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 福岡市中央区天神1丁目の駐車場で3億8400万円が奪われた強盗致傷事件で、逃走に使われた車には盗まれたナンバープレートが付けられていたことが22日、捜査関係者への取材でわかった。盗難届が出ておらず、盗難ナンバーをリアルタイムで検知できる「Nシステム」(ナンバー自動読み取り装置)をすりぬけていた。

 捜査関係者によると、現場から逃げた白いワゴン車の目撃情報をもとにナンバーを照合し、そのナンバーの車の所有者を特定した。だが捜査員が確認すると、その車はナンバープレートが盗まれた状態だった。所有者は事件とは無関係と県警はみている。

 幹線道路などに設置されているNシステムは、盗難ナンバーを事前に登録しておくと、その番号を付けた車両が通過した際に検知できる仕組みになっている。

 2013年に東京・田園調布で起きた身代金目的の女子中学生誘拐事件では、盗難ナンバーが取り付けられた車を、Nシステムが検知。警視庁が走行経路を先回りして検問したところ、誘拐された中学生を車内で発見し、保護した。

 だが、今回の事件はプレート盗難の被害届が出る前に発生した。そのため、システムには登録されておらず、すぐには追跡できなかったという。

 県警は防犯カメラ映像の回収などを進め、男らの足取りを追うとともに、別のナンバープレートに付け替えながら逃走した可能性もあるとみて調べている。

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