[PR]

 秋田県の人口が87年ぶりに100万人を下回った。進学や就職を機に、若者が首都圏などへ流出。65歳以上の県民の割合は、都道府県別で全国最高の34%に達している。

 県によると、人口は4月1日現在で99万9636人。全国で38位になる。3月中に6040人が県外へ転出した一方、転入は2291人にとどまった。

 秋田の人口は1931年に100万人を突破。高度経済成長期にさしかかる56年に135万人に迫ったが、その後は働き手の流出で、下り坂に転じた。国勢調査をみると、人口減少率は4回続けて都道府県別で最大。婚姻率、出生率も全国的に低いレベルになっている。人手が求められる福祉分野は人材不足が深刻化している。県内の介護職員は1300人以上足りていないという。佐竹敬久知事は「給料の少なさが若者の結婚のネックになっている」と話す。

 民間シンクタンク「秋田経済研究所」の松渕秀和所長は「秋田では25年前ほどから人手不足が深刻化してきた。人口減少が進む全国の課題を先取りしている」と指摘する。(金井信義)