人生におけるイベントで突然行われるもの、それは、お葬式です。

特別に第六感が働く人や、虫の知らせがあって何かを感じる人は稀にいるようですが、ほどんどの人が何の準備もなくお葬式の連絡を受けるのが通常でしょう。

お葬式の準備に慌てたことがある人は多いはずです。


皆さんはどのくらいお葬式の決まりごとについて知っていますか?

お葬式は、頻繁に行くものではありませんし、普段行わない特別なしきたりもあります。

特にお葬式は宗教色が絡んできますので、宗教によっても、また地域によってもそのやり方は違ってくるのです。


訃報の連絡をもらい、喪服に数珠、お香典!と支度をする中で、はたと、「お香典ってどのように書くのだっけ?」と立ち止まり、慌ててインターネットで調べる、またはお葬式のルールブックを取り出すということもあるかもしれません。

香典の書き方は、一通りではありません。出す人によっても違いますし、宗教によっても様々な書き方があります。


みんなが悲しみに沈んでいる中で、わからないことがあっても、なかなか周りの人に直接聞けませんよね。

そこで、今回は香典の書き方について、知っているようで知らないあれこれを細かくまとめてみました。

これを読めば香典の書き方やマナーはきっちり抑えることができます。


お葬式という、形式やマナーがとても大事な場で、相応しい行動ができると素敵ですね。

香典の宗教による書き方の違いをしっかり抑え、お香典にまつわるマナーを身につけて、素敵な大人に一歩近づきましょう。


-- この記事の目次 --

1.香典とは

2.香典袋

3.香典の書き方

4.宗教別 香典袋 4選!

5.香典の書き方 困った時の対処法3つ

6.ふくさ

7.香典を渡す時のルールとマナー3つ

8.まとめ

1.香典とは

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お葬式に行く際に用意するものといえば、黒服、黒ネクタイ、数珠、香典ですね。

その中でも、今回は香典に焦点を絞ってお話しします。

香典とは、仏式の葬儀で、抹香の代わりに死者の霊前等に供える金品のことを言います。

 

1-1.香典はなんのためにあるのか

香典は、線香や抹香、お花などの代わりに供えるものですが、同時にお葬式にかかる遺族が負担する費用に対しての、相互扶養の意味合いもあるとされています。

お葬式にあたっての費用は、規模や地域などよって様々ですが、葬儀費用・遺体運送費用・お坊さんへのお布施・葬儀中の飲食費・香典返しなど諸々を合わせると一般的に150万円強ほどになります。

人の死は、突然の時も多いですから、急な大金の出費になりますよね。

そういった家族の出費に少しでも助けになるようにとの気持ちを込めて香典は送られるわけです。

もちろん、巡り巡って、自分が同じようにお葬式を行うことになった場合、周りの人が助けてくれることになります。

大変な時は、助け合うという相互扶養の精神がそこには根付いています。

 

1-2.香典の歴史

では、そもそも香典をお供えする習慣はいつから始まったのでしょうか。

日本のお葬式の歴史は、縄文時代から始まると言われています。

縄文時代にはもうすでに埋葬の形跡があったようです。

今のような形でお葬式をするようになったのは、今からおよそ700-800年前の鎌倉時代からと言われています。

仏教が伝えられ、そのしきたりがお葬式にも反映されたため、今ある多くのお葬式が宗教色を伴っています。

香典は今では金銭を包んでお供えしていますが、昔は葬儀に必要な食べ物、主に米をお供えすることが通常であったようです。

大事な家族を失った遺族のために、みんなで助けるという意味が込められています。

また、以前は、葬儀といえば、喪に伏している家族のために地域の人たちが中心となって、葬儀全般を担いました。

多くの人数が関わることになり、その人たちの食料が必要だったのですね。

そのためのお米でもありました。

現代も関係性によって香典の値段は変わってきますが、お米の量も、死者との関係性や、身分などで変わっていたようです。

 

1-3.香典に必要なもの

香典に必要なものはなんでしょうか。

まず必要なもの、それはお金ですね。

そして、そのお金を包む香典袋(不祝儀袋とも言います)その香典袋を包む、ふくさが必要になります。

そのほかに、袋に内容や名前を書き認めるため、筆ペンが必要です。

 

1-4.香典に関連する用語集

ここで、普段はなれ親しみのない、香典に関して出てくる言葉の意味を確認しておきましょう。

〇香典袋(不祝儀袋)

お葬式に際して、現金を包むための水引のついた袋です。

宗教によっても種類が違ってきます。

後ほど詳しくご紹介します。

〇中袋

不祝儀袋の中にある、実際の現金を入れる封筒のことです。

中袋のない不祝儀袋もあります。

〇上包み、正式包み、中包み

不祝儀袋の一つですが、より正式なもので、封筒の形ではなく、一枚の紙で金銭を包むような形になっているものです。

〇水引

香典袋に必ずついている黒と白、または黄色と白の紐のことです。

弔事に際しては、二度と起こらないように、との意味を込めて、結び目が解けない「結び切り」「あわび結び」と呼ばれるものを使います。

〇袱紗(ふくさ)

香典袋を入れるものです。

絹やちりめんなどの布で一重または二重に作られています。

先方の気持ちを重んじ、礼節を尽くしますという意味があります。

香典袋が曲がったり、汚れがつかないように、必ず袱紗に包んでから葬儀場へ 後ほど、袱紗のや選び方や包み方などをご紹介します。

 

2.香典袋


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さて、それではここで、香典袋についてお話ししていこうと思います。

皆さんは、結婚式に行くときに、祝儀袋を選ぶのに迷ったことはありませんか?

色とりどり、値段も違い、あまり質素なものだと失礼かもしれないし・・・とどれを選んだらよいか迷いますよね。

祝儀袋と同じように、香典袋には色々な種類があります。

その種類は、まずそのお葬式がどの宗派によるのかで変わってきます。

また、包む香典の金額によっても選ぶ香典袋は変わるのです。

 

2-1.香典袋の種類

香典袋には、主に次の4つの種類があります。

◯香典袋に水引が印刷されているもの。

一般のコンビニや100円ショップなどでも売っているすぐに手に入りやすい簡易香典袋です。

◯白黒の水引、もしくは銀色の水引が10本ほど束になったもの。

◯サイズは中金封で銀色の水引が10本以上束になったもの。

◯サイズは大金封で、高級和紙に凝った形の水引がしつらえてあるもの。

  また、上記の香典袋の中には2つの閉じ方の違いがあるものがあります。

◯風呂敷折のもの。

香典袋の後ろが、斜め折になっています。

主に西日本で用いられます。

◯多当折のもの。
香典袋の後ろが、折りたたんであるもので、上下重ねて水引で閉じます。

主に東日本で用いられます。

 

2-2.香典袋の選び方

香典袋は、中に入れる金額でその種類が変わってきます。

中身と外見のギャップが大きいとご遺族が困惑してしまいますので、相応しいものを選ぶようにしましょう。

◯金額が3,000円〜5,000円の場合:水引が印刷されている簡易の香典袋を用います。

◯金額が1万円〜3万円の場合:黒白か銀色の紐が10本ほど束ねられている香典袋を用います。

◯金額が3万円〜5万円の場合:サイズ中金封の、銀色水引が10本以上束ねられた香典袋を用います。

◯金額が10万円以上の場合:高級の和紙を使い、水引も凝ったものがあしらわれている香典袋を用います。

◯地域に合わせた形の香典袋が売られているかと思いますが、東日本は多当折、西日本は風呂敷折の香典袋を用います。

現在では少しずつこの風習は変わってきていますので、その地域のものに合わせてください。

 

2-3.香典袋の包み方

(1) 紙の重ね方

多当折や風呂敷折の場合、香典袋は後ろで重ねないといけません。

その重ね方は、「頭(こうべ)を垂れて悲しみを表す」という意味を込めて、また、「不浄なものが上から下に流れるように」との意味を込めて、上部で下部を覆うように重ねます。

逆に、お祝い事であると、「天を仰いで喜びを表す」「幸せが流れないように」との意味を込めて、下部で上部を覆うように重ねます。

(2)香典袋を 包む際の注意点

お金の入った中袋を入れる際に、水引を全て外してしまう人がいます。

しかし、そうするとせっかくの綺麗な形が崩れてしまいます。

水引は外さずに上の方にずらして、下から中袋を入れるようにします。

3.香典の書き方


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それでは、きちんと知っておきたい、正しい香典の書き方をご紹介します。

これで、どんな時も慌てずに常識に乗っ取った書き方ができるようになります。

 

3-1.香典の書き方 一般的な6つのルール

書き出す前に知っておきたい、6つのルールを押さえましょう。

◯ルール1  香典はお通夜か告別式の時に持って行くのが一般的です。

お通夜の時にすでに出した場合は、告別式の時は記帳だけとなります。

◯ルール2 香典袋に書く時に使うペンは薄墨のペンを使います。

これは、もともとは筆で書いていたことに由来するのですが、墨は硯ですって濃くしますね。

お葬式の連絡が来て擦っている時間がなかった(黒墨の準備をしていると、死を予期していたことを暗に示してしまうことになります)ということで淡墨を使うようになった、と言われています。

また、「涙で滲んで墨が薄くなってしまいました」という意味も込められているそうです。

日本の風習はとても奥深いですね。

ただし、もともと「御霊前」などの文字が黒く印刷されているときは、その黒い色に合わせて黒いペンで書いて良いそうです。

◯ルール3 香典袋の表書きは、宗教によって書き方が違います。

必ず書き始める前にお葬式の宗教を確認しましょう。

宗教別の香典袋の書き方は、のちほど詳しく紹介します。

◯ルール4 香典袋にはまず、上の段に「御霊前」と書き(宗教によって変わって来ます)、その下に名前をフルネームで書きます。

どちらも縦書きです。

◯ルール5 中袋には、わかりやすいように淡墨ではなく黒で書きます。

袋に入っている金額と住所を書きます。

中袋がない場合は、直接、香典袋の裏に金額や住所を書きます。

◯ルール6 会社名や役員名など書くことがたくさんあっても、氏名は必ず真ん中にくるように書きます。

 

3-2.香典を個人で出す場合の書き方

個人で参列する時も3つの場合があります。

◯個人で出すときは、香典袋にも、中袋にも、きちんとフルネームで書きます。

◯代理で出すとき、例えば、夫の代わりに妻が葬儀に参加する場合は、夫の名前の左横下に小さく「内」と書き添えます。

記帳する場合も同様です。

◯会社の上司の代理の時は、上司の名前の左横下に「代」と書き添えます。

記帳する場合も同様です。

 

3-3.香典を会社で出す場合の書き方

会社で出す時も、会社名だけ書くことはありません。

必ず社長か、代表者の名前を書きます。

真ん中に氏名がくるように書き、その横に会社名を書きます。

 

3-4.香典袋を連盟で出す場合の書き方

◯夫婦など、2人連名で出す場合 夫婦の時は、夫の名前だけでもいいですが、夫婦共に故人のお世話になった場合など、夫の名前を中央に書き、妻の名前をその隣に書きます。

◯3名以内の連名で出す場合 連名で出す場合は、3名までなら会社名の横に右から目上の人の順番にフルネームで書いていきます。

◯3名以上の連盟で出す場合 3名以上の場合は、香典袋には代表の人の名前を書き、その他5名などと書き添え、中袋に5名のフルネームなど明細を書きます。

または、会社の部署の場合は「〇〇部一同」と書き、中袋にその詳細を書きます。

中袋の詳細には、後でお礼状を書きやすいように、一人一人の住所も明記します。

 

3-5.香典の数字の書き方

中に入れたお金の金額を中袋に「金◯◯円成」と明記します。

数字を書くときは、縦書きの場合は漢字で書きます。

一や二は簡単に改ざんされてしまうので、数字の壱、弐、参など難しい漢字の方を用います。

横書きの時は「金5000円成」と書きます。

連名の場合も一人一人の明細を書きます。

4.宗教別 香典袋 4選!


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香典袋は金額によって種類が変わってくることはお伝えしました。

でも香典袋の種類はそれだけではありません。

皆さんは、お葬式に行くときにそれがどの宗派であるかをきちんと確認することはありますか?

仏教式が、多くを占めるお葬式ですが、神式やキリスト教式、最近では国際化も進んできていますので、ユダヤ教、イスラム教、など色々な形のお葬式の機会が増えてきているかもしれません。

宗教によって、香典袋を変えなければなりません。

それではここで、主な宗教のタイプによって、4つの場合分けをしてみました。

 

4-1.仏教・仏式の場合

香典袋の表書きは、「御霊前」「御香典」「御香料」です。

蓮の花が印刷された香典袋がある場合は、それが仏式用となります。

四十九日以降に香典をお供えする場合は「御仏前」と表書きするのが一般的です。

これは、四十九日の後には仏の元に向かうという仏教上の考えから来ています。

ただし、浄土真宗の場合は、この教えが「亡くなった時から仏になる」ということから、「御霊前」は用いません。

葬儀の時から「御仏前」「御佛前」と書きます。

 

4-2.神式の場合

香典袋の表書きは、「御神前」「未玉串料」「御榊料」となります。

葬儀後の法事の際も同じ表書きで構いません。

水引は、白か銀色のものを選びます。

天理教の場合も、神式と似たような形の葬儀になります。

同じように表書きは「未玉串料」「御榊料」とします。

 

4-3.キリスト教式の場合

キリスト教にもプロテスタントやカトリックなどいろいろあります。

プロテスタントの場合は「御花料」、カトリックの場合は「御ミサ料」と表書きします。

香典袋は、白い封筒か、十字架・百合の花が印刷してあるものを選びます。

水引は必要ありません。

キリスト教では、お香を供えるという考えはないため、香典ではなく弔慰金という名前で呼ばれるようです。

 

4-4.宗旨がわからないとき

普通は訃報をもらった際に宗教を確認しますが、どうしてもわからない時もあります。

そんな時の香典の表書きは「御霊前」とするのが一般的です。

 

5.香典の書き方 困った時の対処法3つ

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お葬式は、行われる地域や家によってやり方や慣例など様々です。

特にお葬式は、他の行事よりも気を使います。

上記の書き方を見てもわからないこと、出て来ますよね。

では、困った時の対処法をいくつかご紹介いたします。

 

5-1.香典を辞退されたとき

最近は家族だけで葬儀を行う家族葬や密葬なども増えて来ているため、訃報の連絡の際に家族から香典を辞退されることもあります。

ただし、香典を辞退されたとしても、本音と建前が習慣の日本において、本当に持っていかなくて良いのか、何か代わりのものを持っていくべきなのか、とても悩みます。

結論としては、家族から香典辞退の申し出があった場合は、弔問客は香典を用意する必要はありません。

そこは、家族の意向を尊重して素直に受け入れましょう。

無理にすると、家族側がまた香典返しなどを用意する必要も出て来て、負担になってしまうこともあります。

どうしても弔意を示したい、何かを贈りたい、という時は供物や供花を送るということはできます。

お花は、菊や百合、またカーネーションや胡蝶蘭、白いバラなどもよく利用されます。

ただし、香典も供物、供花も辞退されている場合は、家族の気持ちを尊重して何もしないことが一番です。

心を込めて、故人を見送ってあげるようにしましょう。

家族葬などでお葬式に直接行けなかった際は、後ほど連絡を取って弔問に伺うと良いと思います。

 

5-2.香典返しが不要のとき

葬儀を行った家族は、お葬式に来て香典をお供えしてもらった弔問客に、後ほど香典返しをします。

これは、弔問に来てもらったお礼と、葬儀が滞りなく行われたことを報告するためのものです。

遺族のことを考えて、香典をお供えしても、香典返しは必要ないことを伝えたい時はどうしたら良いでしょうか。

公的な組織では香典返しを受け取ること自体を禁止しているところもあるようです。

香典返しを辞退したい旨は、香典袋の中袋の住所を書いたところの横に、「香典返しはご辞退させていただきたく、お願い申し上げます。」や「誠に勝手ながら、お返しなどのご配慮は遠慮させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。」などと一言添えれば問題ありません。

 

5-3.香典を直接渡せない時

体調や仕事や式場の場所等の理由により、どうしても葬儀や告別式に出席できず、香典を渡せない場合があります。

その場合の香典の渡し方です。

◯香典を郵送する

式場が遠方だったり、体調不良で葬儀まで足を運べなかったりすることはよくあることです。

その場合、弔電を打ち、香典を郵送で送る、という方法があります。

または、お悔やみのお手紙と共に香典かお花を送るという方法もあります。

香典を郵送する場合は、香典袋に入れ、現金書留で送ります。

現金書留は送る金額の値段によっても送料は変わって来ますので、必ず窓口で送るようにしましょう。

また、香典は斎場ではなく遺族の家に送るようにします。

◯代理人を立てる

どうしても葬儀当日に渡したいというのであれば、代理の方にお願いする、というのも一つの方法です。

代理の方にお願いする時は必ず記帳する際に、香典を出す本人の名前を書いてもらうようにしましょう。

 

6.ふくさ


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それでは、香典袋の書き方もわかったところで、最後に袱紗(ふくさ)についてご説明します。

皆さんは香典袋やご祝儀を、素手で持ち運んだり、そのままカバンから取り出して提出したりしていませんか?

または、買った香典袋のプラスチックの袋に入れて斎場に持ってくる人を見たことがありませんか?

これは大変失礼にあたる行為です。

中袋にお金を入れて、香典袋にしまった後は、袱紗という入れ物に包んで持っていきましょう。

用語説明でもありましたが、袱紗は、香典袋を入れる入れ物のことです。

元々は貴重品の入った箱の上などに掛けられていた風呂敷であったとされています。

袱紗は結婚式のご祝儀袋やお葬式の香典袋など、金品の入ったものに使われます。

お金の入った香典袋が折れ曲がったりするのを防ぎ、「金品をむき出しにしない」という奥ゆかしい日本の心を表した大事なマナーの一つです。

 

6-1.ふくさの選び方

香典袋は中に入れる金額や宗教によって、その種類は変わってくることはお伝えしましたね。

袱紗も、葬儀に持っていける色は決まっており、またその種類も金額によって変わってきます。

◯色は寒色系

袱紗は色の種類が豊富にあります。

お葬式用には、紺やグレー、深緑などの寒色系を選びます。

結婚式の時もお葬式の時も使えるのは紫色です。

紫色は昔から最高の色とされていますので、慶弔どちらに使っても失敗はありません。

無難に一枚持っておきたい人は紫色が良いようです。

◯金額別による袱紗

金額によって用いる袱紗も変わってくると言われます。

ただし、袱紗は包むのが一番の目的で、相手に渡すものではないので、そこまでこだわる必要はないと思います。

心得の一つとして知っておきましょう。

一般的には中に入れる金額が5,000円〜3万円の場合は、「金封ふくさ」を用います。

これは、香典袋を仕舞いやすいように、すでに袋状になっているものです。

ただし、金風ふくさは、サイズがすでに決まっているため、香典袋のサイズに合わない場合が出てくることもありますので注意が必要です。

3万円以上の場合は、四角い布上になっている「爪付きふくさ」か、または中の袋が折れないように台が付いている「台付き袱紗」を用いるとされているようです。

 

6-2.ふくさの包み方

葬儀の場合の袱紗の包み方があります。

結婚式のご祝儀袋の時とは違うので注意が必要です。

お葬式の場合は、左びらきになるようにするのが基本です。

・金封ふくさの場合

開く方が左に、入れる袋の方が右になるようにします。

香典袋の表書きが上になるようにして、入れます。

・爪付き袱紗/台付き袱紗の場合

金封袱紗と同じように、開く方が左になるようにします。

袱紗をひし形に織き、香典袋を少し右寄りに置いたあと、右端を折りたたんで上と下を折りたたみます。

最後に左端を織り込むと出来上がりです。

 

6-3.ふくさがない時は

袱紗はオンラインショップでも手に入りますし、デパートの和服コーナーや風呂敷のセクションに売っています。

ただ、お葬式は急なことなので、どうしてもすぐに手元に袱紗を用意できないときはあります。

そんなときは風呂敷や綺麗なハンカチで代用しても構いません。

人間の手は汚れているとされているので、金品の入ったものを素手で触らないようにする、ということから始まったのが袱紗です。

間違っても素手で持っていかない。

そこだけしっかり覚えておきましょう。

 

7.香典を渡す時のルールとマナー3つ

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7-1.ふくさから取り出すのは渡す時!

時間短縮のために、と、受付待ちで並んでいるときに香典袋を袱紗から出してしまっている人を見かけたことはありませんか?

周りのことを考えて、時間短縮策を考えるのは日本人の美徳でもあります。

しかし、お葬式において、それはマナー違反です。

袱紗のところでも説明しましたが、他人にあげるものは、なるべく手についた不浄が移らないように、最新の注意を払います。

袱紗から出すのは必ず受付についてから!が鉄則です。

受付について袱紗から取り出したら、相手に向けるように180度回転させて両手で渡すようにしましょう。

その際に「御霊前にお供えください。」と一言添えれればより素敵です。

 

7-2.お札は裏向きに入れる!

お金には表、裏があることはご存知ですか? 人物の顔が印刷されてある方が表で、その反対が裏です。

香典袋に入れる際のお札は、顔が印刷されている方を下にして入れます。

何枚か重ねる時は、必ず向きを揃えるようにしましょう。

また、受付の人が金額を確認しやすいように、数字が書いてある方が上に来るようにすると丁寧です。

 

7-3.新札は避ける!

結婚式の場合の祝儀袋に入れるお札は、新札が常識ですね。

ただ、お葬式は新札ではあまり印象が良くありません。

なぜなら、お葬式があることを前々から予想して、新札を用意していたと受け取られる可能性があるからです。

ここにも、日本人の奥の奥まで気持ちを読む、そう言った習慣が見えますね。

もちろん、ボロボロで切れかけたお札やシワシワのお札は、見栄え上、失礼にあたりますので、なるべく綺麗な折り目の入ったお札を選ぶようにします。

新札になる場合は、一度折り目を入れてから入れるようにしましょう。

また、4(死)や9(苦)は、語呂合わせといえ昔から不吉な数字なので、4や9がつく金額や枚数は避けるようにします。

8.まとめ


出典元:https://www.pakutaso.com/20170250059post-10488.html

さて、ここまで香典袋の書き方を中心に、細かいマナーやルールをご紹介してきました。

お葬式は日本人が故人を祀るため、そして敬意を払うため、古くから行ってきた大事な行事の一つです。

古い日本人のしきたりや、考え方、慣習がそのままお葬式のマナーとして残っています。

そのため、現代では、そんなことまで気を使うの?という細かいところまで一つのルールとして定着しています。

特にお葬式は、悲しみの場ですから、余計に大変気を使いますね。

遺族が穏やかに故人を見送れるよう、参拝者も最新の注意を払って、亡くなった方を見送ってあげましょう。

「香典袋を書き方の大事なポイント」 ・香典袋は宗教を確認してから用意する。

・お葬式の宗教に合わせた書き方をする。

・香典袋は適切なサイズと色の袱紗に包んで持っていく。

みなさんが、素敵な大人として、美しい香典袋をお供えし、大事な方を見送れることを、心からお祈り申し上げます。