30年ぶりにギャバンを演じた大葉健二「50代の女性がセーラー服を着る恥ずかしさが判りました」

映画「海賊戦隊ゴーカイジャー VS 宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」で見事なアクションを披露している大葉健二

映画「海賊戦隊ゴーカイジャー VS 宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」で見事なアクションを披露している大葉健二

  1980年代に一世を風靡した特撮ヒーローの宇宙刑事ギャバンが、映画「海賊戦隊ゴーカイジャー VS 宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」で復活する。平成生まれのゴーカイジャーたちを相手に見事なアクションを披露しているのは、オリジナル版でもギャバンを演じた大葉健二。1955年生まれながら、切れの良いアクションは健在だ。

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  中学の頃に人気テレビドラマ「キーハンター」を見て千葉真一のファンになったという大葉。「たまたま、雑誌に(千葉が主催する)ジャパンアクションクラブ(JAC)第1期生募集の記事が載っているのを見て応募しました。役者志望というより、アクションやスタントマン的な仕事をやりたいという気持ちでしたね」と、高校を中退してこの道に。以来、数々の作品でアクション俳優やスーツアクターとして活躍を続ける。

  1982年から放送を開始した「宇宙刑事ギャバン」は、当時既にJACのエース格だった大葉にとって初の主演作品。「ウルトラ」シリーズや「仮面ライダー」シリーズが終了し、新たなヒーロー像を模索していた東映が社運をかけて企画した。蒸着によって瞬時にメタリックなボディに変身するなど、今でも古さを感じさせない部分も多い。「変身という意味ではウルトラマンのようなイメージでしたが、実はレコーディングの時に歌の合間のナレーションに“蒸着”という言葉があって、その時に初めて知りました。あの頃は、エアマットを敷いて5階ぐらいの高さから飛び降りたり、吊り橋に60mのロープを張ってターザンをやったりとか。ロープの場合は命綱をつけていますから度胸さえあれば今でも出来ると思いますが、もう50を過ぎているので、飛び降りたり、走って何かに飛び移るのは、やはり止めておいた方が良いでしょうね(笑)。ただし、5mぐらいからの飛び降りは、何才になっても出来るように頑張りたいと思います」と、アクションへの熱い気持ちは今も変わらない。

  オダギリジョー、玉山鉄二など、いまや変身ヒーローはイケメン俳優の登竜門。彼ら目当てのお母様たちも多いが、そのあたりの当時の事情を聞くと、「ファンレターは女性の方からが多かったですね。お子さんの目線は低いですがお父さんやお母さんとは同じ目線なので、家族で歩いていても、まずお父さんやお母さんから『蒸着してください』と声をかけられたり、サインは出来ないから握手を求められることが多かったです。『蒸着してください』と頼まれたら、『今日は服が違うからできないんです・・・』とか言ってごまかしましたが(笑)」。

  今回の映画「海賊戦隊ゴーカイジャー VS 宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」では、久々のギャバン再登板を果たしたが、「本当に30年ぶりで(笑)。衣装合わせの時にはどうっていうこともなかったのですが、ギャバンの衣装を着て撮影所を歩くと、もう照れくさくて(笑)。女性が40代、50代になってセーラー服を着るのが恥ずかしい気持ちがやっと判りましたね。でも、ワンカットを撮ったら吹っ切れて、やらなきゃ! という気持ちになりました」とうれしそう。「本物の二枚目や男前でも、変身したヒーローに横に立たれると、ヒーローたちの方が英雄のように見えるカッコよさが子供たちの心を掴むのだと思います。僕の場合も、変身しないで『俺はギャバンだ! 』とやっても人気は出なかったでしょうね。変身するからカッコイイ、僕が演じた一条寺烈が変身すればギャバンになる、『海賊戦隊ゴーカイジャー』のキャプテンマーベラスが変身したらゴーカイレッドになる、そういうことに憬れる世界があるから、今でも子供たちから東映の戦隊ヒーローが支持され続けているのではないでしょうか?」。

  「海賊戦隊ゴーカイジャー」世代の子供たちのみならず、「宇宙刑事ギャバン」世代のお父さん世代からも期待が集まる本作。「今の時代には、昔は大事にされていたもの、無くしてはいけないもので、失ってしまったものがいっぱいあると思います。子供向けの作品だと大人はなかなか見ませんが、今回の映画は絶対に無くしてはいけない心や言葉がたくさん出てくるので、ひとつでも良いですからその言葉や想いをキープして、楽しんでいただきたいと思います! 」と熱くPRした。(取材・文・写真:平井景)

  「海賊戦隊ゴーカイジャー VS 宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」は、1月21日全国ロードショー

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