喪主になった時、一番プレッシャーを感じる仕事は、「喪主の挨拶」ではないでしょうか。大勢の前で挨拶をする機会は、人生の中でもそう多くはありませんし、苦手な方も多いですよね。

また大切な方が亡くなった時に、冷静に挨拶を考えることはなかなかできることではありません。

葬儀での喪主の挨拶で一番大切なことは、お世話になった方々や参列者に感謝の気持ちを伝える事です。そして、葬儀の日時や連絡事項など、挨拶で最低限伝えるべき内容はありますが、それらのことをきちんと盛り込めば、あとは自分の気持ちを素直に表現すればよいのです。

今回は各々の挨拶で伝えるべきポイントと、挨拶例を葬儀の流れにそってご紹介します。この挨拶例を参考にして、自分の気持ちを言葉にしてみてはいかがでしょうか。

-- この記事の目次 --
1.喪主がする挨拶とは?葬儀の流れと一緒にご紹介!
2.喪主の挨拶で気を付けたい5つのポイントとは?
3.喪主の挨拶例をご紹介!①~危篤から通夜の準備まで~
4.喪主の挨拶例をご紹介!②~通夜~
5.喪主の挨拶例をご紹介!③~葬儀告別式から精進落としまで~
6.喪主の挨拶例をご紹介!④~葬儀後~
7.喪主の挨拶例をご紹介!⑤~法要~
まとめ

1.喪主がする挨拶とは?葬儀の流れと一緒にご紹介!


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「喪主の挨拶」というと、通夜や葬儀告別式に大勢の前で行う挨拶を思い浮かべる方が多いと思います。

確かにそれらの挨拶がメインとなってきますが、喪主が挨拶をする機会はそれだけではありません。

挨拶をする相手も、一般の参列者以外にも、僧侶やお手伝いの方々、または弔問に来られた方など、様々な方に対応する必要があります。

ここではまず、喪主が行う連絡や挨拶の方法・タイミングをふまえて、葬儀の流れを紹介します。

1.1.危篤後すぐに始まる喪主の仕事!

(1)危篤の連絡をする 医師から危篤を告げられたら、最期の別れに立ち会いたい人に連絡をとります。

連絡は親戚(2~3親等くらい)や、本人の希望する友人や知人などに連絡をします。

  連絡を受け取ったら駆けつけるのが普通なので、この時点では来てほしい方のみに連絡をします。

緊急の要件なので、夜中であっても失礼にはなりません。

早急に携帯電話か自宅に電話をかけます。

(2)臨終後の流れ 医師から死亡診断書をもらい、遺体を安置室へ搬送します。

この時に、葬儀社が決まっている場合はすぐに葬儀社に連絡をとりましょう。

(3)お寺に連絡をする 葬儀の日程は住職の都合が優先されるため、菩提寺がある場合は早めにお寺に連絡をしましょう。

  また、枕経を希望する場合は、安置室の場所や到着する時間を伝えます。

枕経の際に 通夜や葬儀の日程、戒名の相談をします。

(4)葬儀の準備をする 葬儀社と一緒に、葬儀の準備を始めます。

この時に、日程、スケジュール、宗教、供花・香典の辞退、参列者の人数などの詳細が決まります。

また、死亡届の提出や現金の用意もします。

(5)知人に死亡を知らせる 葬儀の概要が決まったら、知人に死亡を知らせます。

知らせる内容としては通夜や葬儀の案内がメインとなります。

知らせる人数が多い場合は代表者に連絡をして、訃報を回してもらうようにしましょう。

ただし、故人の勤務先など連絡を急いだほうが良い場所には、葬儀の概要が決まる前に死亡の連絡をし、葬儀の詳細は後で、文章で知らせるようにします。

最近はメールを使うこともよくあります。

故人が生前に親しかった友人関係がわからない場合は、年賀状などを参考にするとよいでしょう。

(6)お悔やみへの返礼 自宅に弔問に来てくれた知人や、通夜・葬儀告別式に訪れた参列者、もしくは供花を頂いた方に対して、遺族はお悔やみの返礼をします。

返礼の内容は弔問へのお礼がメインです。

喪主は弔問客が帰る時、目上の方だったとしても通常見送りはしません。

代わりに遺族や世話役が弔問客を見送ります。

1.2.通夜で行う3つの挨拶とは?

一般的な通夜では、遺族・親族・参列者が着席し、僧侶の読経が始まります。

次に、喪主・遺族・親族・参列者の順に焼香を行い、僧侶の説法が行われ、1~2時間で終了となります。

(1)通夜での挨拶 最近の通夜では、弔問客が読経の間に焼香をしてそのまま引き上げることが多くなっています。

ですから、通夜の途中で遺族側が改まった挨拶をしない場合が増えています。

  しかし、通夜ぶるまいがない場合は、通夜への弔問のお礼、故人に対する厚情への感謝、翌日の葬儀の案内をふまえて、手短に挨拶を述べます。

(2)通夜ぶるまい開始の挨拶 通夜ぶるまいを行う場合は、通夜の儀式中には挨拶をせず、儀式後に通夜ぶるまいの案内を兼ねて挨拶をすることが多くなっています。

(3)通夜ぶるまい終了の挨拶 翌日に葬儀・告別式を控えているため、通夜ぶるまいは1時間程度で終了となることが多いです。

この時、終了を知らせる挨拶が必要となります。

1.3.葬儀のカタチによって様々!葬儀告別式での挨拶

(1)葬儀告別式の挨拶 一般的な葬儀では、遺族・親族・参列者が着席した後に僧侶の読経があり、弔電が読まれます。

再び、読経が始まり、焼香、説法が行われます。

喪主の挨拶は葬儀告別式の最後に行います。

ただし都心などでは、葬儀での挨拶は行わず、霊柩車に棺を納めた後の出棺時に挨拶を行うケースが増えています。

また、最近では、身内だけが参列する「家族葬」が増えています。

家族葬では、喪主の挨拶は形式にとらわれず、しゃべり口調で思い出を語る場合もあります。

その他にも、最近では「自由葬」など、様々な葬儀のカタチがあります。

それらの葬儀にあった挨拶をすればよいでしょう。

(2)出棺時の挨拶 葬儀告別式後に、参列者が棺の故人を包むように生花を置き最後のお別れをします。

その後、棺にくぎ打ちをして棺を霊柩車に収めます。

これを出棺といい、この時喪主の挨拶が行われます。

すでに告別式の最後に挨拶をしている場合は簡単で構いません。

ただし、葬儀社に任せるのではなく喪主が行うのがよいでしょう。

1.4.身近な人が集う精進落としでの挨拶

霊柩車に載った遺体は火葬場に搬送され、「火葬」されます。

その後、「骨上げ」を行い、葬儀場にもどって「還骨法要」と「初七日法要」を行います。

すべての儀式が終わったら、喪主は「精進落とし」という宴を設けます。

これは、僧侶や葬儀のお世話をしていただいた方をねぎらうという意味があります。

精進落としの最初と最後に、喪主が挨拶を行います。

1.5.葬儀後に行う挨拶とは?

葬儀後には、葬儀でお世話になった宗教者や世話役へお礼に伺います。

また、遠方で来られなかった故人の知人が手紙を送ってきた場合にも対応が必要です。

病院や老人ホームなど、故人が生前深くお世話になった場所があれば、お礼に伺うのもよいでしょう。

また、葬儀が終わった後にも、喪主は法要を取り仕切る必要があります。

法要での挨拶や案内状なども後で詳しく紹介していきます。

2.喪主の挨拶で気を付けたい5つのポイントとは?


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2.1.一番伝えたいのは感謝の気持ち!

葬儀で喪主が一番伝えたいことは、故人が生前にお世話になったことへの感謝、弔問いただいたお礼、葬儀の運営を手伝っていただいた感謝です。

通夜・葬儀・法要などの場では、このような言葉が大切になります。

親しい方を亡くしてすぐに、完璧な挨拶はできません。

上手か下手かは気にせず、感謝の気持ちを素直に表すことが大切です。

2.2.使用はNG!忌み言葉とは?

忌み言葉とは、使用を避けた方がよい言葉のことです。

忌み言葉は、参列側が弔電などを送るときに特に気を付ける言葉ですが、喪主側も一般的には使用しないようにします。

忌み言葉には、「重ねて」、「ますます」、「つくづく」、「続いて」、「再び」など、不幸を繰り返し連想させるような言葉があります。

また、「切る」、「離れる」のような悪いことを連想させる言葉や「死亡」や「急死」など生死について直接的な表現も避けた方がよいでしょう。

2.3.宗教による言葉の違いに気を付けよう!

宗教による言葉の選択には注意が必要です。

例えば、死に対する言葉では、仏教の場合は「成仏」、「合掌」、「供養」、「ご愁傷様」、「冥福」、「あの世」などの言葉を使用しますが、その他の宗教の場合は適切ではありません。

神道では「永別」「帰天」、キリスト教では「召天」「神のもとに召され」などの言葉を使います。

忌み言葉に関しても、仏教葬儀では「浮かばれない」、「迷う」を使用しないなど特有のものがあります。

2.4.挨拶はやっぱり喪主がするべき?

子供や配偶者が突然亡くなった時、喪主がうまく話せないことがあります。

その場合は、代理が挨拶をしてもかまいません。

その場合は、故人との関係を述べた後に、喪主が挨拶できない状態にあることを説明し、断りを述べます。

2.5.カンペやメモを見てもよいの?

大切な人が亡くなった直後に、大勢の人の前で挨拶をすることは大変なことです。

事前に用意したメモ(カンペ)を見ながら挨拶を行うことは問題ありませんし、実際多くの方が行っています。

その時には、何行か読んだら顔を上げて参列者の方を見るようにしましょう。

3.喪主の挨拶例をご紹介!①~危篤から通夜の準備まで~


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3.1.要点をしぼって!危篤の連絡

危篤の連絡は、短時間で多くの方に連絡をする必要があるので、要点だけを伝えるようにします。

危篤の連絡で伝えるポイントは、次の2つです。

①誰が危篤か

②本人はどこにいるか  

その他は、夜間に電話をした場合はそのお詫びと、本人が会いたがっているなど連絡した理由を加えれば十分です。

  <挨拶例①親戚に危篤を知らせる>
甥の○○です。

こんな時間に申し訳ありません。

母が危篤になりました。

今、○○病院から連絡しています。

○号室です。

よろしくお願いします。

  <挨拶例②知人に危篤を知らせる>
○○の妻の○○です。

夫が危篤状態になりました。

親しくしていただいた○○さんにひと目会っていただけないかとご連絡を差し上げました。

〇〇病院の○○号室です。

よろしくお願いいたします。

3.2.枕経が必要なら早めにしよう!お寺への連絡

最初に説明した通り、枕経を行う場合は、僧侶に安置室に来ていただく必要があるため、できるだけ早く連絡をするようにします。

僧侶に連絡する時のポイントは次の2つです。

①死亡の報告

②葬儀・枕経の依頼  

<挨拶例> いつもお世話になっております。

○○町の○○です。

母が先ほど亡くなりました。

これから自宅に戻りますが、ご住職様に葬儀をお願いしたいと存じます。

つきましては、枕経をお願いしたいと思いますが、ご都合はいかがでしょうか。

3.3.死亡の知らせは予定が決まってから

知人に死亡を知らせるときのポイントは、次の6つです。

①亡くなった知らせと故人と自分の関係

②死亡の日時と死因

③通夜・葬儀告別式の日程

④喪主名(弔電などに必要)

⑤宗教宗派

⑥場合によっては供物・供花・香典などの辞退  

これらの内容が途中で変わると混乱を招くため、死亡の知らせは葬儀の予定が決まってから行いましょう。

  <挨拶例①故人の勤務先に死亡を知らせる>

営業部でお世話になっている○○の妻でございます。

夫が心臓発作を起こし、搬送先の○○病院で午前〇時〇分に亡くなりました。

葬儀の日程などは決まり次第ご連絡を差し上げますので、よろしくお願いいたします。

  <挨拶例②故人の友人に死亡を知らせる>

○○の長男の○○です。

父が昨日午後○時〇分に、癌のため亡くなりました。

  通夜は○日午後○時から、葬儀告別式は○日午前〇時からどちらも○○にて、仏教式にて執り行います。

喪主は私が務めさせていただきます。

  恐れ入りますが、ご友人の皆様へご連絡をお願いできますでしょうか。

 

3.4.お悔やみへの返礼は短くてOK!

お悔やみへの返礼のポイントは次の3つです。

①弔問へのお礼

②生前の厚誼への感謝

③亡くなった時の様子  

返礼は長々と述べず、これらのポイントを抑えた一言で十分です。

  <挨拶例①長寿の場合>

お忙しい中を、ご丁寧なお悔やみ、ありがとうございます。

生前は何かとお世話をいただき、ありがとうございました。

おかげさまで眠るように逝くことができました。

  <挨拶例②急死の場合>

急な知らせにもかかわらず、早速のお悔やみ、ありがとうございます。

一昨日突然頭が 痛いと申し、寝付いたまま意識が戻りませんでした。

  思いがけない出来事に、残された家族の者もみな動揺しております。

行き届かない点もございますが、どうかお許しください。

  <挨拶例③病死の場合>

丁寧なお悔やみをありがとうございます。

療養中はお見舞いをありがとうございました。

昨夜帰らぬ人となりました。

よろしければ、お別れをしてやっていただけますでしょうか。

4.喪主の挨拶例をご紹介!②~通夜~


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4.1.通夜での挨拶に最低限必要なこととは?

通夜での挨拶のポイントは次の5つです。

①故人との関係

②弔問のお礼

③故人の最期の様子・死因

④故人への生前の厚誼のお礼

⑤葬儀告別式への案内  

<挨拶例>
本日はお忙しい中、父○○のためにご弔問いただき、誠にありがとうございました。

私は○○の長男○○でございます。

父は昨日、午後〇時に、肺炎にて亡くなりました。

風邪をこじらせ1週間前に入院いたしましたが、それまでは本当に元気で、長患いをすることもなく、最期も穏やかでした。

父が幸せな晩年を送ることができたのも、ひとえに皆様のご厚情とご支援のたまものでございます。

本当にありがとうございました。

明日は午前〇時より、当会場にて葬儀告別式を行います。

ご都合がよろしければ、ご会葬をお願いいたします。

ありがとうございました。

4.2.通夜ぶるまい始まりの挨拶とは

通夜での挨拶の内容に加え、通夜ぶるまいへの案内を行います。

  <挨拶例>
本日はご多忙のところ、母○○の通夜にお集まりいただきありがとうございます。

母は心臓に持病があり、ここ数年は入退院を繰り返しておりましたが昨日〇月○日、○○病院で息を引き取りました。

母は昔からとても面倒見がよく、最近では孫と遊ぶことを生きがいにしておりました。

まだまだ長生きし、成長を見届けて欲しかったと切に思います。

ただ、これからも母は私たち家族の心の中で生き続け、見守ってくれると信じています。

生前、母にいただきました皆様のご厚情に改めてお礼を申し上げます。

本日はあちらに心ばかりのお食事を用意いたしました。

どうぞ箸をつけていただき、母のお話をお聞かせください。

4.3.見送りの言葉で締める通夜ぶるまい終了の挨拶

通夜ぶるまい終了の挨拶のポイントは次の2つです。

①弔問のお礼

②翌日の葬儀の案内  

通夜では、遺族が弔問客を出口まで見送らないことが慣習です。

なので、挨拶に「足元に気をつけてお帰り下さい」など、見送りの言葉で締めるのがよいです。

  <挨拶例>

みなさま、本日はありがとうございました。

おかげをもちまして滞りなく通夜を行うことができました。

みなさまからは、私が知らない父の貴重なお話を伺い、大変うれしく感じ入っております。

 もっとゆっくりしていただきたいところですが、遠方の方もいらっしゃいますので、この辺でお開きとさせていただきます。

なお、明日の葬儀告別式は午前〇時から、当会場で行います。

ご都合がつきましたら、ご会葬いただければと存じます。

だいぶ冷え込みが厳しくなってきたようでございます。

みなさまどうぞお気をつけてお帰りください。

本日は誠にありがとうございました。

5.喪主の挨拶例をご紹介!③~葬儀告別式から精進落としまで~


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5.1.一般的な葬儀告別式での挨拶とは

葬儀告別式の挨拶のポイントは次の4つです。

①会葬のお礼

②故人の思い出

③厚誼のお礼

④今後のお願い  

喪主ではなく世話役や葬儀委員長が遺族を代表して挨拶することがあります。

その場合も立場は遺族側のため、参列者にお礼を述べることを忘れないようにします。

  <挨拶例>
みなさま、本日はお忙しいところ、亡き父の葬儀告別式にご参列いただきまして、誠にありがとうございました。

ご存知のように父はバスの運転手をしておりました。

とにかく車の運転が好きで、引退後も家庭では、母の買い物から孫の幼稚園や学校の送迎を引き受け、毎日忙しくしておりました。

入院の直前までハンドルを握り「生涯現役ドライバー」を全うできたことは、父にとっても誇りだったのではないかと存じます。

生前は、みなさまからご厚誼を賜り、本当にありがとうございました。

残された私共にも、変わらぬお付き合いをいただきますよう、心からお願い申し上げます。

本日は、まことにありがとうございました。

5.2.自由葬での挨拶で大切なこととは?

宗教色のない葬儀を「無宗教葬」、「自由葬」と言います。

自由葬の場合は、まずその説明を行う必要があります。

自由葬の多くは故人の希望によるものです。

故人がどんな理由で葬儀のスタイルを決めたのかを具体的に話すことで、意思が伝わり、違和感もなくなります。

  <挨拶例> 本日はお忙しいところ、妻○○の告別式にお越しくださいまして、誠にありがとうございます。

いささか葬儀らしからぬ会場に戸惑った方も多いのではないかと存じます。

実はこのような形で皆様とお別れをしたいというのが○○たっての願いでございました。

闘病生活が長かった妻は、自分の旅立ちの方法を考えておりました。

それが、この告別式です。

遺影を飾っているのは、妻が一番好きだったカモミールという花です。

「逆境に負けない強さ」という花言葉があるそうで、闘病中の妻が心の支えにしておりました。

妻が好きだったもの、目にしていたもの、それらを皆様にもご覧いただき、偲んでいただければと存じます。

これまで本当にありがとうございました。

5.3.最後のお別れ!出棺時の挨拶(最期、誤字)

出棺時の挨拶のポイントは次の3つです。

①最後までお別れをしていただいたことへのお礼

②故人への生前の厚誼のお礼

③遺族への厚誼のお願い  

告別式で挨拶している場合は、最期の様子などを無理に入れることはありません。

  <挨拶例>
これより、出棺となります。

みなさまには、ご遠路かつご多忙の中、葬儀告別式に参列いただき、また出棺までお見送りいただき、母も心より感謝申し上げていることと存じます。

享年97歳の天寿を全うすることができましたのは、ひとえに皆様の温かいご親交のおかげでございます。

母は亡くなりましたが、これからも一層のご親交を賜りますようお願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

5.4.労をねぎらう精進落としでの挨拶

(1)精進落とし開始の挨拶 開始の挨拶のポイントは次の3つです。

①僧侶、参列者、世話人の方へのお礼

②葬儀終了の報告

③精進落としの案内  

<挨拶例>
みなさま、本日は長時間にわたりお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。

おかげさまで父○○の葬儀一切を、滞りなくすませることができました。

遺族一同、改めて感謝の気持ちでいっぱいでございます。

ご住職様には大変お世話になり、心に染み入るよいお話を頂戴いたしました。

本当にありがとうございました。

世話役として多大なお力添えをいただきました○○様、受付などを担当頂いた皆様にも厚く御礼申し上げます。

ささやかではございますが、これよりお食事の席を設けました。

どうぞおくつろぎになってお召し上がりください。

  (2)精進落とし終了の挨拶 終了の挨拶のポイントは次の2つです。

  ①お開きを告げる ②厚誼のお願い   最期に、「気をつけてお帰り下さい」と見送りの言葉を添えても良いでしょう。

  <挨拶例>
本日は、誠にありがとうございました。

みなさまから故人の思いで話をたくさん聞かせていただきました。

もう少し長生きしてほしかったという思いはぬぐえませんが、故人らしさを全うした、充実した人生だったのではないかと気持ちを慰めております。

話はつきませんが、お疲れのところあまりお引き留めしてもご迷惑と存じまして、このあたりでお開きとさせていただきます。

今後ともご厚誼のほどよろしくお願いいたします。

どうぞ気をつけてお帰りください。

ありがとうございました。

6.喪主の挨拶例をご紹介!④~葬儀後~


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6.1.当日のみでよい?宗教者へのお礼

菩提寺の僧侶に読経をお願いした場合は、後日直接お寺に出向いて、お礼を言います。

その時に、お布施を渡したり、法要の打ち合わせを行います。

しかし、葬儀社から紹介された僧侶の場合は、精進落としの前後にお布施・お車代・御膳料などをお渡しし、お礼を言います。

  <挨拶例>
先日は何度も足をお運びいただきありがとうございました。

おかげをもちまして葬儀一式、とどこおりなく終えることができました。

お布施をお持ちしましたので、お納めください。

早速ではございますが、四十九日法要の日取りを相談いたしたいのですが、〇月〇日はいかがでしょうか。

6.2.誰にいつする?世話役などへのお礼

(1)世話役へのお礼 世話役や葬儀委員長など葬儀で格別お世話になった方々へは、こちらから改めてお礼の挨拶に伺い、今後の厚誼をお願いします。

  <挨拶例>
この度はお世話になりました。

おかげさまで父の葬儀をすませることができました。

これからもご相談させていただくことが多々あると思います。

今後ともよろしくお願いいたします  

(2)病院への挨拶 入院費の支払いに訪れた時に、お世話になった病棟のナースセンターに顔を出し、お礼を言いましょう。

  <挨拶例>
○○の息子です。

母が長い間、お世話になりました。

○日に無事葬儀をすませました。

みなさまの手厚いご看護、本当にありがとうございました。

3)弔問客への対応 こちらが出向くのとは反対に、葬儀後に故人の訃報を知った弔問客が自宅を訪れることがよくあります。

事情があったとしても連絡不行き届きを詫び、ありがたくお線香を手向けていただきましょう。

お茶やお茶菓子を出し、故人の最期などを話します。

  <挨拶例>
本日は、お線香を手向けていただきありがとうございました。

父は○月〇日、○○病院にて亡くなりました。

苦しむこともなく、静かな最期でした。

なにぶん慌ただしくご連絡ができませんで、申し訳ございませんでした。

6.3.弔問の手紙へのお礼状で気を付けるポイントとは?

弔問の代わりに手紙でお悔やみを頂いた場合は、手書きでお礼の手紙を書き、返信しましょう。

この時、時候の挨拶などは省いても構いません。

お礼状のポイントは次の3つです。

①お悔やみ・香典のお礼

②最期の様子など故人の話題

③今後の厚誼のお願い  

<挨拶例>
この度は、心のこもったお悔やみの手紙を頂戴し、ありがとうございました。

また過分なるご芳志をいただき、故人にかわり、お礼申し上げます。

○○さんと父が同じ会社に勤務されていたことは存じておりましたが、学生時代から深い親交で結ばれていたことは初めて知りました。

生前のご厚誼に改めてお礼申し上げます。

私も年齢だけは一人前ですが精神の方はまだまだ若輩者です。

どうか今後ともご指導ごべんたつを賜りますようお願い申し上げます。

急ぎお礼のご挨拶まで申し上げます。

7.喪主の挨拶例をご紹介!⑤~法要~


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7.1.経過期間で変わる!法要での挨拶

法要で「喪主」は「施主」と呼び方が変わります。

施主挨拶は法要後の食事の席にうつった時に行うのが一般的です。

法要での挨拶のポイントは次の3つです。

①法要が無事に済んだことへの感謝の気持ち

②出席へのお礼

③僧侶へのお礼  

法要にふさわしい話題は、亡くなってからの経過期間により変わっていきます。

亡くなってすぐの法要では、「悲しみから立ち直る決意」がテーマとなります。

5年程経った頃には、故人の人柄などを思い出し、心温まる話題がふさわしいでしょう。

また、故人が若いほど悲しみが深く、高齢であれば多少明るい話題を混ぜてもよいです。

  <挨拶例①四十九日法要での挨拶>
本日はお忙しい中、母○○の四十九日法要にお集まりいただき誠にありがとうございました。

おかげさまで納骨の儀と四十九日法要を済ませることができました。

これも何かとお導きをいただきましたご住職様のおかげです。

急な旅立ちでしたので、ただ慌てるばかりで悲しむ間もなく葬儀を終えたような気がします。

1か月以上が過ぎてようやく少し落ち着くと共に、母を失った寂しさを実感するようになりました。

親孝行らしいこともできなかったという後悔はありますが、残された私どもがしっかりと父を守っていくことが、母への遅ればせながらの親孝行になるのではないかと考えているところです。

皆様には今後とも母の生前同様のお付き合いをよろしくお願いいたします。

本日はささやかですが忌明けの膳を用意させていただきました。

故人の供養にもなりますので、お召し上がりください。

本日はありがとうございました。

  <挨拶例②一周忌での挨拶>
本日は亡き母○○の一周忌法要にお集まりいただきましてありがとうございます。

葬儀、四十九日法要と、みなさまにはご会葬を賜り、厚くお礼申し上げます。

私にとって母の存在は大きく、葬儀後はしばらく気が抜けたようでした。

それでもこうして一周忌法要を営むことができましたのも、ご住職様や皆様のおかげです。

母は人と交流することが大好きでした。

沈んだ雰囲気が苦手な母でしたので、どうかみなさま、法事の席ですが遠慮なく召し上がり、明るくご歓談ください。

本日はどうもありがとうございました。

  <挨拶例③七回忌での挨拶>
本日は父○○の七回忌法要にご列席くださいましてありがとうございます。

  父が癌で倒れ、そのまま帰らぬ人となって6年になります。

父は教師であったこともあり、とても子供が好きでした。

この6年で、父が可愛がっていた孫も成人し、立派な社会人となりました。

その姿をひと目みてほしかったというのが心境です。

本日は、そんな父の好物の酒と肴を用意させて頂きましたので、供養だと思いゆっくりお召し上がりください。

7.2.法要の案内状の内容と送る時期は?

四十九日法要の場合は難しいですが、一周忌以降の法要の案内状は、1か月前には届くように発送しましょう。

返信用はがきを添えて封筒で発送するのが正式です。

近親者の場合は電話で済ますこともありますが、確認のためにも案内状を送ることをオススメします。

  案内状のポイントは、次の3つです。

①法要の日時・場所の案内

②出席のお願い

③いつまでに返事をして欲しいか  

事務的な内容で簡潔にまとめればよいです。

  <挨拶例>
拝啓

父○○が他界して1年が過ぎようとしています。

つきましては父をよく知る皆様にお集まり頂き、次の通り一周忌法要を営みたいと存じます。

ぜひお運び頂きたくお願い申し上げます。

 なお、当日はささやかではございますが、食事を用意しておりますので、父を偲びながらお召し上がりいただければ幸いです。

敬具

施主 ○○  


日時:平成○年〇月〇日 
午前〇時 会場:○○
※誠に勝手ながら、同封の返信ハガキにて〇月〇日までにご返事をお願い申し上げます。

7.3.香典返しに添えよう!忌明けの挨拶状

仏式では四十九日法要を「忌明け」とすることが多いです。

その直後に忌明けを知らせる挨拶状を送ります。

会葬者やお世話になった方に、香典返しの品に添えて送るのが一般的です。

葬儀の当日に即日返しをした場合は挨拶状だけを送ります。

  <挨拶例>
拝啓

初冬の候 
ますますご清栄のこととお慶び申し上げます

さて先般は 夫○○の葬儀に際しまして お越しいただいた上に ご弔慰を賜り 誠にありがたくお礼申し上げます  

本日 忌明けの法要を無事すませました 

供養のしるしに 心ばかりの品をお届け申し上げますので なにとぞ ご受納くださいますようお願い申し上げます  

まずは略儀ながら書中をもって 御礼かたがた ご挨拶申し上げます
敬具  

平成〇年〇月〇日 ○○(施主名前)

まとめ


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喪主の挨拶の機会は意外に多く、各々の挨拶で抑えておかなければいけないポイントがあることがわかりました。

また、最近では家族葬や自由葬、お別れ会など様々な葬儀のカタチがあります。

どんな葬儀であっても、参列のお礼、生前の厚誼の感謝、葬儀へのお世話への感謝、今後の厚誼のお願いが基本となってきます。

そこに、最期の様子や故人の思い出などを必要に応じて加えていきましょう。

苦手であっても葬儀社に任せることなく、遺族の代表として言葉を述べることが大切です。

故人を亡くしてすぐに、このような挨拶を冷静に考える事が難しい場合、こちらの挨拶例を参考にして、自分なりにアレンジしていただければ幸いです。