返礼品に「ヤクルトレディー」 栃木・小山
栃木県小山市は20日、「ヤクルトレディー」による1人暮らしの高齢者らを対象とした「見守り活動」を、新たにふるさと納税の返礼品に設定すると発表した。両親など家族を小山市に残して遠方で暮らす人に利用を呼びかけ、地域が主体となる高齢者の見守り活動を推進する狙いがあるという。地方自治体の返礼品競争の過熱が論議を呼ぶ中、古里を思う気持ちを反映させる制度の趣旨に立ち返った試みとして、注目される。
今回は両毛ヤクルト販売(足利市、相馬稔社長)の「ヤクルトレディー」が商品を届けながらお年寄りの安否を確認したり、話し相手をしたりする。過去の見守り活動では、具合が悪くて倒れていたところに遭遇したり、ガス漏れを発見したりした事例もあるという。
小山市には、65歳以上の高齢者のみで暮らしている人は約2万1000人(4月1日現在)おり、昨年度から市の社会福祉協議会を中心に見守り活動を進めているという。
返礼品は、1本86円(税込み)のヤクルト商品7本を一度に配達するが、納税額によって配達の頻度が変わる。訪問時は対面して商品を渡し、納税者へ結果をメールで伝える。
小山市は25日に両毛ヤクルト販売と正式に契約を結んだ後、ホームページなどで利用を呼びかけ、6月から運用開始を目指す方針。【萩原桂菜】