田中陽子
2017年4月20日11時38分
夫に発達障害の疑いがあるとわかったことで、暴力や暴言の原因に納得が行き、救われた。そんな妻が、自分を大切に生きたいと決意を記した投書「夫の言動 自分を責めないで」(朝日新聞大阪本社版1月16日付)に、切実な声が相次いで寄せられました。夫との関係や周囲の無理解に苦しむ妻の自助会も、各地にできています。
■切実な声、反響続々
広島県の女性(62)は「結婚して35年、夫の偏屈で身勝手な言動に苦しんできました」とメールを寄せた。
息子2人との七五三の記念写真に夫はいない。予約した写真館に行く間際、「わしはいいわ」と出かけてしまった。祖父が残したお金を息子たちの学費に使おうとしたら、夫は平然と「もうない」。パチンコにつぎ込んでいた。義母に相談すると、女性が家庭をおろそかにしたせいだと、逆に責められた。
女性は精神的に不安定になり、皿を床に投げつけるなどした。昨秋、本屋で発達障害に関する本に出会い、「夫はまさにこれ」と確信した。「特性を持っている夫やあなたは悪くない」との記述に救われた。
「私が夫を苛(いら)立たせているのかもと自分を責めた」と書いた京都府の女性(72)は昨年、体調を崩しカウンセリングを受け、夫の障害の疑いを指摘された。
出産で入院したとき、夫は「あとは医者の責任」と妻をねぎらうことなく去った。難産の末に死産したが案じる言葉もなかった。子どもの誕生後も、子どもの言葉や様子を聞いてほしいだけなのに、「そんなこと知らんがな」と会話にならない。
女性は言う。「障害の疑いがわかり、私が悪いわけではないこともわかったが、まだ夫との接し方はわからない」
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朝日新聞社会部