仏大統領選 銃撃事件は右派に有利との見方も

仏大統領選 銃撃事件は右派に有利との見方も
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混戦の様相を見せているフランスの大統領選挙の投票日を目前に控え、首都パリで警察官が殺傷される銃撃事件が起きたことから、選挙では治安対策の強化などを訴えてきた右派の候補に有利に働くという見方も出ていて、有権者の判断が注目されます。
今月23日に1回目の投票が行われるフランスの大統領選挙は、極右政党・国民戦線のルペン党首、中道で無所属のマクロン前経済相、中道右派の共和党のフィヨン元首相、それに、急進左派の左派党のメランション元共同党首の4人が競い合う展開になっています。

選挙では、1回目の投票で過半数を獲得する候補がいなければ、来月7日に上位2人による決選投票が行われますが、さまざまな調査機関が行った投票日前の最後の世論調査でも、4人の支持率はいずれも20%前後で、誰が決選投票に進むのか予断を許さない情勢です。

こうした中、パリ中心部で20日夜、男が警察官に向けて発砲し、1人が死亡、2人がけがをする事件が起き、選挙にどのような影響を及ぼすのかが焦点になっています。

パリ・スクールオブビジネスのフレデリック・アンセル教授は「事件を受けて、投票する候補者を変える人も出てくるだろう。その場合、有利になりうるのは治安対策の強化やイスラム過激派との戦いを前面に打ち出しているルペン氏やフィヨン氏だ」と述べ、治安対策の強化を訴えてきた右派の候補に有利に働く可能性があるという見方を示しました。

フランスの大統領選挙は、日本時間の23日午後から投票が行われ、24日の未明に締め切られて、午前中には大勢が判明する見通しです。

トランプ大統領「選挙に大きな影響」

フランスで男が警察官に向かって発砲し3人が死傷した事件を受けて、アメリカのトランプ大統領は21日、ツイッターに、「パリでテロリストによる攻撃が再び起きた。フランスの人々はこれ以上耐えられないだろう。大統領選挙に大きな影響を与える」と書き込み、今回の事件が23日に投票が行われるフランス大統領選挙に影響するという見方を示しました。

また、トランプ大統領はAP通信のインタビューに対し、今回の事件がフランス大統領選挙でテロ対策の強化を訴える極右政党・国民戦線のルペン党首を後押しする可能性があると指摘したということです。