追加費用なしでシニアの見守りができる固定電話の登場です。シャープは、老人の生存確認機能やオレオレ詐欺対策機能を搭載した固定電話「JD-AT82CL/CW/CE」を5月18日に発売します。価格は1万6000円〜。
JD-AT82CL/CW/CEは、シニア向けの機能を盛り込んだコードレス電話機。固定電話の回線数はIP電話の比率は増えたものの、過去5年間は5600万回線と平行線をたどっています。スマートフォンや携帯電話が増えたとて、固定網の大きな減少には繋がっていませんが、そうした一方で、固定電話の購入層は7割が60歳以上とほぼ高齢者となっています。
シャープは購入層にターゲットを絞った機能として、かねてよりオレオレ詐欺対策機能を盛り込んでいます。自動通話録音といった防犯機能はその1つ。JD-AT82CL/CW/CEではさらに、シニアの生存確認に繋がる機能を盛り込みました。搭載機能は以下の3つ。
- 見守りモーニングコール
- 緊急呼出ボタン
- 声かけコール
見守りモーニング機能は、固定電話の設置しているシニア宅に自動でモーニングコールする機能。電話に出ない場合のみ、外線発信して家族に電話をかけます。電話に出た場合は日付などを通知。なんだか味気ない機能にも感じますが、これは家族からの毎日のリアルなモーニングコールを負担に感じるシニア層が多いためだそう。
緊急呼出ボタンは、洗面所やトイレ、寝室など宅内に設置する緊急ボタン。ボタンが押されるとまず、固定電話が鳴り宅内に緊急をしらせ、反応がなければ外線発信します。1件目で応答がなくても、最大3件まで電話かけていきます。
最後の声かけコールは、着信時に着信相手や頻度に合わせて電話機が音声で通知するもの。市外局番やフリーダイヤルなど、どこからかけてきたのかを案内するほか、同一電話番号からの着信に警戒を呼びかけます。
ユニークなところでは、年金が支給される偶数月13〜17日に「年金支給日を狙った詐欺に気をつけてください」といった注意を促す音声も。
ちなみに現在、有料の見守りサービスはさまざまな形で提供されています。しかし、その多くは追加の費用がかかったり、新たな契約や設置工事、インターネットなどの環境が必要だったりと、敷居が高い面もあります。固定電話を使った追加負担なしのサービスとしたのはそのため。シャープではエモパーという人工知能も展開していますが、今回の電話機はスタンドアロンで動作する機能となっています。