「GINZA SIX」が高級商業施設となったワケ

J.フロントが進める2つの「脱百貨店」戦略

「GINZA SIX」には世界を代表するラグジュアリーブランドが、複数フロアのメゾネット店舗を構えた(記者撮影)

今日4月20日、銀座中央通りに面する銀座6丁目に巨大商業施設「GINZA SIX」(ギンザ シックス)がオープンする。

休日は歩行者天国でにぎわう銀座エリアでは最大規模の施設面積4万7000平方メートル。世界を代表する「ルイ・ヴィトン」や「ディオール」といったラグジュアリーブランドのほか、書店や飲食店も含め241出店、そのうち半数以上が旗艦店となっている。初年度の来訪客数は2000万人を予定している。

ギンザ シックスはJ.フロント リテイリングの中核企業である大丸松坂屋百貨店の松坂屋銀座店の跡地を中心に開発。運営に当たっては、大丸松坂屋百貨店以外にも、森ビルやL キャタルトン リアルエステート(LVMHグループをスポンサーとする不動産投資・開発会社)、住友商事の4社が出資したGINZA SIX リテールマネジメントがこの施設の運営を担う。

“脱百貨店”を掲げるギンザシックス

17日のセレモニーには共同出資会社4社の代表のほかにも、安倍晋三首相と小池百合子東京都知事も駆けつけた(記者撮影)

4月17日に催されたオープニングセレモニーで、Jフロントの山本良一社長は、「世界で通用する日本で類をみない商業施設が出来たと感じている。私たちの力を出し切った結果がこのギンザ シックス」と力を込めた。

ギンザ シックスは百貨店というビジネスモデルからの脱却を体現している。山本社長は今年1月の東洋経済のインタビューで、「過去の延長線上の成功体験に基づいたことではなく、呉服屋から百貨店に変わったのと同等レベルの大きな変革をしていかないといけない」と語っている。

Jフロントが実現を目指すのは「新百貨店モデル」だ。

百貨店には在庫のリスクが伴わない「消化仕入れ」と呼ばれる独特な商慣行がある。消化仕入れとは、商品が売れたときに仕入れと売り上げを同時に計上する取引形態だ。百貨店側は在庫リスクを気にせず、多種多様な商品をそろえられる一方、1商品あたりの利幅は薄い。

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