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「スマートフォン・アプリが病気を治療する」。そんなアプリの開発に挑んでいるのが、医療ITベンチャーのキュア・アップだ。ニコチン依存症などを治療するアプリの共同研究と承認に向けた臨床研究を大学と取り組んでいる。医療×Techを創造する同社のアプリは、医療現場にどんな影響をもたらすのだろう。
体重や血圧など日々の健康を管理するスマホ・アプリは、数多く開発されている。対して、キュア・アップが開発するアプリは全く異なる。医学会などで証明されている治療のガイダンスなどを盛り込んだもので、佐竹晃太社長は「どのタイミングで治療するかなど、医師1人ひとりが培ってきたノウハウや暗黙知を掘り出し、アルゴリズム化した」と説明する。
同社のような医学の専門的な知識を持ちながら、ソフトの技術力を持っているIT企業は極めて少ないだろう。実は、佐竹社長と創業のもう1人のメンバーである鈴木晋取締役CTOはともに医師でもある。佐竹社長は慶応大学医学部を卒業し、2007年から2012年まで日本赤十字医療センターなどで呼吸器の内科医として勤務していた。
だが、「内科医として一通りの知識や診療を学んだ。このまま病院で働くことより、新しい世界を経験したい」と思った佐竹社長は、2012年に中国・上海のビジネススクールである中欧国際工商学院にMBA留学する。そこで、ビジネスのイロハを学んだ後、米国に渡り、医療系大学院(ジョンズ・ホプキンス大学の公衆衛生学修士プログラム)に入り、医療インフォマティクスを専攻した。
ITやソフトなどテクノロジーを臨床に応用したら、起こる現象を検証する医療インフォマティクスを学んだことが、スマホ・アプリの開発につながる。たとえば、電子カルテなどの導入で、医療事故は減るのか、医療費を削減できるのかなどを検証する医療インフォマティクスの研究を続ける中で、担当教授からスマホ・アプリを使った糖尿病の治療に関する論文を紹介された。
それを読んだ佐竹社長は「驚くとともに新鮮さを感じた」という。患者の日々の体調に応じて指導する治療管理アプリが、血液などのデータを改善しているからだ。アプリで病気を治療する考えのなかった佐竹社長は、アプリが薬の処方・手術に次ぐ第3の治療になることに、「医師として興奮した」。しかも、その治療管理アプリを開発したのは糖尿病の専門医で、医療機器アプリとして米FDA(食品医薬品局)が承認し、米国では医療保険の対象になっている。つまり、この新しい治療がビジネスとして成り立つことを意味する。
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