2017.04.19 15:30
イチローや三浦知良を例に企業や個人が「変わらない」ためには意図的に変化する必要があると語る神山健治監督の言葉をはじめ、クリエイターやビジネスマンに刺さる言葉が多く交わされた対談記事。『ひるね姫』はもちろん『攻殻機動隊』『東のエデン』と『INGRESS』『ポケモンGO』の関連も読み解く。
夢と現実、世代間の境界を超越する作品『ひるね姫』に挑んだ神山監督と、『INGRESS』、『ポケモン GO』により現実とバーチャルの境界を溶かしたNiantic, Inc. の川島氏によるスペシャル対談。 変化の激しい不透明な時代に"変わらない存在"で居続けるためには人も、会社も、国も、「意図的な変化を生み出す必要がある」と語る神山監督と、人や作品との出会いを紡ぐことにより大きな未来につながると語る川島氏。映画とARゲームのトップランナーの言葉から、混沌とした時代のなかで、一歩一歩未来に進むためのヒントを読み解く。
Niantic, Inc. 川島優志(右)がGoogle在籍時代のイベントで神山健治監督(左)と一緒に登壇して依頼、国内外で仕事を一緒にすることもあったという二人。取材は終始リラックスした雰囲気で進行した。
『ポケモンGO』を見た時に『東のエデン』で描きたかったARの世界はこれだったんだ、と実感したと語る神山健治監督。
『INGRESS』のインターフェイスデザインは神山健治監督が手がけた『攻殻機動隊SAC』に影響を受けていると語るNiantic, Inc. 川島優志氏。川島氏が20代に在籍していたLAのデザイン事務所では『GHOST IN THE SHELL』(米国版『攻殻機動隊』)のwebサイトを手掛けていたという。
『ひるね姫』劇中の言葉「ココロネ一つで空も飛べる」は複雑化する時代に生きる我々すべてに必要なメッセージではないか?と語る神山健治監督(左)とNiantic, Inc.川島優志氏(右)。
対談は終始和やかで雰囲気で進行した。それは映画とゲームという別ジャンルでの挑戦をしつつも、テクノロジーを活用し、社会を冷静に見据え、未来をどのように作り上げれば良いか?親として、クリエイターとして葛藤し、ものづくりを続ける両者がお互いをリスペクトしあっているからだろう。
神山監督が言うように不変で居続けるためには意図的に変化を起こしていく必要がある。対談記事を書き終え、さて、私はどこを意図的に変化させるべきか?自身に問いかける機会ともなった。もしも私のように心当たりのある方は自身の、組織の「意図的に変化させるべきところはどこか?」考えるキッカケとしていただけたら嬉しい。
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SENSORS.jp 編集長
国際基督教大学(ICU)卒。エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後外資系企業のフィールドマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブ会社のプロデューサーを経て2014年株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×デザイン×マーケティングを強みにプロデュース業や編集、ベンチャー向けのメンターを行う。Mistletoe株式会社フェロー。