【4月21日 AFP】フランスの首都パリ(Paris)中心部のシャンゼリゼ(Champs Elysees)通りで20日夜に銃撃事件が発生した後、ベルギー当局が別件で名手配していた男(35)が同国アントワープ(Antwerp)の警察に出頭した。仏内務省のピエールアンリ・ブランデ(Pierre-Henry Brandet)報道官が21日、AFPに明らかにした。

 ただし同報道官は仏ラジオ局ヨーロッパ1(Europe 1)に対し、ベルギーの治安当局からこの男について通知を受けたものの、シャンゼリゼ通りでの銃撃事件に関連があると断定するには「時期尚早だ」と語った。

 フランスの捜査筋に近い関係者によると、ベルギー当局は出頭した男を「極めて危険」な人物だとして別の事件の捜査で追っていた。現在は尋問を行っている。また男の自宅を家宅捜索したところ、武器や目出し帽、20日朝発のフランス行き列車の乗車券などを発見した。列車の発車時刻はシャンゼリゼでの襲撃事件の数時間前だった。

 一方、フランスでは事件後、パリ東部郊外で行われた夜間の捜索の結果、銃撃犯であるフランス人の男(39)の知人3人が拘束され、司法筋によると、警察の対テロ捜査班の尋問を受けているという。

 イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出したシャンゼリゼの銃撃では、イスラム過激派として当局の監視対象だった銃撃犯が警官1人を殺害し、2人を負傷させた後、射殺されている。

 フランスでは23日に大統領選の第1回投票を控えているが、2015年以降起きているイスラム過激派による一連の事件を受け、治安が大きな懸念事項となっている。(c)AFP