他にシルビアという爆発的に売れた車種があったのですが、このシルビアも色々な人が乗っていましたが、やっぱり今でもそれほど古臭さを感じさせないデザインは秀逸でしたね。
僕はよく人に力説するのですが車のカッコよさというのは斜め前から車の形のスムーズさこそがいいデザインンの条件だと思いますが、この二車種とマツダのRX-7(FD)は歴代のデザインの中でもとびぬけているのではないかと思います。
今や全く売れないスカイライン
さて記事のタイトルにも書いていますが、このスカイライン発売から60年経ちますが、なんと現在は全盛時の40分1、数字にすると年間4000台程度しか売れていないそうです。月計算に換算すると300台弱ということですが、これはですね正直ヤバいです。
正直現在どれぐらい売れるが標準かは知らないのですが、かつて月間300台というのはスポーツタイプの特殊な車の売れる数字がこれぐらいでしたから、いかに売れてないのかが分かるでしょう。
その売れない理由については、よく若者の車離れという言葉がキーワードとしてあがります。
確かにこれは一つの要因としてはあると思うのですが、他にもスポーツタイプの車の人気がないということや、燃費の面で優先して選ばれる機種ではないというのはあるでしょう。でもね、肝心の売れない理由というのはハッキリしていると思うんですよ。
ちっともスカイラインがカッコよくない
ハッキリ言ってしまうとダサいですよね(笑)。言い方は悪いですがオッサン(そういえば俺もオッサンだが・・・)が乗るいわゆるオヤジ車だとおもいます。なんというかかつてスポーツカー界の王族に君臨していた一族のはずなんですが、その面影がないんですよね。
そりゃ売れないと思いますし、果たしてどこをターゲットにしているのでしょうか。
まぁ言いたい放題言ってますが(笑)、かつての「ハコスカ」や「ケンメリ」、「R32型」といったモデルたちは今振り返っても、少し時代は感じさせるもののたまに街中で遭遇したりしても、渋いなぁと今でも感じさせる雰囲気みたいなものがありますよね。
いまスカイラインのスポーツタイプはGT-Rという単独の車種として現存をしていますが、かつて時代を席巻したスカイラインという車の現行車種が後世に残りそうな車かどうかこのあたり日産自動車は見つめなおしてほしいと思います。
これは日産自動車に限った話じゃありませんが、今の日本車はどの車もダサ過ぎます。社会が悪いんじゃなくて乗りたいと思わせる車がないんですよ車屋さん。
売れる車を作りたいのだったらカッコいい車を作るだけでいいと思うんですが、何でこんな簡単なことができないんでしょうか、僕は不思議でしょうがありません。今のトヨタの社長さんなんかはかなり車好きなのがよく分かるんですが、下の人たちがサラリーマンし過ぎなんでしょうか。
ところで最初の写真R34(青い車)だけなんでGT-Rなんだ?(笑)