森岡さんは男女平等(ジェンダーフリー)にこだわってきましたが、私は、男女平等が大切なのではなく、問題は女性蔑視・女性搾取にあると思います。
私たち女性から見ると、森岡さんが「気立てが優しいから夫にするならお勧めですよ」とノシを付けて婚活パーティに送り出してくるところの草食系男子のほうがDV的です。腕力を振るうタイプのDVではなく、弱いので家庭運営能力がないのと、嗜癖に陥りやすい。『感じない男』に如実に表れていますが、オタクのほうがむしろ女性蔑視意識が強く、屈折しているので面倒くさいんです。
今回いちばん健全だと思ったのは、創価大学の男の子たちでした。彼らは直球で性暴力やAV強要問題に怒れるんです。
そして男女平等だと、女性側の負荷が増える。ですので、ジェンダーフリーというのは実質的に男権拡張です。
なんとなく私たちは、日本国憲法に「男女平等」と書いてあるから、ジェンダーフリーと言われてしまうと正しいように思ってしまう。
しかし性の非対称の問題がある。男女では、体のつくりからして違うわけです。
そもそも、男女平等という文言のルーツをたどると、戦後のGHQのベアデ・シロタ・ゴードンさんという人が「日本は女性蔑視が強いから」という理由で、「男女平等」という文言を、民法ではなく日本国憲法に書き入れた。それで男女平等ということになっているらしいんです。
参考:狙われ続ける「個人の尊重」と「男女平等」 中島京子×太田啓子
しかしジェンダーフリーの申し子のはずの森岡さんの女性蔑視・女性憎悪の強さを見ていて、男女平等よりも女性蔑視・女性搾取の方を問題視すべきだと思います。
というのは以前カンボジア憲法を仕事で訳していた時に、こんな条文を見つけたのです。
http://www.moj.go.jp/content/001182872.pdf
第 45 条 女性に対するあらゆる形での差別は,廃止される。 女性の職務上の搾取は,禁止される。 あらゆる分野において,特に結婚及び家族問題において,男女は,平等である。 結婚は,同意の原則及び法律によって定められた条件の下で行うものであり,一夫一婦制である。
1行目と2行目に女性差別・搾取の禁止が明記されており、その上で、3行目に男女平等です。これは日本も見習うべきだと思いました。
日本は、労働基準法には女性の不利益扱い禁止の条文(4条~6条)はあるのですが、AV強要問題ではAV女優は独立事業者扱いでした。だから労働基準法が適用できないというのが抜け穴になっていました。ですから個別法ではなくて、憲法に書き入れてしまうのはいいことだと思います。こういう改憲なら大歓迎なんですけどね。現実はそうもいかない。
あと一夫一婦制と明記しているところがカンボジアらしいと思いました。とはいえ、憲法に書いてあっても、カンボジアという国は警察力が十全に機能している国ではないので、5ドルで売春している少女がいる現実があります。
日本はもともと真面目で勤勉な国民性の国というのが長所だったので、大切にしたほうがいいと思います。