アベノミクスは超富裕層だけの資産倍増計画だった――富裕層上位40人の資産が2,643万世帯(日本の全世帯の52.5%)の資産と同じに

▲フォーブス誌のサイト画像

 

フォーブス誌のサイトに2017年の日本長者番付がアップされました。富裕層トップ40人の資産額と貯蓄ゼロ世帯の推移でグラフをつくってみたものが以下になります。(※貯蓄ゼロ世帯数は2016年のデータが直近です。フォーブス誌は日本の富裕層上位50人を2013年から発表していますが、2012年以前は上位40人であったためグラフは上位40人で比較しています)

上のグラフにあるように、2013年から始まったアベノミクスで富裕層上位40人の資産は15兆9,260億円とちょうど2倍に増え過去最高額となりました。国の2017年度予算で、法人税収が12兆3,910億円ですから、富裕層上位40人の資産は法人税より3兆円以上も多いのです。

日銀の金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」は最新が2016年なので、このデータを使うと、日本のすべての世帯5,036.1万世帯の資産が少ない世帯から積み上げていくと、52.5%の世帯の資産が富裕層40人の資産と同じになります。

「富裕層上位40人の資産=日本の全世帯の半分が持つ資産」――じつはアベノミクスの正体は「超富裕層だけの資産倍増計画」だったのです。加えて、貯蓄ゼロ世帯を427.4万世帯も増加させ、貧困と格差をかつてない規模で急激に拡大させているのがアベノミクスなのです。

井上 伸月刊誌『KOKKO』編集者

投稿者プロフィール

月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)本部書記、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、月刊誌『KOKKO』(堀之内出版)編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

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