中国の習近平国家主席が今月6、7の両日行われた米中首脳会談で、トランプ米大統領に対し「韓国は歴史的に中国の一部だ」と発言したことが18日までに判明した。

 トランプ大統領は12日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで北朝鮮問題に触れ、「(習主席によれば)韓国は本当は中国の一部だった」と述べた。この発言はWSJには掲載されなかったが、米インターネットメディアの「クオーツ」がインタビューの抜粋を引用し、追加報道した。

 クオーツによると、トランプ大統領は「(北朝鮮問題を話し合う過程で)習主席が中国と韓国の歴史を説明し始めた。北朝鮮ではなく韓国全体(朝鮮半島全体)の歴史のことだ。(習主席は)中国と韓国の数千年にわたる歴史と多くの戦争について話した」とし、「(習主席が説明を始めてから)10分後にはそれ(中国の北朝鮮への圧力)が容易ではないであろうという点に気づいた」と述べた。

 トランプ大統領と習主席は単独首脳会談で通訳のみを介し、2時間以上にわたって北朝鮮問題を話し合った。

 「韓半島(朝鮮半島)が中国の一部だった」とする習主席の発言がどういう脈絡で生じたものかははっきりしない。習主席が韓中の歴史を説明した際、「元が一時、高麗を支配した」などと語ったのをトランプ大統領が「中国の一部だった」と誤解した可能性もある。しかし、習主席が本当に「韓国は歴史的に中国の一部だ」と認識しているならば、中国が今後歪曲(わいきょく)された中華主義に基づき、韓半島問題を解決していく懸念がある。ソウルの外交筋は「習近平政権発足以降、中国は過去の東アジアの朝貢システムを理想的な秩序と考えるような姿勢をしばしば見せている。国力が強まる中国の指導部が歪曲された歴史認識に基づき、韓半島問題を扱う可能性に警戒が必要だ」と指摘した。


 クオーツはトランプ大統領が語った習主席の発言について、「韓国が中国より小さな国、または中国の属国だったという主張を極端に擁護する発言だ」とし、「それは歴史的に不正確で、韓国人を憤らせる可能性がある」と分析。さらに、「トランプ大統領はアジア地域の歴史に対する自身の知識や見解がなく、習主席から話を聞く一方だったのではないか」とし、「習主席の歴史観の出所はどこなのか、中国式の国家主義ではないのか」と疑問を呈した。ワシントンの外交筋は「習主席と日本の安倍首相が韓国よりも先にトランプ大統領と会い、韓半島に対する誤った知識を注入したのではないかと心配だ」と語った。 

 米議会と米政府は最近、中国の覇権的民族主義傾向を批判してきた。米上院軍事委員会のマケイン委員長(共和党)は先月、本紙のインタビューに対し、中国の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題による報復などを挙げ、「中国による現在の姿勢は数千年間見せてきた(覇権的な)中国の姿だ」と指摘した。マティス米国防長官も先月末、南中国海(南シナ海)問題に触れ、「中国が朝貢国家式のアプローチを選び、(国際社会の)信頼を損ねている」と述べた。

 これについて、韓国外交部(省に相当)関係者は「数千年の韓中関係の歴史で韓国が中国の一部ではなかったことは国際社会が認める明白な事実だ」と語った。