仏大統領選 銃撃事件で集会や演説相次ぎ中止 影響広がる

仏大統領選 銃撃事件で集会や演説相次ぎ中止 影響広がる
フランスの首都パリで男が警察官に向かって発砲し3人が死傷した事件を受けて、2日後に行われる大統領選挙の主要な候補者は予定されていた最後の集会や遊説を相次いで中止し、選挙戦への影響が広がっています。
パリ中心部のシャンゼリゼ通りで20日夜(日本時間21日未明)、男が警察官に向けて銃を発砲し、1人が死亡、2人がけがをし、発砲した男もその場で射殺されました。

捜査当局はテロ事件と見て射殺された男の動機を調べるとともに、ほかにも事件に関わった人物がいる可能性もあるとして、捜査しています。

事件を受けて、大統領選挙の有力候補の1人、極右政党・国民戦線のルペン党首は声明を発表し、「フランスが再び残虐なテロの標的にされた。断固として対応し国民を守る大統領が必要だ」と述べたうえで、テロ対策を強化する必要性を訴えました。

一方、ルペン氏と支持率を争う中道・無所属のマクロン前経済相も声明を発表し、「フランスを恐怖に陥れようとするテロリストに屈することなく、冷静さを保つことが必要だ」として、国民に結束を呼びかけました。

21日は選挙運動の最終日と定められていますが、有力候補のうちルペン氏とマクロン氏、それに中道右派の共和党のフィヨン前首相は、治安上の理由などから予定していた集会や遊説を相次いで中止しました。

フランス政府は、選挙の投票日の23日には、警察官や兵士など5万人以上を動員して、投票所などでテロの警戒にあたる方針です。