現在の日本人野球選手で最高の二塁手は誰か。
そう問われたら多くの人はヤクルト山田哲人選手、広島菊池涼介選手の名前を浮かべるだろう。
2年連続トリプルスリーで史上最強の攻撃力を誇る二塁手山田哲人選手。
歴代二塁手の捕殺記録上位3つを全て独占するほどの史上最強の守備力を誇る菊池涼介
選手。
『歴代二塁手捕殺記録』
1位 2014年 菊池涼介 144試合 補殺数535 1試合あたり3.72
2位 2013年 菊池涼介 141試合 補殺数528 1試合あたり3.74
3位 2016年 菊池涼介 141試合 補殺数525 1試合あたり3.72
二人が共に活躍し始めた2014年から2016年のここ3年間のセ・リーグ。
二人は凌ぎを削っている。
また、山田哲人選手は守備、菊池涼介は打撃も得意としており、まさにハイレベルな戦いを繰り広げている。
WBCでもこの二人の起用方法は議論を呼んだ。
日本人ナンバーワンセカンドは菊池か山田か。
しかし、その議論にまったをかける存在がいる。
それが2017年から埼玉西武ライオンズの新キャプテンを務める浅村栄斗選手だ。
2013年に一塁手としてベストナイン・ゴールデングラブ賞、大阪桐蔭高校の1年先輩中田翔選手よりもお先に打点王にも輝いた。
同世代の右打ち二塁手二人の存在で影に隠れがちだが、浅村栄斗選手も球史に残る二塁手になれる素質を持っている。
今日は三選手の比較をしながら、浅村栄斗選手の魅力について語っていく。
目次
2016年の成績からみる菊池、山田、浅村選手の比較
3選手が揃って活躍したのは2016年。
3選手ともキャリアハイと言える成績を比較してみる。
【2016年成績】※赤字が1位 青字が3位
選手名 | 年齢 | OPS | UZR | WAR |
浅村栄斗 | 27 | 0.867 | 8.0 | 6.5 |
山田哲人 | 25 | 1.032 | 3.8 | 8.8 |
菊池涼介 | 28 | 0.790 | 17.3 | 7.1 |
・攻撃力の指標OPS
山田>浅村>菊池
・守備力の指標UZR
菊池>浅村>山田
・総合力の指標WAR
山田>菊池>浅村
数字からおわかり頂ける通り、浅村選手は守備では山田選手を上回り、攻撃では菊池選手を上回っている。
しかも高いレベルで。
総合指標のWARでは三選手のなかでは劣るが、決して負けず劣らない選手であることが見て取れる。
12球団投手野手含めたランキングで山田哲人選手は全体3位、菊池涼介選手は全体6位、浅村選手は全体11位。
※ちなみに全体1位は大谷翔平選手の10.6、2位は坂本勇人選手の9.6です。
こうしてみると、いかにセカンドでハイレベルな争いが繰り広げられているかがわかる。
菊池選手は2012年、山田選手は2013年からセカンドとしてのキャリアをスタートさせている。
対して浅村選手が本格的にセカンドのキャリアをスタートさせたのは2015年。
浅村栄斗が今年27であることを考えればまだまだ伸び代はある。
浅村選手がナンバーワンセカンドになるために必要なもの
上記の数字から浅村栄斗選手が山田、菊池選手に匹敵する実力者であることがお分かり頂けただろう。
もちろんまだ数字的に及ばない面がある。
そのため、攻守両面でのレベルアップがNo.1セカンドになるための絶対条件だ。
そして、それと合わせてもう一つ浅村栄斗選手がナンバーワンセカンドになるために必要なものがある。
それはチームを優勝に導くことだ。
2015年に山田哲人選手が東京ヤクルトスワローズを、2016年に菊池涼介選手が広島東洋カープをそれぞれリーグ優勝に導いている。
いずれもリーグ下位に低迷していたチームを引き上げての優勝。
埼玉西武ライオンズは2014年から2016年にかけて3年連続のBクラス。
浅村栄斗選手自身まだ優勝を経験していない。
中島、片岡、細川、岸、涌井、帆足といった2008年の日本一に貢献した中心選手が去ったライオンズ。
優勝の味を知る選手は少なくなってきた。
そんな彼を盛り立てようと優勝の味を知る選手たちがバックアップしてくれている。
炭谷銀仁朗だった。まず、「誰が見たって、(浅村は)キャプテンタイプじゃないですよ」と前置きした上で、”浅村キャプテン”の効果を語ってくれた。
「ウチのチームは、栗山さん、中村(剛也)さん、それに僕とか、アイツより年上だけど年齢の近い人間もいる。僕らがフォローしながら、アイツは今まで通りやってくれたらいい。そしてチームのことも考えるようになれば、いい方向へいくと思います」
引用:「最もキャプテンに不向きな男」浅村栄斗を指名した西武の狙いとは|プロ野球|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva
周囲の不安とは裏腹に、浅村選手はここまでプレーと姿勢でチームを引っ張っている。
辻監督に就任後初のサヨナラ勝ちをプレゼントした。
12回裏1死一塁、フルカウントから右中間を破った。「最高です。今日はどうしても勝ちたかった。今年は優勝したいので、首位楽天から勝利をもぎ取れてよかった」と話した。
中心選手たちに課せられる使命はチームの優勝。
チームを勝利に導いてこそ選手は評価される。
個人成績とチーム成績の向上。
その両方を達成させたとき、浅村選手が真の12球団1のセカンドになれる。
まとめ
ここまでリーグトップの26安打、リーグ2位の打率.419、リーグ3位の打点14と好スタートを切った浅村栄斗選手。
チームも貯金2の3位につけている。
しかし、戦いはまだ始まったばかり。
これから厳しい戦いが続く中で彼がキャプテンとしてどう戦っていくのか。
浅村栄斗選手の挑戦を見守っていきたい。
それでは、さようなら!