2017年夏頃にマクドナルド全店にクレジットカード払いが導入されるのをはじめ、モスバーガーやくら寿司、そしてすき家にココイチなどなど、最近では大手飲食チェーンに続々とクレジットカード払いが導入されはじめています。
他にもスシロー、かっぱ寿司、はま寿司、スタバ、タリーズ、イタリアントマト、デニーズ、ガスト等でもクレジットカード払いが普通に使えるようになっており、そろそろカード払いが使えないお店の数よりも使えるお店のほうが上まりそうな感じ。
特に前述のマクドナルドがクレジットカード決済を導入したのは大きかったですね。このおかげで『マックが導入したならうちも導入するしかないか…』という業界全体の流れが生まれてきたようにも思います。
電子マネーも一気に普及:
同時に電子マネーの普及も目覚ましいものがありますよね。マクドナルドやモスバーガーをはじめ、多くのお店が『せっかくクレジットカード決済を導入するならついでに電子マネーも導入しよう』という動きを見せています。
特にSuicaが使えるお店は以前と比べてだいぶ増えた感あり。今日のニュースでは大型衣類販売店であるしまむらも導入を決めたそうです。
カジュアル衣料大手のしまむらは、国内2000店超で「Suica」など電子マネーに対応する。
年内に子供向け業態で対応し、3年以内に主力の「ファッションセンターしまむら」など全業態全店舗で使えるようにする。広く普及する電子マネーでも支払えるようにして利便性を高める。
他、三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行が独自の電子マネーを作成中だったり、三井住友銀行がプリペイド式のVISAカードを普及させようとしているなどなど、「支払いの電子化(電子決済)」に関するニュースを見ない日はほとんどありません。
仮にこのままクレジットカードや電子マネーが使えるお店が増えていけば、2020年頃までには現金払いとクレジットカード&電子マネー払いが逆転する可能性もあることでしょう(下記は電子決済研究所と山本国際コンサルタンツ、CARD WAVEの3社による予想ですが、私は更に大きな伸びを想定しています)。
日本国内における2020年の電子決済取扱高の合計は最大で約82兆円に迫ることが予想されています(図表1)。決済方式別に見ると、クレジットカード決済市場が46兆円(2015年)から最大65兆円(2020年)へ、デビットカード決済市場は7,320億円(2015年)から最大1.4兆円(2020年)へ、非接触IC型やサーバ管理型の電子マネーを含むプリペイドカード決済市場は約8兆円(2015年)から最大16兆円(2020年)へと利用規模が拡大するものと推定されています。
2020年時点での電子決済の市場規模感を示す約82兆円という数字ですが、日本の「個人消費支出」全体の約30%に相当する規模になると見込まれています。
加えて2017年から開始された国税(所得税や法人税、消費税など)のクレジットカード払いや、政府が国策としてカード払い導入を推し進めている状況を踏まえると、2020年前に達成する可能性すらあるかも。
ほんと、クレジットカード業界には夢があります(クレジットカード発行会社や、クレジットカード決済機などを製造している会社の株式を買いたくなるくらいの旺盛さ)。
次のiPhoneでキャッシュレスは更に進む:
そして次のiPhoneが発売されるであろう2017年9月頃に、更に日本の「脱・現金払い」が進むであろうと睨む私。
その理由は単純で現在、iPhone6やiPhone6s、そしてiPhone SEといったiPhoneを利用している方は、iPhone版のおサイフケータイとも言えるApple Pay(アップルペイ)が利用できないためです。
これらの利用者が新型iPhoneに機種変をすれば、今よりももっとiDやQUICPayといったクレジットカード払い*1をする人が増えるため、電子決済市場が一気に活発化するのは間違いなし。
同時にレストランや小売店もこぞってiDやQUICPay決済を導入するようにもなるので、日本全体が一気に現金社会から電子決済社会に傾くような気がします(うちの店でも使えるようにしたい…という方はこちらの記事を参照)。
スウェーデンのように完全キャッシュレス化する可能性は低い:
…とはいえ、日本人の「現金至上主義」みたいなところはなかなか変わることはありません。
引き続き『クレジットカードは怖い、現金こそ安全だ』という考え方を持ち続ける方は根強く残るとは思うので、スウェーデンやノルウェーなどのようにほぼ100%、キャッシュレスな社会になることはなかなか難しいでしょう。
スウェーデンの中央銀行によれば、2015年にスウェーデン国内で発生した全ての取引の決済手段に占める現金の割合(決済額ベース)は、2%しかなかった。
さらにノルウェーでは、通貨の流通高における現金の割合は3%しかないと同国の中央銀行が発表している。
なぜこれほどまでにキャッシュレス化を実現できたかというと、政府と銀行の強い政策が関係しているようです。
まず政府は店や交通機関などのあらゆる場所で現金の不使用を促していきました。現金を使わない店には優遇措置を与えるなどの対策をしたので、今でも「現金お断り」の看板を掲げている店が多くあります。
そのため、大胆に予測すると、2025年頃には個人消費の67%がクレジットカード&電子マネーで、残りの33%が現金決済という状況というのが、私の見立てですね。
まぁそんなうまくはいかないかもしれませんが、日本政府にはそのくらいの気持ちを持って、2020年の東京オリンピックに向けて電子決済市場を整備していってほしいなと思います。ほんとやるなら今しかありません。
オマケ:ホリエモンとひろゆき氏の対談
最後に少しだけオマケ。2ちゃんねるの管理人だったひろゆき氏と、ホリエモンの対談を引用しておきます*2。
ひろ 現金主義の人の意見としては、匿名性があることも人気の理由らしいです……。
ホリ でも、それってヘンな理由だよね。イコール「脱税とかアングラマネーを肯定している」って意味じゃん。クレジットカードや電子マネーの使用を徹底したほうが、例えば、飲食店の店員が懐に入れることとか不正行為などはできにくくなるのに。あと、税収も増えると思うんだけど、なんで政府はやらないんだろう?
ひろ それなりの理由があるからじゃないですかね。例えば、政治家が使える“領収書のいらない交付金”とかも、すべて何に使ったかわかっちゃいますし。
ホリ やっぱり現金主義の人にまともな理由はない気がするな。現金決済は少なくしたほうが絶対に得なんだけどなー。「両替手数料」とか「集金する作業」とか「現金を管理するコスト」もかからなくなるし、「レジのムダな待ち時間」も「人件費」も減らせる。たくさんの人の手あかがついた紙幣やコインを手にすることもない。いいことずくめなんだけど、これが主流にならないのは、やっぱりヘンだよね。
ひろ 便利とわかっていても新しいことに躊躇(ちゅうちょ)する。そういう意味では、日本っぽい部分でもありますけどね。
私も彼らの意見に同意する一人ではありますが、意見なんて人それぞれ。
現金払いの匿名性やお金の管理のしやすさのほうに魅力を感じる人は少なからずいるので、そういった意見を持っている方との折り合いをどうつけるかも、支払いを電子化していく上での課題になっていきそうな気がします。
また、最後にひろゆき氏が言うように、「便利とわかっていても新しいことに躊躇する」方も多いので、いかに電子決済を使ってもらうかの入り口を作ることも重要ですね(電子決済を使ったほうが値段が安くなるなど)。
以上、いよいよ日本でも「脱・現金払い」に向けた強いトレンドが発生中!カード加盟店の急増に加え、Apple Pay普及もそれを後押ししそうです…という話題でした。
さてさて、どうなることやらですが、みなさんは日本がキャッシュレス社会になっていくことについてどう思いますか?是非、ご意見をお聞かせください。
参考リンク:
この機会にクレジットカードを作ってみようかな…と思った方は、下記記事も参考に。専門家である私がおすすめするクレジットカードをまとめています。