「画像が汚いと売れない」
ネットショップを運営していると、そんな声をよく耳にします。
どう考えても画像はキレイな方が良いに決まっていますよね。
でも「画像がキレイでも売れない」という経験をしたことのあるネットショップ運営者の方も多いのではないでしょうか。
弊社が運営しているベビー服ネットショップ『べびちゅ』でも同じ経験をしました。
そして色々な試行錯誤を繰り返しながら、
画像がキレイというのはネットショップで商品を売るための本質ではない
という結論にたどり着きました。
この記事では『べびちゅ』の実例2つ使って、『商品が売れる画像』を作るための考え方について説明します。
これまで表側からしか見ていなかったものを裏側からも見るような頭の訓練になると思いますので、記事を読み終わったら早速あなたのネットショップで試してみて下さいね。
それでは参ります。
画像から受ける印象のワナ
まずはこの画像を見て下さい。
この画像は『べびちゅ』のFacebookページやLINEなどで使った画像です。
この画像を見た人に『べびちゅ』に来店して頂き、買って頂くことが狙いです。
ちなみに商品はデニムみたいなレギンスなのでよく伸び、サイズ展開は80サイズ~130サイズと広く、カラーバリエーションも豊富な売れる自信のある商品です。
ところがこの商品、実際に売り出してみると小さいサイズの売れ行きがイマイチだったのです。
ある期間の小さいサイズと大きいサイズの販売数
小さいサイズ | 26枚 |
大きいサイズ | 41枚 |
以上の情報を頭に入れて、もう一度、画像を見てみましょう。
そして、画像からどんな印象を受けるかを考えてみて下さい。
それが画像を改善するための仮説になります。
『べびちゅ』では、この画像を見て次の仮説を立てました。
- 丈の長さを見て大きい子用と思われたのではないか?
この仮説をもとに、次のような画像を作成しました。
これらの画像を作ったポイントを説明します。
- 1歳の男女モデルに着用してもらうことで小さい子でも着られることを伝えた
- 裾をロールアップすることでも小さい子が着られることを伝えた
- 座り込む様子でレギンスらしい柔らかさを演出し小さい子でも着られることを伝えた
この画像に変更した後の販売数は次のようになりました。
変更前 | 変更後 | |
小さいサイズ | 26枚 | 40枚 |
大きいサイズ | 41枚 | 56枚 |
販売数に占める小さいサイズと大きいサイズの割合も出してみました。
変更前 | 変更後 | |
小さいサイズ | 38.8% | 41.6% |
大きいサイズ | 61.2% | 58.4% |
画像からお客様がどのような印象を受けたかについて仮説を立てることで、小さいサイズが狙い通りに売れるようになったことがわかりますよね。
モデルが着用したから売れたのではなく、モデルを使って小さい子も着られることを伝えたから売れたのです。
もう1つ例を出します。
次の画像を見て下さい。
この画像も『べびちゅ』のFacebookページやLINEなどで使った画像です。
この画像を見た人に『べびちゅ』に来店して頂き、買って頂くことが狙いです。
また、『べびちゅ』のメインターゲットは0~3歳の子を持つママさんです。
商品は『べびちゅ』では売れる自信のある商品です。
それは、『べびちゅ』で蓄積してきた知見の中に
- コーデいらずな商品は売れる傾向がある
- フリフリがついている商品は売れる傾向がある
というものがあり、この商品は上下がつなぎタイプでコーデ不要、袖にはフリルがあるということで自信を持っていたというのが理由です。
しかし実際に売り出してみると、イマイチ売れ行きが伸びませんでした。
ある期間の販売数
2カラー合計 | 21枚 |
以上の情報を頭に入れて、もう一度、画像を見てみましょう。
そして、画像からどんな印象を受けるかを考えてみて下さい。
それが画像を改善するための仮説になります。
『べびちゅ』では、この画像を見て次の仮説を立てました。
- 画像からは3歳までの子が着るイメージがつかなかったのではないか?
この仮説をもとに、次のような画像を作成しました。
これらの画像を作ったポイントを説明します。
- ムチムチな2歳のモデルに着てもらい3歳までの子が着られることを伝えた
- 裾をロールアップして3歳までの子が着ても可愛いことを伝えた
この画像に変更した後の販売数は次のようになりました。
変更前 | 変更後 | |
2カラー合計 | 21枚 | 46枚 |
この例でも画像からお客様がどのような印象を受けたかについて仮説を立てることで、売れ行きが2倍以上になったことがわかりますよね。
まとめ
私たちネットショップ側の人は売ろうとしている商品の良さをよく知っていますので、画像を作る時にどうしても自分たちが伝えたいことを伝えようとしてしまいます。
しかし、お客様はその画像から受けた印象をもとに直感で「自分に関係があるか、ないか」を判断しています。
この直感というステップを突破できなければ、商品の売れ行きはネットショップ側の想定よりも少なくなってしまいます。
この記事で紹介した例を参考に、ネットショップ側の視点に加えて、お客様がどんな直感を持つかを想像しながら画像を作ってみて下さい。
この記事で紹介した考え方を応用して注文数を増やすことが出来た事例が他にもありますので、別の機会に紹介したいと思います。
ぜひご期待下さい。
最後に、ネットショップ側の視点とお客様の直感という二点で物事を見るという考え方は、画像作成だけではなく色々なシーンで応用できる考え方ですので、ぜひ頭に入れていつでも使えるようにしておくと良いですよ。