アイヌの人々は、少なくとも中世末期以降の歴史の中でみると、当時の「和人」との関係において北海道に先住していたと考えられており、独自の伝統を有し、アイヌ語等を始めとする固有の文化を発展させてきた民族です。しかしながら、アイヌの人々の民族としての誇りの源泉であるその伝統や文化は、松前藩による支配や、明治以降、我が国が近代国家として出発し「北海道開拓」を進める中での、いわゆる同化政策などにより決定的な打撃を受け、今日では十分な保存や伝承が図られているとは言い難い状況にあります。
北海道知事や北海道アイヌ協会などの、北海道旧土人保護法等の廃止と新たな法律の制定についての要望を受け、平成7年3月、官房長官の私的懇談会として「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」が設置されました。
約1年間の審議を経て、平成8年4月、「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会報告書」が提出されます。
この報告書を受け、アイヌ文化の振興等を図るための施策を推進することにより、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現と我が国の多様な文化の発展を目的とした「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律(アイヌ文化振興法)」が平成9年7月に施行されました。これに伴い、旧土人保護法等は廃止されています。
国土交通省北海道局では、アイヌの伝統・文化に関する知識の普及啓発に係る施策を所掌しており、アイヌ文化振興財団への補助金等により施策を推進しています。
アイヌ文化等の普及啓発をより一層推進するため、平成25年度から、民間企業や行政機関等の連携により、アイヌ語のあいさつ「イランカラプテ」(「こんにちは」の意)を、「北海道のおもてなし」のキーワードとして普及させるキャンペーンを展開します。
重点実施期間: 平成25年~27年度の3か年間
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