MAMA'S LIFE Vol.6〜森貴美子さん〜

連載  2017年04月03日 全3回

森貴美子さん 正しい育児なんてない! 子どもの成長とともに、子育てへの意識にも変化が~mama’s LIFE Vol.6 第3回~

産後もモデルのほか、ライフスタイル本を数多く執筆するなど、多岐にわたって活動を続ける森貴美子さん。家族とのさりげない日常風景が綴られている公式ブログも人気で、卒乳がテーマのときは、なんと1日で230万アクセスもあったというほど多くのママからの注目を集めました。連載企画「mama’sLIFE」森きみさん第3回目は、そんな卒乳のことから保育園のこと、お仕事のことなどをお話いただきました。


あることをきっかけに「卒乳」を決断。不安や寂しさがありながらもやり遂げた


「母乳は本人が飽きるまであげようと思っていたので、『卒乳は何才で』とは決めていなかったんです」という森きみさん。娘さんが1才3カ月のとき、ご本人が思っていたよりも早まった卒乳にはこんなワケがありました。

「様子見だった私の親知らずが、虫歯になってしまったんです。もう抜歯をするしかないということになり、抗生物質の薬をたくさん飲むからと卒乳を決意しました。卒乳を決めてからは、いろいろな人のブログを読んだり卒乳に関する本を読んで準備をしました。卒乳の仕方はみんなそれぞれで、私はもしかしたらうまくいかないかもしれないけれど、『やると決めたからにはやる!』と気持ちを強く持つようにしました」

卒乳に関しては「正直さびしかった」と語る森きみさん。子どもより母である自分の気持ちがゆらいでしまわないかという不安もあるなか、パパの協力も得ながら数日にわたって段階を踏み、無事に完了。その後は、それまでの悩みだった「離乳食」についてもうれしい変化がありました。

「もともと娘は食が細いほうで、離乳食はあまり食べるほうではなかったんです。周囲からは『母乳を飲まなくなると食べるようになる』と言われていたのですが、やはりたくさん食べてくれるようになりました。まだ食べムラはありますけど、ひと安心ですね」

私にとって大切なのは何? 仕事と育児のバランスをうまくとれなかった日々

産後7カ月くらいから無理のない範囲で仕事を再開し、現在は娘さんを朝、保育園へ送り、仕事を終えて夕方迎えに行く毎日。しかし仕事を再開して間もないころは、育児との両立について悩むことも多かったそうです。

「娘が風邪をひいて保育園を休んでいても、どうしても仕事へは行かなくてはいけない。職業柄、撮影を休むわけにはいかないので、そのときが一番つらかったです。娘は今苦しんでいるのに、私は仕事とはいえ笑顔でいることに申し訳ない気持ちになっていました。卒乳前は、移動の新幹線の車中で胸がはってしまうこともあり、車内のトイレで搾乳してそれを捨てることも。そのむなしさというか、悲しさは忘れられません。もちろん仕事は大切です。子どものために仕事をしている面もあるし、自分のためにも仕事は必要なのですが、『私はいったい何のために仕事をしているんだろう』とふと考えてしまうこともありました」

今では保育園での生活をとても楽しんでいる娘さんは、先生もお友だちも大好き! 森きみさんの仕事のスケジュールに余裕があるとき、「今日はのんびり保育園に行こうか」と提案しても「遅刻しちゃうから行く!」と娘さんがママを引っ張っていくことも。そんな保育園での生活は、森きみさん自身も教えられることがあるそうです。

「お友だちとトラブルがあったときは、『これは親が入っていっていい領域なのかな』と考えることがあります。お友だちに何かイヤなことを言われた場合でも、私が聞いているのは娘からの情報のみなので、きちんとジャッジすることは難しい。だからといって先生に言うほどのことなのかとか、娘とお友だちとの関係にどう関わっていくのかって悩みますね」

正しい子育てをするよりも、しっかり子どもに向き合って寄り添いたい

「子どもの目線や気持ちに、なるべく寄り添っていきたい」と考える森きみさん。娘さんの赤ちゃん時代にはこんなエピソードも。

「まだうまくおしゃべりができない赤ちゃん時代のときは、なるべく娘の味方になろうと意識していました。たとえば児童館などでお友だちと遊んでいて、娘がさっき使い始めたばかりのおもちゃを「貸して」とお友だちが言ってきた場合、親はその子の親の目が気になってしまうからつい、「どうぞ」と貸してしまいますよね。でもそれは娘にとっては納得がいかないことで、「どうして?」と思うはずなんです。言い方も難しいけれど、そんなときはなるべく『もう少しだけ遊んでいい? それから貸してあげるね』とフォローをしていました」

子どもの目線に立ち、常にベストな答えを導いてあげたい。そう思うのはどの親も同じ。でもそれって本当に子どものためになるの? 最近そんなふうに自問自答することも少なくないとか。

「子どもに合うもの、子どもの才能を伸ばせるものを見つけるのも親の役目だとは思うんです。だけど、娘のことを考えているつもりが、実は親のエゴになっていないかなって自問自答することもあります。ただこれって答えがないんですよね。赤ちゃんのころは『◯◯しなきゃいけない』と頭がガチガチになっていたけれど、娘が成長するにつれ、正しい子育てなんて実はないのでは、と思うようになったんです。できないことがあっていいし、できないならできないなりの道もある。一生親は子どもとつきあっていくのだから、ひとりの人間として尊重していきたいし、いい意味でも悪い意味でも、しっかりしがみついて向き合っていきたいですね」

(第4回へ続きます)


PROFILE
森貴美子さん

1980年12月4日生まれ。神奈川県出身。1999年、17才のときに雑誌『non-no』モデルとしてデビュー。以後12年間、専属モデルとして活躍。その後は『mina』『mini』など多数のファッション誌に登場。2010年4月に結婚、2012年4月に第一子となる女の子を出産。現在は『LEE』『nina’s』『HugMug』などママ向けファッション誌で活躍。2017年4月25日には書籍『森きみのパンダイアリー 毎日がパン日和』(発行:文藝春秋)の発売が決定している。現在は、Amazonにて受付中。http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163906256

森貴美子さんオフィシャルサイト

http://www.incent.jp/idea/model/mori_kimi/

公式ブログ http://ameblo.jp/morikimi-morikimi/
撮影/摂津貴裕(biswa.)ヘア&メイク/MAKI(P-cott)取材・文/長澤幸代

この連載について

MAMA'S LIFE Vol.6〜森貴美子さん〜

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