氷室冴子とは
氷室 冴子(ひむろ さえこ、本名:碓井 小恵子(うすい さえこ)、1957年1月11日 - 2008年6月6日)は、日本の小説家。1980年代から1990年代にかけて集英社コバルト文庫を代表する看板作家であり、かつては正本ノン、久美沙織、田中雅美とあわせてコバルト四天王と呼ばれていた
いわゆる「少女小説作家」であり、執筆していた期間も長くはありませんでした。にもかかわらず、いまの大人が読んでも純粋に楽しめる作品の数々を生み出しています。
2018年、51歳で亡くなりました。未完の作品もあり、今も惜しむ声が絶えません。毎年6月には氷室さんを偲ぶ会が行われています。
小説家・氷室冴子のフェアが、あゆみBOOKS早稲田店と芳林堂高田馬場店にて6月1日から行われる。会場では彼女の作品を数多くマンガ化してきた、山内直実のサイン色紙と複製原画が展示される。
2014年、氷室さんの7回忌にあわせてブックフェアが行われました。
最近、結構、暗いニュースや未来への不安なんかがあるじゃないですか。そんな時、ふっと思います。「ああ、するっと読めて、でも読み終わったあと気持ちが明るくなるようなお話をもっと読みたいよお」。
こんな時、氷室さんの新刊があったらいいのになーって。
氷室さんに聞かれたら、怒られちゃいそうだけど、もっと一杯お話書いて欲しかったです。 新井素子
▼代表作の数々
氷室さんの代表的シリーズ。名門貴族の娘・瑠璃姫が許婚・高彬との結婚のために奔走するうちに陰謀にまきこまれていく。そしてその先に待っていたのは・・。
左は、出版された当時の装丁。現在は同じコバルト文庫から新装版が出ています。
新装版のイラストは後藤 星さん。
平安末期の古典「とりかえばや物語」を下敷きにした作品。
2012年にコバルト文庫で復刊。
本になっていなかった短編もあわせて収録されています。表紙イラストは今市子さん。
※収録作品「月の輝く夜に」「ざ・ちぇんじ!」「少女小説家を殺せ!(少女小説家は死なない!番外編)」「クララ白書番外編 お姉さまたちの日々」
氷室作品には珍しく男性が主人公。高知の進学高校から東京の大学に進んだ彼の視点で、回想をまじえつつ物語がすすみます。スタジオジブリによってアニメ化。
東京の高校から転校してきた里伽子にふりまわされる主人公。親友と思っている松野は、里伽子のことが好きらしい・・。
せつなく、あたたかい青春小説。「いかにも」な設定ですが、三角関係のラブストーリーというには、あまりにも3人の関係に距離感があり淡々としています。それでいて、人間の屈折した部分や見栄、世間の口さがなさ、個人の力では動かしようのないことにぶつかった悔しさが、しっかりと描かれていて、淡い恋物語に終わらない小説です。
舞台は昭和40年代の北海道。天真爛漫な小学校4年生、チヅルの生活を描いた連作短編集。
まざまざと子供時代の心身の記憶がよみがえるような作品です。
ふつうの家庭の何気ないできごと、転校生、大人の理不尽さ、くやし泣き、姉妹の距離、大好きな食べ物。普遍的な「子供時代の感覚」がここにあります。
あまり有名な作品ではないかもしれませんが、個人的にはとっても好きな小説です。もし氷室さんの作品を人にすすめるなら、これを選びます。
名家に生まれた4人姉妹。だが、誰も家に残りたがらず、互いに跡目相続をなすりつけようと奮闘する・・。
氷室さんの作品は、親戚だとか家族間の泥臭い部分を描いていても、からりとしていて、笑えるんです。
紙の本は絶版ですが、電子書籍が出てます。
今で言う「シェアハウス」ものですね。今読んでも全然古く感じないし、ドラマ化したら面白そう。「どたばたコメディ」という言葉がぴったりくる連作短編集です。
ヒロインの「倉橋さんちの数子さん」、美人で勉強もスポーツもできて、非の打ち所のない高校生。だけど本当は、外面がいいだけで常に計算づくで動いている・・。
それでいて、なぜか全然報われず、憎めない主人公です。
電子書籍が出ています。
未完となった古代ファンタジー。コメディが多い氷室さんの作品にしては、どこか暗くシリアスな雰囲気です。
残念ながら、絶版。図書館で探すか、古本で手に入れてください。
飯田晴子さんの透明感のあるイラストが内容に合ってます。
氷室さんの人となりが知れて、とても興味深いエッセイ集。人が好きで、エネルギッシュな方だったようです。
「希代の長電話魔」で、北海道⇔東京で一日八時間も通話していたとか。当然、通話料がかさみ、これなら東京で部屋を借りたほうがいいのでは、と思い立って東京に移り住んだそうです。
こういった人だから、ああいった作品を生み出せたんだな~と感じるところが数々。実際に、作中のエピソードに通じる出来事なども散見されます。
全体的には、楽しく可笑しいエッセイばかりなのですが、故郷のご家族についての「記憶」と「父の国鉄物語」は、しんみりと胸を打たれます。
残念ながら、こちらも絶版。
▼漫画化作品
多くの氷室作品が山内直実さんによって漫画化されています。
山内さんの漫画は、テンポ感が氷室さんの作品とぴったり合っているんですよね。
Amazon.co.jp: 蕨ヶ丘物語 (花とゆめCOMICS): 山内 直実, 氷室 冴子: 本
こちらは絶版。残念ながら、文庫化もされていないようです。
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