2016年に出会い系以外の交流サイトを通じて性犯罪などの被害に遭った18歳未満の子供は前年比5%増の1736人で、4年連続で過去最多となったことが20日、警察庁のまとめで分かった。短文投稿サイト「ツイッター」での被害がほぼ倍増し、全体の4分の1を占めた。同庁は被害の多いサイトやアプリ運営会社と今夏にも協議会を設立し、対策を進める。
出会い系サイトを通じた被害児童数は前年(93人)の半分以下の42人となり、出会い系サイト規制法が施行された03年の1278人から大幅に減少した。一方で、交流サイトでの被害は統計を始めた08年(792人)と比べ、16年は2.2倍に悪化した。
サイト別ではツイッターが前年比220人増の446人で最多。チャット型アプリ「ぎゃるる」が67人減の136人、無料通信アプリ「LINE」が9人増の124人だった。
交流サイトの種別では、16年下期にツイッターやLINE、フェイスブックなどの「複数交流系」が半期ベースで初めて最多となり、前期から初の減少となった「チャット系」を上回った。
被害の罪種別では、裸の画像を送らせるなどの児童ポルノ(563人)や児童買春(425人)が前年からそれぞれ10%以上増えるなど増加傾向にある。最も多かったのは淫行などの青少年保護育成条例違反(662人)で2年連続で減少したが全体の約4割を占めた。重要犯罪も増え、略取誘拐が20人と倍増した。
被害児童の94.8%を女性が占めた。年齢別では16歳(450人)、17歳(420人)が約半数で12歳以下も71人と全体の4%程度いた。容疑者と実際に会った目的は金品など援助交際の関連が44%と最も多く、交遊目的が17.9%、「優しかった、相談に乗ってくれた」が17.7%だった。
被害児童のアクセス手段は9割近くがスマートフォンで、タブレットやパソコンなどもあった。有害情報を閲覧できないようにする「フィルタリング」機能の利用者は前年比6.6ポイント増の11.8%だった。