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長野ライチョウひな、対人ストレス? 大町の博物館学芸員ら調査
ふ化して間もないニホンライチョウのひなは、飼育員が育雛(いくすう)器に近づいた時は器内の奥側にいる傾向が高かったことが、大町市立大町山岳博物館の学芸員佐藤真さん(26)と飼育員内田木野実(このみ)さん(24)の調査で分かった。佐藤さんは、育雛器に近づく飼育の担当者を避けようとしている可能性もあるとして「ひなに極力、ストレスを与えない接し方はどうあるべきかを探っていきたい」と話している。 調査は、環境省の保護増殖事業の一環で、北アルプス乗鞍岳から採取した卵からふ化したひな四羽を対象に実施。 育雛器(横約一・二メートル、奥行き約〇・六メートル、高さ約〇・四〜〇・五メートル)の中を観察用の窓がある手前側、窓のない奥側に区分して行き来ができるようにした上で、ふ化して二〜三日後の昨年七月三日から二週間の各日午前四時〜午後九時に、動画から五分おきに四羽がいる場所を記録した。 四羽が手前側と奥側のどちらにいることが多かったかを分析したところ、飼育の担当者が育雛器のある部屋にいない時は手前側に約40%、奥側に約60%だったが、部屋にいる時は手前側が約15%、奥側が約85%となった。 ひなたちが手前側にいても、部屋の扉の開け閉めの音や飼育の担当者間の会話などに反応し、奥側に移動する傾向が見られる一方で、建物外の草刈り機の音などには目立った反応は示さなかった。 毎日の体重測定の際も、担当者に持ち上げられる時に嫌がるそぶりも見られたといい、佐藤さんは「ひなが奥側に移動したのは、部屋に入ってきた飼育の担当者の存在を認識し、距離をとろうとしたのではないか」とし、「今後も調査を続け、ひなの公開の仕方などにも役立てたい」と語った。 (林啓太) PR情報
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