カオサン通り(カオサンロード)はバックパッカーの聖地として世界的に有名なエリアである。
カオサンがバックパッカーの聖地と呼ばれる所以は旅行代理店が多く、タイの地方を含めた東南アジアへ移動する際の拠点として使われる事が多かったからである。また、こうした拠点には、一時的にでも人が多く滞在するため、旅行者同士で情報交換をしたり、出会いの場として機能していた。
しかし、「ネット上で情報がシェアされ、ツアーやホテルの予約もネットで行われるようになった」及び「東南アジアにおけるバックパッカーの移動手段として好まれていたワゴン車は、安くて速いLCCへと変わった」ことから、旅行者が滞在する目的も大きく変化している。アクセスの拠点だったり、旅行者同士の情報交換だったり、出会いの場としての機能も残しているが、今はカオサンを観光スポットとして楽しむために訪れる人も多くなっている。
この記事では旅行者がカオサンを訪れる前に知っておくべきこととして
▶ カオサンの地図とこのエリアでおすすめの楽しみ方、過ごし方
から
▶ カオサンにおけるおすすめのゲストハウス
▶ カオサンロードの過去から現在について
までを中心に詳しく述べていきたいと思う。
目次
カオサンの地図とこのエリアでの楽しみ方、過ごし方
カオサンの地図
カオサンエリアはカオサン通りを中心として、周辺も観光客向けエリアとなっている。
カオサン通り(黄色)とその周辺にある主要エリア(Google Mapsより)
中心となるカオサン通りにはレストランやカフェ、お土産屋、マッサージ屋、旅行代理店に床屋、ゲストハウスにホテル、タトゥー屋、ファッションや雑貨等が売られたショップ、何でも揃っており、このエリアでもっとも賑やかな通りである。
夜になれば、レストランやバーからダンスミュージックが流れ年中お祭り騒ぎとなっている。夜騒ぎたい人はこのエリアのメイン通りとも言えるカオサン通りへ行くべきだ。
メインとなる「カオサン通り」では、夜になると音楽が鳴り響き、朝方までこれが続いている。ダンスをするなど、盛り上がっている人は欧米人が多い。
カオサン通りから上下に伸びる「タナオ通り(Thanon Tanao)」はカオサン通りよりも北のエリアで服やアクセサリー等ファッション関係のショップが並んでいる。
「ランブッテリー通り(Rambuttri alley)」はレストランだったり、マッサージ屋、ゲストハウスが多い。
カオサン通りにも近いため、夜になると賑やかになる。
「ソイ・ランブットリー(Soi Ram Buttri)」は服などファッション関係の小物が売られている露店やゲストハウス、レストランにマッサージ屋が並ぶ、こちらも比較的賑やかな通りとなっている。
ソイ・ランブットリーは途中、レストランやマッサージ屋、タトゥーショップが並ぶチャナソンクラーム通り(Chanasongkram Alley)という細い路地と繋がっている。
チャナソンクラーム通りにあるゲストハウス「バーン・チャナソンクラーム」
チャナソンクラーム通りはチャオプラヤ川のチャオプラヤー・エクスプレス・ボート乗り場にも比較的近く、バンコク市内へのアクセスにも便利な位置にある。
チャオプラヤー・エクスプレス・ボート「N13 Phra Arthit」駅
ボート乗り場へ行く途中の路地でも、雑貨類を中心としたお土産屋がずらっと並んでいる。
チャオプラヤー・エクスプレス・ボート「N13 Phra Arthit」駅に繋がっている路地
カオサンでの楽しみ方、過ごし方
カオサンへ訪れる人は、夜を中心に活動している人が多い。朝方まで音楽が鳴り響いているため、通り沿いでお酒を飲みながら騒ぐのは面白いはずだ。
カオサンのディスコ「LAVA」。ディスコは旅行客をターゲットにしたフリーのタイ人娼婦も多い。
昼間の過ごし方としては、
▶ カオサンでのんびりと過ごしたり、
▶ カオサン周辺の観光スポットへ行ったり、
▶ バンコク市内へと出る
といった選択肢がある。
カオサンでの過ごし方としてはこのエリアに並ぶ様々なお店でショッピングをしたり、レストランやカフェでのんびりと過ごしたり、マッサージを受けるといった選択肢がある。ゲストハウスの共用スペースで旅仲間とコミュニケーションを取る人もいるだろう。
カオサンは自国でお金を貯め、物価の安い海外で過ごす「外こもり」の長期滞在先としても人気である。従って、楽しむ事を重視するよりも、のんびりとリラックスしながら過ごしたいという人も多いはずだ。
カオサン周辺にはバンコクでも有名な観光スポットがいくつかある。日本でも比較的知られているワット・ポーや王宮(グランドプレイス)も数km圏内にある。
周辺の観光地へはカオサン通りから徒歩で行けなくはない距離にある。ただ、年中常夏であるバンコクでは少々大変に感じる人もいるはずだ。トゥクトゥクをチャーターするなどして回っても良いだろう。
カオサン通りで待機しているトゥクトゥク。値段は交渉性で近場なら50バーツ(約160円)程度。観光スポットを何箇所も回る場合や数時間チャーターする場合は距離や時間ごとに変わるので一概には言えない。数カ所であれば200バーツぐらいが目安になる。
注意点として、トゥクトゥクはボッタクリの店やスーツが売られている店に連れて行かれる事もあるので注意しよう。店へ連れて行くとマージンをもらうことが出来るため、かなりしつこく誘ってくる場合もある。連れてかれそうになったら、はっきりと断るかその場でお金を払い、降りても良いかと思う。
カオサンに滞在している人の中には、昼間バンコク市内へと出て行く人も多い。カオサンは立地的に不便な場所にあるが、タクシーやトゥクトゥクを使えば数十分でBTS沿線沿いに出ることが出来る。値段は場所にもよるが、100バーツ~になるかと思う。
値段を節約したい人はカオサン通り最寄りの「N13 Phra Arthit」駅からチャオプラヤー・エクスプレス・ボートを使っても良いだろう。
チャオプラヤー・エクスプレス・ボートは旗の色で値段が異なる。15バーツでカオサン最寄りのN13 Phra Arthit駅からBTSサパーンタクシン駅最寄りのサトゥーンへ行くことが出来る。
BTSへ乗り換えれば、バンコクの主要スポットへも安く簡単にアクセス出来るため非常に便利だ。
カオサンをバンコク観光の拠点にすれば値段も安く抑えられるし、選択肢も広がる。ホテルを予約する場所としてもおすすめである。
カオサンにおけるおすすめのゲストハウス
カオサンエリアにあるゲストハウス「バーン・チャナソンクラーム」
カオサンは予算の限られたバックパッカー向けの安宿が数多く営業している。
こうした安宿はゲストハウスという形になっており、シャワールームや洗面所、トイレなどは共有である。ベッドのある部屋も個室ではなく、通常はドミドリー形式となっている。ドミドリーとは1つの部屋にいくつかのベッドが置かれ、他の旅行者と同じ部屋で寝泊まりするようなタイプのプランである。
カオサンのゲストハウス「3ハウー・ホステル」のドミドリー
カオサンには、メインのカオサン通りの他、周辺のエリアを含めると、200を越えるゲストハウスが存在している。この中でも評価が高く、1泊1000円程度の格安ゲストハウスを簡単に紹介すると
>>> カオサン通りのすぐ近く、観光客向けの店が並ぶ通りにあるゲストハウス(1泊500円程度)
>>> カオサン通り北の落ち着いた通りにあるゲストハウス(1泊1000円程度)
>>> カオサン通りと縦に交わるチャクラポーン通り沿いにあるゲストハウス(1泊1200円程度)
>>> カオサン通りから400mほど北へ行ったプラスメン通り沿いにあるゲストハウス(1泊1000円程度)
>>> カオサン通りからは徒歩10分程度、カオサンエリア郊外のゲストハウス(1泊900円程度)
>>> 観光客向けの店が並ぶエリアにあるゲストハウス(1泊900円程度)
>>> カオサン通り南、王宮などカオサンエリアの観光地へのアクセスが良いゲストハウス(1泊1000円程度)
※価格はあくまでも目安であり、時期によっても異なります。正確な値段はリンク先で日付を入れるだけでチェック出来ます。
以上のようになる。おすすめのゲストハウスの詳細な場所については下記Google Mapsを参考に。
カオサンエリアにあるゲストハウス地図。右上の枠の記号(Full Screen)をクリックして拡大で表示すると見やすくなる。地図は右上の記号から保存や各種SNS等での共有も出来ます。
カオサンにおけるエリアの紹介を含め、ゲストハウスに宿泊する際の注意点を更に詳しく知りたい人は下記記事を参考に。
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カオサンロードの過去から現在について
カオサンという名称は白米を意味するタイ語の「カオサン」に由来する。昔はこの通り周辺に米問屋が多かった事から、そう呼ばれるようになった。
カオサンの機能は今も現在進行形で変化している。
近年のカオサンは旅の始まりの場所というよりは観光地としての側面が大きくなっている。バックパッカーよりも観光客に向けのお店も目立つようになってきた。実際、このエリアを歩いていると、家族連れの中国人やカップルが観光に訪れているのを度々目撃する。
お金をなるべくかけずに長期滞在する場所として外こもりに使われることもあるが、こうした人も以前より少なくなっているように思う。
それでもバックパッカーが多いエリアであるのは間違いなく、オプショナルツアーといった格安のネットで予約出来るツアーに頼らず、カオサンの旅行代理店を利用している人も多い。東南アジア各国に行く際の拠点の役割は今もこなしているのだ。情報交換にかんしても、ゲストハウスのロビーでは積極的になされているし、夜になればバー等でもそういった話をすることが出来るだろう。
夜騒がしくなる点も変わっていないだろう。イベントでもないのに毎日のように路上ディスコの他、ライブが行われ、朝までお酒を飲みながら踊り狂う人達で溢れかえる。
カオサンというのはバンコクはもちろんタイでも異質な存在で、他には無い独特なエリアを作り上げている。カオサンは割合的にも欧米人が多く、バンコクの他のエリアとは異なる雰囲気を持つ面白い街である。
タイらしくない欧米の繁華街のような雰囲気を楽しめるのはバンコクの観光における1つの魅力になっているかと思う。バンコクという大都市にあるテーマパークの1つとして、カオサン周辺エリアに一度訪れてみてはいかがだろうか?
カオサンへの行き方にかんしては「バンコク市内」と「スワンナプーム国際空港」からの2通りの記事もあるので、下記を参考に。