安倍晋三首相は27日の山口放送の番組で、原子力発電所の新規立地の見通しについて「(東京電力福島第一原発の)過酷事故を経験した。今は考えていない」と述べ、現時点での原発の新設は難しいとの考えを示した。25日に収録されたインタビューの中で語った。
首相は「原発の比率はできるかぎり少なくしていきたい。その中で、エネルギーのベストミックス(最適な電源構成)を構築したい」と主張。一方、原発の再稼働については「原子力規制委員会が世界で一番厳しい基準で安全と判断すれば、国としては再稼働していきたい」と述べ、前向きな姿勢を示した。
原発の新設について、首相は今年1月の国会で「今後のエネルギーをめぐる情勢などを踏まえ、ある程度の時間をかけて腰を据えて検討する」と答弁していた。
政府は来年1月、国のエネルギー政策の中長期的な方向を示すエネルギー基本計画を閣議決定する予定だ。
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